マーズ/ヒルクライム R-32 - シーバスルアー:その他

マーズ/ヒルクライム R-32

 26,2016 11:11
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R-32

メーカー:マーズ→ヒルクライム
カテゴリー:ソフトベイト・シーバスワーム

評価

“職業釣り師”こと小沼正弥氏がプロデュースしたルアーは星の数ほどありますし、今日でも多くの小沼プロデュースのルアーが「爆釣ルアー」として第一線で活躍しています・・・が、小沼プロデュースのルアーで何が一番の最高傑作であるか、議論が発生することはありません。
何故なら議論の余地なくR-32が最高傑作であるからです。
R-32は氏の「個人的な傑作」というレベルのルアーではなく、間違いなくシーバスルアー史に残るレベルのルアーです。

日本初のシーバス専用ソフトベイトがR-32だったわけではありません。
現在のシーバス用ソフトベイトの主流となっているピンテールタイプを初めて採用したのがR-32というわけでもありません。
R-32のシェイプ自体は、ワームの先進性では遥かにソルトルアーの上をゆく淡水バスフィッシングからパクリインスパイアされたものでしょう。

シーバスにはワームが効く時がある、いや、ワームしか効かない時がある・・・ということはR-32の発売前から周知の事実でしたが、「5~10gの砲弾型ジグヘッドに3in程度のピンテールワーム」という、誰もが知る組み合わせを「パッケージ」として完成させ、ラインシステムも何も変更することなくプラグ用のタックルでそのまま使えるようにしたのがR-32だったのです。
それまではバス系のナントカリグだの、メバル用ラウンドジグヘッドだの、人それぞれのワームの使い方が存在しており、共通のフォーマットが定かではなかったのです。
小沼氏はスマホを技術的に完成させた「発明者」ではありませんが、シーバスにおけるワームの在り様を今のカタチにまとめた・・・つまりスマホというパッケージを作ったジョブズに相当するわけです。

・・・小沼氏のことをちょっとバカにしていた人は反省するように!

しかもR-32は冬でも夏でも、デイでもナイトでも、港湾でも河川でも磯でも、タダ巻きしてもトゥイッチしても、ありとあらゆるシーンで有効であり、しかも、他のルアーに見向きもしなくなったスレたシーバスに効くという、汎用性・・・いや、「究極の普遍性」を備えたルアーです。

与えたインパクトでいえばCD9、BKF、初代コモモ125SF、ワンダー80級・・・つまりは「時代を作った」レベルのルアーといえるでしょう。
発売開始は2005年頃だと思われます。
(詳しい情報をお持ちでしたらコメントからお知らせください)

尚、シーバスのR-32やヒラメのボディキールといった傑作ソフトベイトを送り出したマーズ社は倒産してしまい、一時供給が完全に停止しましたが「ヒルクライム社」から復活販売されて現在に至ります。


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適性

サーフ    ★★★
内湾干潟   ★★★★
河川/河口  ★★★★★
磯       ★★★☆
港湾     ★★★★★

もう今では使っていないかもしれませんが、意外なことに、サーフヒラメの第一人者である堀田光哉氏は、5~6月頃のアフターヒラメ用のルアーとしてR-32を愛用していたようです・・・シャッドテールほどのアピール力はありませんが、ピンテール独特のナチュラルアクションは魚種を問わず効くということですね。
また、磯でもスレたヒラスズキを狙うための最終兵器として愛用者が存在します。
マルスズキ用としては、夜の川の橋脚ピンスポット撃ちからデイの港湾オープンフィールドでの釣りまで、ほぼ全てのシチュエーションに有効とされています。

個人的に思う“R-32だからこそ釣れる・R-32でしか釣れない”というシチュエーションは、冬から春にかけて、水の透明度が極めて高くルアーが見切られやすいシーズンの釣りですね。
60mmクラスのシンペンですらダメな時でも、R-32なら釣れます。


