トゥルーラウンド115F
トゥルーラウンド115F
メーカー:エバーグリーン
カテゴリー:フローティングミノー
スペック:全長115mm 重量18.5g フックサイズ#3
評価
純然たるヒラスズキ用ルアー。
ストロング系フローティングミノーの完成形。
そもそも何故この2フックのストロング系(あるいは「ヘビーデューティー」だの「モンスター」だのなんだの)と呼ばれるフローティングミノーが生まれたのか、何故フッキングに有利な3フックではなく2フックが求められたのかというと、搭載するフックの強度に理由があります。
マルスズキ狙いならば#4もあれば十分な強度が確保されているといえますが、ヒラスズキ狙いにおいては#3が「エントリーモデル」です。
一部のバイブや小型シンペンのように丸呑みされて復数のフックポイントが貫通するであろうと想定されているルアーならば#4~6でもイケないことはないですが、ヒラスズキ釣りの王道ルアーであるフローティングミノーの場合は#3以上のフックを装着できることが好ましいとされています。
“搭載できるフックはなるべく大きく、でもルアーのサイズ自体はなるべく抑えたい”
アイルマグネット125/105DBがその典型例でしょうか。
2000年前後に多くの「元祖ストロング系」の磯ルアーがリリースされています。
この思想でルアーを作るとボディはファットになって高い浮力を備えるようになり、必然的に2フックアイになります。
ですが、この手のルアーはマルスズキ狙いのマーケットにおいては3フックアイのルアーと比べると商業上不利で、やがて市場から駆逐されてしまいました。
今も昔も市場規模を比べるとマルスズキ>>>ヒラスズキとなっているので仕方ありませんね・・・
そして時は流れ・・・(相変わらずマニアックな釣りですが)以前よりもヒラスズキ釣りがより一般化し、また、マルスズキのストイックなランカー狙いが珍しいものではなくなってくると、その手のルアーに対する需要が再度発生します。
ユーザーの2フック仕様のルアーに対する理解が深まってきたのです。
そこで(再)登場したのが「剛力」であり「モンスター」であり「ストロング」であり「ヘビーデューティー」あり・・・トゥルーラウンドでした。
適性
サーフ ★★★☆
内湾干潟 ★★
河川/河口 ★★★★
磯 ★★★★★
港湾 ★
磯のルアーですが川・浜で普通に使えます。
川・浜での大物狙いやスズキではないスズキのような相手を狙う際にどうぞ。
キャスティング
飛距離 n/a
飛行姿勢 n/a
キャスタビリティー ★★★★★
PE2号を使って強い逆風の中、撃ち出すことができます。
理想的なコンディションでの飛距離等はあまり知りません。
お腹のスプリットリングとフックがペタっとボディに貼り付く現象が発生しますが、内蔵しているマグネットユニットがの磁力が強すぎるからです。
どういうルアーか、それがどのようにキャスティングに影響するかはお察しください。
磯ヒラロッドではなく、9~10ftの普通のシーバスロッドでキャストする際の話ですが、個人的にはK2Fよりトゥルーラウンドのほうが簡単かつ安定しやすいと思ってます。
レンジ
裂波的なレンジ
磯ではかなり上、川や浜ではコツコツ底にあたるかも。
アクション・使い方
アクション ★★★★☆
まぁ、細かいアクションの説明とかは不要でしょう(苦笑)
強い北西の逆風の中、目標のサラシに向かってパーンと投げてブーンと引いてくるだけ。
なんか、こう、長嶋的で釜本的なヤツ
遅くても早くても普通でも、とにかく巻けばそれなりのアクションが出ます。
ヒラスズキにはちょっと太い50lbリーダーを使って巻くとローリングが強くなってその性格が変質しますが、それでも一応泳いでます(実際にそのアクションで釣れます)。
ただし、ナイロンリーダー50lbの話なので、重いフロロにすると50lbは厳しいかもしれません。
ナイロンならMAX50lb、フロロなら40lbを目安にすると安全といえるでしょう。
自由に選べるフックサイズとあわせて、青物が潜むエリアでの釣りでも安心の仕様となっております。
また、リップが裂波やロウディーのような「水を掴んだら離さない!」みたない突き出たリップレスリップではなく、水をサラっと上と左右に掻き出すようなリップ形状をしているので、サラシの中の超デッドスローとか、引き波の中のステイとかはそれらのルアーより苦手な気がします。
フックチューン
デフォルトは#3、自分がよく使うのは#2。
ただし、ST-46の#2だと普通に曲げ伸ばされますので、#2ならST-56の#2にするとか、がまフックを使うとか、もう一回り大きく#1にするとか・・・・その辺の工夫は自由に。
ルアーの入手
値段 ★★★
安定供給 ★★★
ちょっと高いというか、今では普通に裂波120より高いですね。
かといってK2Fほどではないので「普通・標準的」なお値段でしょう。
店頭ではカラーラインナップが貧弱なことが多く、拘るなら通販がお勧め。
あ、ちょっとぶつけたらリップが折れたとか、ちょっとぶつけたらボディにクラックが入ったとか、ちょっとぶつけたらら下半身が吹っ飛んだとか、そういうルアーではないです。
総評
最終評価 ★★★★☆
このジャンルのルアーの二つ名には「剛力」とか「ヘビーデューティー」とか「ストロング」とか「モンスター」なんかがありますが、裏を返せばそれらはスタンダードモデルというか、オリジナルの別バージョンがあって、そっちから派生したものだという証拠ですよね。
そこのところトゥルーラウンドは、はじめからタフなシチュエーションを想定している、根っからの磯ルアーなんです。
真摯な姿勢で作り込まれたモノなんです。
ここ、大切。
磯でどんな使われ方をするか、はじめから全て織り込み済みで作られているルアーと、磯で使うために「足し算」をして出来たルアーは別物です。
「派生品」でもいいものはいいですが、やはりつぎ込まれた熱意・・・テストと改良に掛けられた時間はK2Fやトゥルーラウンドのような「オリジナル」のそれとは比べ物にならないわけですよ。
ぶっちゃけ、「派生ルアー」の良品はオリジナルの基礎設計の優秀さに、「偶然」というスパイスが振りかけらたケースがほとんど。
派生品とオリジナル・・・・自分はトゥルーラウンドのような“オリジナル”を選びたいです。
エバーグリーンはアイアンマービーにしても、ストリームデーモンにしても、このトゥルーラウンドにしても、ルアー監修者のこだわりをそのまま受け止めてカタチにしてやるという懐の深いルアーメーカーであるということがなんとなく察せられますね。
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