フックの強度とロッドのパワーの関係 - 初心者のためのフック講座

フックの強度とロッドのパワーの関係

 07,2016 11:47
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何故、人は大きなフックを付けるのか、付けたがるのかといえば・・・・フックを伸ばされて魚に逃げられないよう、強度を確保するためです。シンプルですね。



世の中には「フックを根本までしっかり貫通させれば細軸の小さなフックでも滅多なことでは曲がらない」という理想論を振るう御仁もおられるようですが、それは机上の空論というものです。


まず第一に、フックが「しっかり根本まで貫通するまで無傷である」という前提が間違っており、次に根本まで貫通したら大丈夫という結論が間違っており、最後に、この理論を語る人の経験値はまだまだ不十分であるということが察せられるからです。


浅い掛かりだからこそ太いフックに助けられたり、太いフックだからこそ肉とフックとの摩擦面積が大きく、故に抜けにくくバラシにくく、太いフックだからこそ精神的に余裕のある攻略ができるというものです。
自分にはせっかくヒットしたのにフックを伸ばされてシーバスを逃した経験が多くあって、その悔しさについては人一倍の理解があると思います。
細軸で大きな魚を上げたという経験は当然あります。
細軸のフックで大魚を釣ることは可能か不可能かという二元論でいえば可能でしょう。
ですが、「細軸であげた1匹」の背後には多くの逃した魚がいる、ということを考えれば推奨されるものではありません。


「細軸でも大丈夫」


この言葉の裏には1回か2回の個人的な成功体験(経験が少ないのでまだ失敗はない・・・たまたま成功が先に来ただけ)を一般論として語っているような感じが透けて見えます。


ここでは太いフックの効能を語るのではなく、フックとロッドの関係を語る記事なのでこれ以上は深入りしませんが、フックの強度というものはシーバスフィッシングにおいては最重要要素であって、可能な限りルアーが許す限り強いフックを搭載しようとする・・・いや、強いフックを搭載できるルアーを使うのは当たり前のことであるということを述べるに留めておきます。



ですが・・・特に都市港湾部においては・・・常に#4だの#3だのを搭載できるルアーばかりを使うわけにはいきません。


大抵の港湾ルアーは#6か#8、小さければ#10でしょう。


港湾の定番ルアーといえるエリア10のST36BC#8(ST46#10相当)のフックなんてこんなものです。


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港湾のルアーはさまざまな理由で100mm以下の小型サイズが主流となり、小型ルアーにはその泳ぎの関係、浮力の関係、エビらないような取り回しの関係から、搭載できるフックに限界があるのです。




河川を意識したルアーになると120mm前後のルアーが多くなって、フックも#4か#5といったちょっとした安心感のあるサイズになりますが、そのサイズでも「強敵」が相手だとこんなものです。


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つまり強いフックを使え、強いフックを搭載できるルアーを使えといっても限度があって、そこにアングラーの工夫が求められることになります。

「根本まで貫通させよ」というのはこの段階で登場すべき概念・技術の一つであって、のっけから大前提として語るべきものではないという意味がわかって頂けるかと思います。







さて、フックにはルアーサイズの関係で「限界」があるという認識が共有できたかと思いますが、ここで議論すべきはアングラーはその「限界」にどのように向かい合うべきか、です。
『根本まで貫通させよ論』もその一つに属しますが、ここでは割愛します。







自分が思う一つの方法は場所の見極めです。


何故ならば釣る場所によってはフックサイズの大小にさほど敏感にならずともいいからです。
・・・主に護岸からオープンエリアを釣るときですね。

その場合、海面にも海中も障害物がなく、ロッドが剛である必要もなく、ラインも1号~0.8号程度でよく、たとえフックが小さくてもドラグを適当に緩めていればいつか上がってくるでしょう。

隣人との距離が短く、オマツリを避けるために強引さが求められるような場所は除外しますが、港湾の釣りでフックに泣くのはドラグ設定のミスではなかったら最後の足元の突っ込みくらいでしょう。