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キャスティング

飛距離 ★★☆~★★★☆
飛行姿勢 ★★★
キャスタビリティー ★★★

基本、接近戦用のルアーですが、使うジグヘッドの重量と、使い手のキャスティング技術次第でそこそこ飛ぶようになります。

使われるジグヘッドは現在この二つが主流です。
(コレらでなければダメだ!という話ではなく・・・ダート性能に特化したものや、フックシャンクが長いもの、ワームがきっちり挿入できるものなど、色々あるので各自で試してみてください)


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上:コアマン・パワーヘッド
下:オーナー・静ヘッド




ちなみに自分は静ヘッドの愛用者です。
理由は簡単で、静ヘッドのほうがラインアイが大きく、スナップ使用時の動きがより美しいからです。
スナップの話はまた後で・・・

静ヘッドでいえば、重量は一般的には5gか7gが普通です。
ちょっとした遠投が必要な場合や、川などの流れが早い場所での使用、それから水深がある港湾での使用には10gを使うことがあります。
特に思うところがなければまず5gと7gを揃え、10gの必要性を感じたらならば後で買い足しましょう。

港湾のオープンエリアで使う分には神経質になる必要がないルアーですが、穴撃ちに近い使い方をするならばラインが細ければ細いほど、リーダーが短ければ短いほど飛行姿勢が安定し、キャスト精度も高まります。
飛行中にクルクル回転して飛距離も精度も出ないのは、ほぼ間違いなくリーダーをガイド内に引き入れ過ぎていることが原因です。
タックルバランスを見直してください。


レンジ

開発者である小沼氏は

水深が「5メートル未満」のフィールドであれば、昼夜問わず1度ルアーをボトムまで着底させてからスローのタダ巻きでOK!!です。

・・・と、おっしゃっています。
これはR-32のみならず、ワーミングの話をする上で必ずぶつかる難しいコトなのですが・・・

「このレンジで使えッ!!」
「底を取れッ!!」
「しっかりタダ巻きしろッ!!」
「いや、アクションをつけろッ!!」

と形にハメられる話ではないのです。

例えば・・・

ここだと思うレンジまで適当にカウントダウンしてタダ巻きしてたら喰ってくるときもあれば・・・
カウントダウンどころか、着水直後に巻き始めたら即ヒットなんてこともあり・・・
テンポのよいトゥイッチ&ダートじゃないと口を使って貰えないこともあれば・・・

ボトムバンピングに近い動き・・・底からピョンピョン跳ねては落ちて跳ねては落ちてを繰り返してシーバスの注目を集め・・・それから底からちょっと巻き上げてからストップ・・・いわゆる「食わせの間」を入れたからバイトがやっときた!!
なんてこともあります。

奥が深い世界なので「タダ巻き」「自分が信用しているアングラーの使い方」「自分が得意としてる使い方」「こういう動かし方で釣れたら嬉しいなという使い方」など色々試してみてください。

一つ言えることは、R-32は「タダ巻きでも、見よう見まねのロッドアクションでも、余程異常な使い方をしていない限りちゃんと釣れるから信用していいよ!」ということ(笑)


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アクション・使い方

アクション ★★★★★
何時の頃からか、スレたシーバスにはピンテールの泳がない動きが効く・・・ピンテールが作る微細な波動だからこそ、見切られずにバイトまで持ち込める・・・という認識がシーバスアングラーの中で広がっていきました。
おそらくバス用のピンテールワームを使ってみたらすこぶる反応がよかったことから始まったのではないかと思います。
何故ピンテールに対して反応するのか諸説ありますが、シーバスが大好きなイワシ類の、「尾ビレをあまり動かすことがない動き」に近い波動をだしているからだという説がもっとも説得力があるように思えます。

R-32を始めとするピンテール系ワームに自信がない方は、まずは5g程度のジグヘッドを任意のレンジまで沈めてタダ巻きすることからスタートしてください。

ちなみに平べったい側が上、段々腹になっている側がジグヘッドの下にくるように、なるべくジグヘッドと同じ一直線・・・真っ直ぐストレートになるように刺しましょう。

タダ巻きはタダ巻きでも、ジグヘッドの半自動的なフォール機能がそのポテンシャルをMAXまで引き出すようになっています。
シーバス用の砲弾型ジグヘッドはレンジ調整機能がないために、思ったより安定して巻くことが難しいのです。
タダ巻きはタダ巻きでも、ちょっと早く巻けばダートっぽい動きでレンジが上に行くし、ちょっと遅く巻けばジグヘッドが頭からストンと落ちてフォールするし・・・で、余程の「タダ巻きの熟練者」でなければ1キャスト中に何回も半自動的にイレギュラーアクションが出ている・・・ということです。

