トレブルフックの種類~がまかつトレブルRBMH編~ - 初心者のためのフック講座

トレブルフックの種類~がまかつトレブルRBMH編~

 13,2016 17:10
DSCN3069.jpg


がまかつトレブルRBMH・・・この独特のシェイプをしたフックは、がまかつがソルトルアーフィッシングにおける新基準とすべく売りだしたブツです。


「刺さりの良さ」を最大のウリとし、ハイパーシールド加工によって高い防錆性能を併せ持ち、スペック上では死角がないフックですが・・・・今から述べる問題点から、アングラーの支持を得ることができませんでした。


RBはその性質を見極めて使う分には問題ないフックですが、がまかつの言い分を鵜呑みにして何も考えずに選ぶと「勉強させてもらった」なんてセリフを吐いて強がるハメになります(苦笑)


尚、もっと細く弱い「RBM」ともっと強い「RBH」が存在します・・・Mはその細さから無視してよく、Hは時と場合によっては選択肢としてありえます(後述)。



このフックの特徴は【ロングシャンク】・・・つまりは主軸をあえて長くすることで「吸い込みの良さ」「テコの原理による刺さりの良さ」を意図しているところです。


DSCN3074.jpg

左RBMH#4 右ST46#4


ちなみに「ラウンドベント」の名前は伊達ではなく、本当に刺さり重視のギャップが半円形の曲線を描いたカーブで、フックポイントとバーブから下にかけてのストレート部分が短いです。

ST46はホールド力も意識しているのでストレート部分がやや長く、それからフックポイントが微妙に内向しています。


絵にするとこんな感じ


gapandpoint1.jpg


左の赤ががまかつトレブルRB、右の青がST46とかSPMHとか。


論理的に考えればフックポイントが下から真上に突き出るRBの形状が刺さりに有利です。
フックポイントが貫こうとする対象に直角になりやすく、フッキングの力を伝達させやすい・・・つまりは貫通させやすいからです。

ST46やSPMHはギャップの根本の幅はRBと似たようなものですが、内側に傾斜しているので若干刺さりにロスがあるはずです。
が、一度刺さったらこの傾斜がフックアウトを多少なりとも防いでくれることになります。

この「貫通力かホールド力か」のフックの二択問題でホールド力を最大にもとめたのがST31(ST41TN)で、傾斜させるどころかストレート部分を内側にカーブさせることによって「刺さりにくいが逃れられにくい」という形状をしています。

ま、この話はいずれ別の記事でするでしょう・・・形状による刺さりの良さだのシャンクの長さだのの話が難しいならば、ここでは、がまかつトレブルRBは刺さりだけをひたすら重視した設計思想で作られているということを憶えましょう。



しかし、前の記事でも述べたように、ソルトルアー用フックの主流はオーナーのST46やがまかつトレブルSPMHのフォルム・・・どちらかといえば軸が短い【ショートシャンク】(もしくはノーマルシャンク)です。

これには当然理由があって・・・


シーバスは投げれば投げるほど確率論的にルアーに食いついてくるような釣りではなく、どちらかといえば一投を大事にする釣りであるという認識が広がってきました。

投げすぎると、警戒する。
見せすぎると、食べない。


つまり・・・スレる。


現実は必ずしも毎回うまく行くとは限りませんが、気持ちの上では一撃必殺の精度とトレースコースを意識して、流れやストラクチャーなどの影響を計算しながら投げるわけです。


ところがロングシャンクのフックは他のフックと干渉したり、ルアーボディに巻き付いたり、リーダーを拾ってエビったり・・・と、ミスキャストの可能性が通常のフックよりグンとあがるので”吸い込みがよく刺さりもいいのでフッキングに云々”の以前の段階でアングラーから敬遠されてしまったわけですね。

また、かつては120mm以上のルアーでも2フックのルアーが珍しくはありませんでしたが、シーバスルアーが体系的に発達していくに従い、大物狙いのパワー系ルアーは2フック、通常のテクニカルなルアーは3フックと棲み分けされるようになりました。
もちろん、3フックの後者がシーバスルアーの主流となってしまい、フックとフックの間隔が短い今のシーバスルアーの主流のスタイルだとRBの出番が少ないのです。