一方で磯や一部の河川、それに複雑なストラクチャー周りを重点的に狙う釣りでは、フックの強度はとても大切になります。

それらの場所においては一瞬の主導権の喪失がラインブレイクにつながることがあって、ヒットしてからランディングするまで強引なパワープレイに出る必要性があるからです。
強引なパワープレイには自分の「強引な意思」を伝達するタックルが必要です。
ロッド、リール(ドラグ)、ライン、リーダー、スナップ、スプリットリング、そしてフック・・・
ロッドもリールもラインも万全なのにフックが曲げられて逃してしまうのはまさに画竜点睛を欠くというべきでしょう。
そういう場所ではなによりもまず第一にフックを含めたタックルの絶対強度を用意すべきです。


自分が釣る場所の見極め・・・・港湾でも河川でも磯でも、まず最初に場に相応しいタックルを備え、それからその場所をよく観察し通い込んで危険ゾーンを把握し、ヒットゾーンによって「ここは大丈夫だ」という冷静な判断ができるならばドラグ設定次第でフックにかかる負荷を減らすことができ、フック本来の限界を超えた魚でもランディングに持ち込めるかもしれません。





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もう一つはロッドです




シーバスはマグロなどの青物とは違って、その”いなし”のほとんどはリールではなくロッドが行うものです。


ロッドが強ければ、シーバスをコントロールしやすくなりますが、タックルにかかる負荷はラインやフックに流れます(また、副作用としてバレやすくなります)。

ロッドが弱ければ、シーバスのコントロールは難しくなりますが、フックやラインに掛かるはずだった負荷の多くをロッドが担うようになります。




端的にいえば、柔らかくよく曲がるロッドは、強くてシャープなロッドより、フックを伸ばされることによるバラシ率が低いということです。




港湾で・・・具体的なルアー名をいうとするとエリア10やマニック115やフィール120など・・・よく釣れると言われているけれどもフックが小さいルアーを使う時はロッドのパワーにも注意を払ってみるべきしょう。


その違いは明確にでます。



じゃあ、『磯や一部の河川、それに複雑なストラクチャー周りを重点的に狙う釣り』には強くてシャープなロッドに強いフックがいいのかというと・・・





「 そ う い う 傾 向 」




があるのは確かですが、コンセプトとしてALL STRONGで武装したタックルがシーバスをいなし切れずにエラ洗い一発フックアウトされてしまい、フニャフニャのロッドがシーバスを騙し騙しランディングまで「誘導」して釣り上げてしまったなんていうこともよくあることです。(ただし、逆もしかりでフニャフニャのロッドだと一瞬でブッチギられて終わったということも)


ここがシーバスの面白いところであり、奥が深いところです。





大きいフック・小さいフック

硬いロッド・柔らかいロッド

気が抜けない場所・オープンスペース




フックの大小だけではなく、この3つの要素を複合的に考えてフックのセッティングを出せるようになったら一人前といえるでしょう。

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Comment 12

2016.10.07
Fri
12:41

 #-

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ファイトの仕方でかなり変わると思います。
ポンピングでかなりの量を巻き取る方は、必然的に竿が伸された状態になりやすいです。
しっかりと竿を曲げて(竿とラインの角度90度~80度くらい)ポンピングも膝や腰を使って小刻みに行えば、フックへの負担はかなり減ります。
理想は竿を曲げた状態で、余計な動作をさずにリールを巻いて寄せるです。

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2016.10.07
Fri
20:10

ワゴンセール #JalddpaA

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いつも、ぼらおさんの釣果をみて、マニックやエリア10で8番フックとかで釣ってすげーと思ってます。

おら、ST-46の4番でも、フックが伸ばされないか、不安一杯(;^_^A

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2016.10.07
Fri
21:06

 #-

URL

本文を拝見しましたが、フックを伸ばされてシーバスを逃してしまったとありますが、原因はどこにあるとお考えになりますか?また、修練を積むことで技術的な解決は難しいでしょうか?