シャッドテールと違い、人の眼から見ると地味すぎるアクションしかしないR-32を中々信用しきれなかった頃・・・

「本当にこれで釣れるんかいな?」

と、その動きが見える所で延々とR-32のスイムチェックをしたことがあります。
その時発見したのは・・・「ジグヘッド(静ヘッド)を一定のスピードで巻いたとしても、フラットな感じでレンジキープするのはとても難しい」・・・ということ。
巻く手は一定のスピードを維持できていても流速の違い・・・水中の抵抗の差で浮き上がってきたり、逆に沈んでしまったり・・・
今ならそれがイイんだ、そのフラつき、そのイレギュラー性がいいんだ!とわかりますが、その時はただ、「ジグヘッドでタダ巻きするのは難しいんだ」ということだけが印象に残りました(苦笑)

何を言いたいかというと・・・使い手が思っている以上に、使い手が初心者であればあるほどに、ジグヘッドに刺さったR-32は1キャスト中に様々なレンジを通り、様々なイレギュラー性を出している、ということです。
そしてそれはシーバスを釣る上ではとっても良い要素だということです。

R-32に慣れてきたのに逆に釣果が上がらなくなってきたならば、それは「高度なタダ巻き」を行っているからで・・・つまりタダ巻きが難しく泳ぎが乱れるはずのジグヘッドを、技量の高さでカバーしてキレイにフラットに巻いてしまっているからです。
初心者の頃を思い出して「テキトー」に戻るか、もっと意識してイレギュラー性を入れてください。

このイレギュラー性の延長線上にあるのが自分で意図して作るアクションですが、それについては完全に割愛します。
自分で自分の得意とする動かし方を見つけてください。


あ、あと念のため・・・

そんな人は居ないと思いますが・・・R-32と一般的な市販シーバス用ジグヘッドの組み合わせを頑なに拒否して、独自のリグでR-32を運用するのはNGです。

釣れないことはないと思いますが、ジグヘッドとコンビでの運用しているのに比べると遥かに効果が劣ることになるでしょう。
R-32はジグヘッドとコンビを組んで始めてその威力を最大限発揮するのです。



どこでも、どんな時でも有効なルアーですが、特にこういう状況に強いです:

・冬、水の透明度が高い時
・アミ、甲殻類、ハク、小型バチなど、ベイトが極端に小さい時・・・いわゆる「マイクロパターン」の時
・トウゴロウイワシやカタクチイワシなどのイワシパターンの時
・自分や先行者に散々ハードルアーを打ち込まれてシーバスがスレ気味の時
・高価なハードルアーを撃つのが躊躇われる時(ストラクチャーやボトム攻めの時)
・釣り場の最後を〆る、最後の1匹を引き出すクローザーとして

ちなみに唯一、R-32では釣れないなと思ったシチュエーションは・・・シーバスが浮いて完全に表層オンリーを意識している時。

そういう時はR-32というか、ジグヘッドではどうやってもレンジがあいません・・・そのようなシチュエーションでどうしてもワームで釣りたいならば・・・・バス用の重いワームをノーシンカーで表層を泳ぐよう巻くしかないでしょう。
まぁ、素直にサブサーフェイス系のミノーで釣ってください。


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フックチューン

ジグヘッドのバラエティは年々増加の一途を辿っているので、自分に合うジグヘッドを探すのも乙な楽しみです。
ジグヘッド+ワームという組み合わせは、シーバスルアーの中でもフッキングが最も悪いジャンルです。
故に、そこに娯楽性が潜んでいます。
R-32をちぎって短くすることでフッキング率がUPしたり、繊細な吸い込みバイトに合わせるために可能な限り軽いジグヘッドを使うといままで弾いていたショートバイトが掛かるようになったり、使用するロッドティップの柔らかさで釣果が違ってきたり・・・奥が深い世界です。
「解答を探す楽しみ」を得られるようになると一人前。