そして、これが最大の欠点というか、問題点ですが・・・



まったく同じ太さの鋼線を使ってフックAとフックBを作るとします。

フックAはロングシャンク
フックBはノーマルシャンクとします

フックAとBを同じサイズに作るとフックAがかなり重くなります(ロング・・・つまり軸が長い=使う鋼線が多いので当然ですね)。
フックAとBを同じ重量でつくろうとすると、フックAのサイズを小さくするかもっと細い鋼線で作るしかありません。


ところで話は変わりますが、100人いたら99人はシーバスルアーのフックの交換はそのデフォルト搭載フックの重量を基準にすると思います。
仮に、とあるルアーのデフォルトのフックが0.57gだとして、そのフックをデフォルトではないフックと交換する場合、0.57gを基準に・・・例えば0.62gまで大丈夫かな?とか、0.54gと多少減ってもアクションがワイルドになりすぎて破綻しないかな?とか、そういう感じですね。





もうすでに話が見えてきた方もいるでしょう。





がまかつトレブルRBの最大のネックは同じフック重量だったとしたらST46やがまかつトレブルSPに較べて弱いということです。
同じサイズだとしたら間違いなくRBのほうが重くなってしまうということです。



下の画像はクリックで拡大します。


RBMH.jpg


RBMHはSPMHと同サイズだったとしたら、#6まで使用されている鋼線が細いです。
つまり、これだけで無条件にSPにくらべて弱いフックだということがわかります(自分の経験上、確かに#6~12のRBMHは弱いです・・・RBMH#8とST46#10はほぼ同じ重量ですが、RBMH#8のほうが相当弱いです)
#5サイズから同じ強度の鋼線が使用されますが、今度は同サイズ比でSPにくらべて重量が次第にUPしていくことがわかります。


一言でいえば、RBは重量比の強度が低いわけですね。

もしルアーというものがフックの重量にそのアクション性を左右されない性質のものであれば、RBはなんの問題も抱えていないことになるのですが・・・・

悲しいかな、現代のソルトルアーの殆どは開発時にその推奨フックサイズ(重量)が決められて、その重量に合わせてアクションが設定されているのです。


記事冒頭で



RBの性質を見極めて使う分には問題ないフックですが、がまかつの言い分を鵜呑みにして何も考えずにこのフックを選ぶと痛い目にあうかも



云々と書いているのはこのことです。


唯一無二の強度・防錆効果を誇る「トレブルRB」シリーズのスタンダードモデルです。”
http://www.gamakatsu.co.jp/products/search.php?heirloom=on&Act=detail&id=67366G
・・・ホントかよ?(笑)



例えば・・・ST46#6あるいはSPMH#6相当だろと思ってRBMH#6を使うと、重量的には正しい選択だけれども、実は強度が大幅に低かったりします。

先ほどの表によるとSPMH#6の鋼線の直径は0.99mm、RBMH#6は0.92mm

これが何を意味するのかは一目瞭然ですね。




で、RBMHの使いドコロですが、自分がよくするのはこの画像のスタッガリングスイマー125のように・・・


DSCN0231b.jpg


フロントフックとベリーのフックの距離が開いているルアーにつける・・・干渉の可能性が低いので刺さりと吸い込みを重視してフロントのみRBMHを装着してみたり


このコットンキャンディーカラーのコモモのようにリアフックとベリーの距離が開いているルアーにつける・・・これも同じく干渉の可能性が低いので刺さりと吸い込みを重視してリアのみRBMHを装着してみたり


DSCN3071.jpg


あるいは、春先の、まだシーバスの体力が完全に回復していない・・・・シーバスの走りにパワーをあまり感じない時期に装着は可。
そういう時期はバイトが非常に繊細で、フッキングに有利なRBMHの小さいフックを使うとそれまで拾えなかった反応を捉えることができるようになることがあります。