一般的なシーバスタックルでは、通常ラインの強度よりもルアー標準搭載のフックのほうがはるかに強度があるかと思います。

つまり、フックが折れ曲がるよりもラインの方が先に切れてしまう。結果、ラインブレイクがシーバスの命を奪う結果にも繋がります。私はタックルの中で一番弱い部分をフックに、と考えます。

細軸派でもありませんが、キャッチ&リリースを考えた場合、トレブルフックの太軸で魚体に大きな風穴を開けるよりは、技術的な問題さえ解決出来れば、不必要に太軸のフックは使わず、シーバスに対するダメージも最小減に留められるかと思いますが。。。

是非ご一考下さい。

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2016.10.08
Sat
01:09

POPONTA #-

URL

やはりシーバスルアーフィッシングの醍醐味は場所と状況に応じてタックルを用意し工夫して釣り上げることの奥深さですよね。
ぼらおさんのおっしゃる通り場所とシーバスのサイズによっては、こちらに有利な距離(範囲)でやり取りするために強引なファイトの仕方が必要な時があり、一定以上のタックルのパワーが要求されます。
しかし通常ではライン強度よりルアーの標準フックの強度のほうが低くなってしまう場合が多く、ルアーに搭載できるフックサイズにも限度もあり、トータルでのタックルのパワーを確保するのに工夫が必要ですね。この記事のおかげで気づく人が増えるでしょうね。

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2016.10.08
Sat
08:38

SBJ特攻隊長 #-

URL

おはようございます。

これは面白い記事です。

大事な事ですね。

適材適所のタックルセレクトはシーバス釣りを快適にします。

快適にする事でキャッチ率が上がる。当たり前のようで、出来てる人も少ないしそれ相当の経験も必要な事実。

そもそも、釣り道具は人間を魚に近づける為の道具ですから。

エィッてトライデントを手でぶん投げて、何メートル飛ぶでしょうか?

魚に近づく為のタックルセレクトも奥の深さであり、楽しみですね。

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2016.10.08
Sat
17:29

へたっぴ #-

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おっしゃる通り

狙う魚の大きさにタックルのバランスを合わせる。

それには、キャッチに至るまでの工程まで考えていかないといけない。

弱らせるまで泳がせられるのか、強引に寄せるのか、色々な状況を考えて、釣る前から釣りは楽しめる。

改めてそう思いました(^o^)

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2016.10.08
Sat
20:31

植木屋やま #-

URL

僕はルアーシーバス2年目の超初心者ですが
無駄に?(笑)
釣行日数は多いです!

フィール120を始めて使った際、ぼらおさんの指摘をおざなりにして40㎝程度のセイゴをぶっこ抜こうとしてフック曲がりによりオートリリースとか‥

スナップ交換をケチり足元で大型が掛かった際、スナップが真っ直ぐに変形してオートリリースとか‥

fgノットの結束が甘くてショックリーダーごとバイバイとか‥

反省点は多々あります。
もちろん魚に対して申し訳ない気持ちもあります。

皆さんのコメントも初心者故に大変勉強になります。

またぼらおさんの釣り愛や、情報量、バシッと問題提起をし、芯のある議論をされる姿勢にも大変共感しています!

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2016.10.15
Sat
16:37

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> いつも、ぼらおさんの釣果をみて、マニックやエリア10で8番フックとかで釣ってすげーと思ってます。
>
> おら、ST-46の4番でも、フックが伸ばされないか、不安一杯(;^_^A


ロッドによるところが大きいですね。

マニック135を使う際に一番安心できるロッドはアルテサーノ103・・・フッコ級でもよく曲がるのでフックへの負荷が小さいです。

逆に神経を使うというか伸ばされるのが一番おおいのがミッドストリーム962・・・


掛かった場所によってはどんな小さなフックのルアーでもかなり強引に引き剥がそうとするんですが、勝率を分析するに、やはり難易度の高い場所には大きなフックが必要です。

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2016.10.15
Sat
16:46

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> やはりシーバスルアーフィッシングの醍醐味は場所と状況に応じてタックルを用意し工夫して釣り上げることの奥深さですよね。
> ぼらおさんのおっしゃる通り場所とシーバスのサイズによっては、こちらに有利な距離(範囲)でやり取りするために強引なファイトの仕方が必要な時があり、一定以上のタックルのパワーが要求されます。
> しかし通常ではライン強度よりルアーの標準フックの強度のほうが低くなってしまう場合が多く、ルアーに搭載できるフックサイズにも限度もあり、トータルでのタックルのパワーを確保するのに工夫が必要ですね。この記事のおかげで気づく人が増えるでしょうね。