あ、忘れてました・・・ジグヘッドにスナップを使うか否かの問題
確か小沼氏は「タダ巻きならスナップ・アクションさせるならリーダー直結」と以前発言されていたと思いますが、個人的には初心者の間はタダ巻きだろうがダートだろうが問答無用でスナップ・・・特にワイドタイプのスナップを使ったほうがいいと思います。
ちょっと手を止めた瞬間のリアクションの差、頭から落ちていくフォールの美しさの差は歴然としており、スナップ付きに軍配が上がるでしょう。
自分なら耐力スナップの1か1.5を使います。




ジギングの表現を借りるなら、スナップありはフリーフォール・・・・そのジグのフォルムならではの、固有のフォールが活きます。
一方のスナップなしはテンションフォールです・・・・たしかにテンションフォールにだけ反応がある時があるので知っておいて損ではないですね(特に水中のどのレンジに反応があるのか特定している時・・・その特定層で長い食わせのアピールをしたい時)。


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ルアーの入手

値段 ★★★★
安定供給 ★★★
マーズ時代のR-32といえばシーバスワームの代表格も代表格だったので、文字通りどこでも手に入れることができましたが、ヒルクライム社になってからの安定はまだまだ発展途上。
プラグに比べるとジグヘッド代を加味してもまだ格安といえる値段ですが、その性質上、根掛かりがどうしても多くなる上に、一度ヒットするとかなりの確率で大きく裂けて再利用できなくなる・・・喪失率が非常に高いルアーです。


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総評

最終評価 ★★★★★
ライバルにコアマンの「アルカリ」という、R-32と人気を二分するピンテールワームがあります(厳密にはアルカリはホンの少しだけシャッドテールですが・・・)。
どっちか一つ選べと言われたら自分は100回中99回、R-32を選びます。

R-32・・・本当に良く釣れるルアーです。



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Comment 6

2016.12.26
Mon
13:00

boohoowoo #Y.RLEoj6

URL

アルカリ派ですが

ここまで詳しく記事にされるとR32に静ヘッドで耐力スナップの組み合わせで一度やってみようと思いました。ストラクチャーを撃つときやテクトロでジグヘッドプラスワームの組み合わせは無くしても財布にあまり痛くないので重宝しますね。スタスイ割れたときは深夜の水門で一人泣きそうになりました。

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2016.12.26
Mon
19:42

ワゴンセール #JalddpaA

URL

R-32って、ギャンブラー スタッドって言うバス用のソフトルアーが元だと思ってます。(確信はありません。)

ちなみに、オリジナルのこちらは、かなりお安いので、お財布が寂しいお父さんにぴったりです(╹◡╹)♡

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2016.12.27
Tue
01:36

ワン #-

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小沼氏がギャンブラースタッドが生産中止になるということでR32を開発したと聞いたことが有ります。

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2016.12.27
Tue
14:46

スタッマキンスイマー #-

URL

ホントにR32、静ヘッドにはお世話になってます。
釣れない時の私の味方、何時もつれます

カサゴが

よっぽど美味しそうなんでしょうねw

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2016.12.31
Sat
16:10

くるぼう #-

URL

この記事を読んだあとに釣具屋で見かけたので買ってみました。今までグラスミノー系のワームしか使っていませんでしたが、来年の主力として頑張ってもらう予定です。

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2017.01.05
Thu
17:42

でぽん #-

URL

小沼氏の1番凄いところは、何時間でも投げ続けられる体力と忍耐力ですよね。(理論や技術も勿論ですが)
R-32もそこで培われた何かから誕生したのでしょう。
彼の唱える「ただ巻き理論」にも心から感服しています。
ただし、小沼氏のただ巻きは、超高等技術だと画面を通してでもわかってしまいますが…

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