自分はあまりしませんが、2フックのルアーでそのルアーがフック重量の増加に寛容であるならば、RBMHの#5以上を付けるのはありでしょう。
そういう場合はひょっとするとRBHのほうが目的に適うかもしれませんね。


あ、2フックの小型港湾ルアーなどへの装着はあまりオススメしません・・・港湾サイズの#6#7#8は同サイズのST46に較べてかなり強度が劣るからです。
強度を十分確保しているサイズまでUPしてもアクション性が損なわれないならば問題ないですが、そこまでしてRBMHを付けたいか・・・あるいは付ける意味があるかといえば、まぁ、無いでしょう(苦笑)

港湾ルアーにRBMHの小さなサイズを選択するとしたら、強度が劣ることを知った上で吸い込みと刺さりの良さを重視したい(しなければならない)という特定シチュエーション時ですね。




RBMHのサイズ展開は


14-12-10-8 -7- 6 - 5 - 4 - 3 - 2 - 1-1/0-2/0


となっています。


#14シーバスには小さすぎて殆ど使われません

#12バチルアーの傑作として名高いフィール120の純正フック

#10サイズは60mm以下の超小型シンペンや上記のフィール120のフックチューン用

#8サイズは60~80mmの小型シンペンなどに・・・エリア10に重量的には使用可、ただし、エビ率高しで強度低し

#7あまり存在意義がないサイズ

#6同上・・・このサイズまで曲がりやすく細すぎなので研ごうにもなかなか研げません

#5サイズになって始めてSPMHと同じ太さの鋼線が使用されます(重量も逆転)

#4「安心」と呼ばれはじめるフックサイズ・・・特定部位のフックチューン用に

#3にして1g超え

#2この辺りから重量と形状の問題からシーバス用として選択肢から除外されはじめます

#1サイズ・・・この重量(1.6g)だと形状的にはRBHの#2(1.72g)が合うルアーが多い

#1/0あまり使わないでしょう

#2/0あまり使わないでしょう




このフックを簡潔に評すると、実験的であり野心的であるが、実用上、その有効性が限られている、ということですかね。


使うルアーやシーズナルな条件、それにフィールドコンディションを考えて効果的に投入しましょう。


フックに関する理解がまだそういう段階に至っていないのであれば、RBMHが純正フックであるというルアー用を除いては、特に買い求める必要はありません。









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Comment 7

2016.09.13
Tue
17:55

boohoowoo #-

URL

やっとフックについて分かってきました。

これまで、何でこんなにフックの種類があるのかよくわからなくて、ルアー毎のフックの種類とサイズをネットやショップ店員に推奨のフックサイズとスプリットリングのサイズを教えてもらっていました。今回のフックの記事を読んで、やっとフック選択の指針が生まれてきました。ありがとうございます。

編集 | 返信 | 
2016.09.13
Tue
21:52

あさ #-

URL

当方、シーバスではSTばかりなのですが、ブラックバスでRBM、MHを使用します。

真冬などで魚の口がうまく開かないような状況、外掛かりを狙う場合(スレ掛かりではありません)、
もしくは腹のフックを口に掛けてテール側をフォローで掛けたい場合、ジャークベイト等を使用する場合です。

まぁ全てRBでセットする事はまず無いですね、いくらなんでもシャンクが長過ぎて干渉しないサイズを選ぶとバスですら強度がきわどい上に、小さいとフッキング率も下がる体感がありますので使用する意味が無くなってしまいます(苦笑)

シーバスなら尚更・・・ですね。
確かにフック単独で考えるとよく刺さる針だと思うのですが、トータルで考えると使い難いです。本当、フックはバランスが難しいですね〜

編集 | 返信 | 
2016.09.17
Sat
00:42

ぼらお #-

URL

Re: やっとフックについて分かってきました。

> これまで、何でこんなにフックの種類があるのかよくわからなくて、ルアー毎のフックの種類とサイズをネットやショップ店員に推奨のフックサイズとスプリットリングのサイズを教えてもらっていました。今回のフックの記事を読んで、やっとフック選択の指針が生まれてきました。ありがとうございます。