護岸からのシーバス・・・それがどれだけ「自分が保護されていたか」気がつく時がくるんですねぇ・・・

別に磯だけじゃなく、河で、河口で、防波堤で・・・・あらゆるフィールドに「難易度の高い釣り」というのが存在して、ラインやロッドは勿論のこと、フックからタックルを見直さないと釣れない魚が存在する。

このシーバスの醍醐味を知ってからが本番といえるでしょう(笑)

編集 | 返信 | 
2016.10.15
Sat
16:55

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> 本文を拝見しましたが、フックを伸ばされてシーバスを逃してしまったとありますが、原因はどこにあるとお考えになりますか?また、修練を積むことで技術的な解決は難しいでしょうか?
>
>
> 一般的なシーバスタックルでは、通常ラインの強度よりもルアー標準搭載のフックのほうがはるかに強度があるかと思います。
>
> つまり、フックが折れ曲がるよりもラインの方が先に切れてしまう。結果、ラインブレイクがシーバスの命を奪う結果にも繋がります。私はタックルの中で一番弱い部分をフックに、と考えます。
>
> 細軸派でもありませんが、キャッチ&リリースを考えた場合、トレブルフックの太軸で魚体に大きな風穴を開けるよりは、技術的な問題さえ解決出来れば、不必要に太軸のフックは使わず、シーバスに対するダメージも最小減に留められるかと思いますが。。。
>
> 是非ご一考下さい。


釣行記を見て頂けたらわかるように、小さいフックを使って60upを釣ることはよくやっています。

小さいフックで釣っているのみならず、強引さが必要な場所でも釣ることがあります。

水深1m弱で根アリ、ブレイクあり、底は全て牡蠣殻・・・フックアップした直後の一瞬の判断とパワープレイが勝負を決する・・・

よくやっているからこそ、細軸に関してはTPOに応じて「選択肢としてありえる」という解釈をしています。

編集 | 返信 | 
2016.10.15
Sat
17:07

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> 僕はルアーシーバス2年目の超初心者ですが
> 無駄に?(笑)
> 釣行日数は多いです!
>
> フィール120を始めて使った際、ぼらおさんの指摘をおざなりにして40㎝程度のセイゴをぶっこ抜こうとしてフック曲がりによりオートリリースとか‥
>
> スナップ交換をケチり足元で大型が掛かった際、スナップが真っ直ぐに変形してオートリリースとか‥
>
> fgノットの結束が甘くてショックリーダーごとバイバイとか‥
>
> 反省点は多々あります。
> もちろん魚に対して申し訳ない気持ちもあります。
>
> 皆さんのコメントも初心者故に大変勉強になります。
>
> またぼらおさんの釣り愛や、情報量、バシッと問題提起をし、芯のある議論をされる姿勢にも大変共感しています!


励みになりまっス!

これからもあまり期待せずにユルく記事をお楽しみくださいw

編集 | 返信 | 
2016.10.15
Sat
17:23

ぼらお #-

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Re: おっしゃる通り

> 狙う魚の大きさにタックルのバランスを合わせる。
>
> それには、キャッチに至るまでの工程まで考えていかないといけない。
>
> 弱らせるまで泳がせられるのか、強引に寄せるのか、色々な状況を考えて、釣る前から釣りは楽しめる。
>
> 改めてそう思いました(^o^)


場所ですね、場所。

「いつもの場所」一辺倒ではなく、色んな場所での釣りに手をだすと釣れるか釣れないかは別として、アングラーとしての成長が間違いなくあると思います。

おっしゃるように、泳がせたほうがいいこともあれば、釣った瞬間、その一瞬のパワープレイが全てを決めることもあります。

引き出しを増やすには不慣れな釣りをして打ち負かされることが必要なのかもしれませんね。

編集 | 返信 | 

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