励みになります。

編集 | 返信 | 
2016.09.17
Sat
01:10

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> 当方、シーバスではSTばかりなのですが、ブラックバスでRBM、MHを使用します。
>
> 真冬などで魚の口がうまく開かないような状況、外掛かりを狙う場合(スレ掛かりではありません)、
> もしくは腹のフックを口に掛けてテール側をフォローで掛けたい場合、ジャークベイト等を使用する場合です。
>
> まぁ全てRBでセットする事はまず無いですね、いくらなんでもシャンクが長過ぎて干渉しないサイズを選ぶとバスですら強度がきわどい上に、小さいとフッキング率も下がる体感がありますので使用する意味が無くなってしまいます(苦笑)
>
> シーバスなら尚更・・・ですね。
> 確かにフック単独で考えるとよく刺さる針だと思うのですが、トータルで考えると使い難いです。本当、フックはバランスが難しいですね〜


ある日、小型のRBMH(8~6)が伸ばされまくったことがあって、ST46の10とか8より遥かに強度が劣るフックなんだと知った時は衝撃を覚えました。

がまかつのフック=高級=強いと思っていたので、その時初めてフックについて色々考えるようになりました。

最初のほうはRBシネ!サギフック!と怒りMAXでしたけど、経験と思考が一巡すると全てのRBがNGなわけではなく、使い分けを知らないといけないフックだという結論にたどり着きました。

フックに関しては、机上の理論なんぞは現場の実体験で一瞬で吹き飛ばされてしまいますね(笑)

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2016.09.17
Sat
13:00

あさ #-

URL

使い分けがわからないと値段も相まってサギフック言われても仕方ない気もしますね、最初は私もその口です(笑)

初期掛かりだけを考えればRBは最高なんですが、掛けた後はものすごい神経を使います(苦笑)

やはり個人的には他のフックと組み合わせて使うのが良いと思っております。

編集 | 返信 | 
2016.09.22
Thu
07:03

しかちゃん #-

URL

種類がいっぱい!

ぼらおさん、おはようございます (#^.^#)

フックの種類って結構あったんですね。
私は何も考えていなくて、針先が鋭ければ良いと思っていました。
絡んだりするのは仕方ないかなと思っていましたが、
フックのチョイスである程度は防げるんですね。
コアマンのアイアンプレートなどは、フックが胴体に刺さってあがってくるので、
フックを1サイズあげて使っていましたが、今度形状を変えてやってみます。
フックの重さはルアーの動きに重要な役割をするようですね。
津留崎さんは、動きを悪くするのがいやで軸の細いのを、
伸ばされるのを承知で使っていますよね。
良い勉強になりました。
ありがとうございました。

編集 | 返信 | 
2016.09.30
Fri
15:47

ぼらお #-

URL

Re: 種類がいっぱい!

> ぼらおさん、おはようございます (#^.^#)
>
> フックの種類って結構あったんですね。
> 私は何も考えていなくて、針先が鋭ければ良いと思っていました。
> 絡んだりするのは仕方ないかなと思っていましたが、
> フックのチョイスである程度は防げるんですね。
> コアマンのアイアンプレートなどは、フックが胴体に刺さってあがってくるので、
> フックを1サイズあげて使っていましたが、今度形状を変えてやってみます。
> フックの重さはルアーの動きに重要な役割をするようですね。
> 津留崎さんは、動きを悪くするのがいやで軸の細いのを、
> 伸ばされるのを承知で使っていますよね。
> 良い勉強になりました。
> ありがとうございました。

津留崎氏の言う「軸の細いフック」はST46の1とか2とか3のことで、磯でもST56を使わない拘りを言っているのだと思いますよw

それは別にして、ルアーの動きはボディでだす(フックなどで調整するものではないし、したくない)という傾向はルアービルダーによく見受けられる話ですね。

この意味が最近、すこしづつわかってきました。

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