カタログで読むシマノソルトルアーロッド史 - 読書

カタログで読むシマノソルトルアーロッド史

 23,2017 11:48
DSCN4220.jpg


かなり衝撃的な内容ですので「シマノ信者」の方は閲覧注意。


コメントより指摘を頂いたのでので内容に大幅な訂正・加筆がなされてあります。

正しい情報の提供に感謝します!

2017/2/25




2002年・・・つまり今から15年前のシーバスに使えそうなシマノ・ソルトルアーロッドのラインップをご紹介します。









DSCN4222.jpg





“Salty Game SEA BASS EV”




以上です。


いや、本当に、冗談じゃなくて、マジでこれだけです。


9ftから13ftまでの全5レングスのテレスコピックロッド・・・といえば格好いいですけど、要するに振り出し竿。

トップガイドのみSICリング・・・メーカー希望小売価格は16,000~20,000円





え?



そんなわけないじゃん!



2002年・・・15年前っていっても、ダイワもがまかつもジャクソンもスミスも基本は今と変わらないシーバスロッドを販売してたんでしょ?



あのシマノが振り出し竿しか作ってなかったって冗談でしょ?







自分も見てびっくりしたんですが、2002年のシマノのソルトルアーロッドは4ページしか紙面を割かれていません。

全218ページ中、4ページです。


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↑の2ページはオフショア用モデル2機種・・・そして次の2ページ中、3/5がオフショア用モデルの続きの1機種

ショア用ソルトルアーロッドは2機種・・・前掲のショアライトゲーム用の「Salty Game Light」とシーバス用の「Salty Game SEA BASS EV」





2017年現在、釣り用品全般で「シマノ」が持つブランド力はトップレベルにあると思いますが、ことシーバス関係になるとシマノのブランド力が一回りも二回りも萎縮して小さくみえるよなぁ・・・と思っていた理由がなんとなくわかりました。

ディアルーナくらいだとラテオと同等な響きがありますが、ルナミスとラブラックスくらいになると多くの人がラブラックスを・・・エクスセンスとモアザンになると圧倒的にモアザンが支持されているイメージがあるのは出発地点の違いがあったわけですね。

ちなみに自分はこの現象(エントリーモデルはある一定の支持を受けるが、グレードが上がるにつれて離れていき、ハイエンドになると殆ど需要がない)を“メジャークラフト症候群”と呼んでます。
・・・余談ですが、ショア青物ロッドになるとシマノとダイワの関係は完全に逆転してる気がします。




さておき・・・




シマノはシーバス関連グッズの開発とブランド構築において“超”がつくほど出遅れていたのです。



シマノはコレより前、「ファイティング・ソルトウォーター」それから「オシア・スコーピオン」というロッドを出してたようですが、いずれもラインナップから消えてしまい、ちょうどこの2002カタログが出た頃はシマノのショア用ルアーロッドが殆ど無くなってしまった「断絶期」にあたるようです。


ちなみに・・・


初代ファイティング・ソルトウォーターは硬い「投げ竿」

二代目ファイティング・ソルトウォーターは柔めの上級機

ソルティーゲーム・シーバスは「ポヨヨ~ン」なエントリーモデル

オシア・スコーピオンは柔め~普通の上級機

・・・だった模様


80年台の初代ファイティング・ソルトウォーターは別として、90年台のシマノは時代の流れに沿ったテイストのロッドを作っていたようです。





しかし翌年、2003年にシマノのショアソルトルアーロッドに再び異変が起きます。





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異変の「主役」は・・・




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“オシア・フリーマン”




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自分のオシアARC1006の前モデルにしてオシアスコーピオンの後継機種です。


このロッドは2002年に発売開始され(2003年のカタログには間に合わなかったらしい)、2004年に後継のオシアARCが出ることで生産中止・・・わずか2年半という短命で終わりましたが・・・実はこのロッド、今でもソコソコの値(決してプレミアム価格ではない)が付いている、一種のカルトアイコン的なロッドです。

もちろん、廉価版の「GAME」も出ました。


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・・・が、この「ハイエンド」と「廉価版」の同時並行戦略は短期的視野・・・つまり売上的には良かったかもしれませんが、長期的視野・・・つまりマーケティングにおいて成功といえるかどうかは微妙だったみたいです。

なぜならば人の手が伸びるのはどうしても廉価版のほう。

ベンツがゴルフのようなハッチバックを売るのは簡単ですが、フォルクスワーゲンがベンツのような高級セダンを売るのは難しい。

シマノは再びソルトルアーロッド業界に殴り込むにあたり、ベンツ戦略で行こう、シーバスロッドはハイエンド帯から勝負しようとしたところ・・・やっぱり強気オンリーで勝負に出るのは怖い・・・そこでフリーマンの手応えがなかったときのため一手、「GAME」という保険を打っておいたわけです。


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この戦略は・・・どうだったんでしょうね?

シマノはエントリーモデルにおいては2010年のディアルーナで確固たる地位を固めましたが、中級のルナミスより上は今でも苦戦していると思います。

もし仮にフリーマンだけで勝負していたら・・・

エクスセンスブランドがモアザンブランドを凌駕している今があったかもしれません。












もしかしたら、この戦略はロッドの“インスパイア元”に原因があったのかもしれません。

だって、よく考えたらおかしな話ですよね?

再参入にあたり、突如としてそれままでのシマノロッドの方向性とは違う新テイストのハイエンドモデルがぴょこっと出てくるのって。


ちょっと穿った見方ですが、フリーマンには参考にした他社のロッドが存在したんじゃないかって・・・


いや、あるらしいんですけどね(笑)

この2000年前後のシーバスロッドはまだ「曲がる系」・・・UFMウエダ系のテイストのロッドが主流派であったらしく、オシアフリーマンのようなカッチンカッチン系の硬いロッドは少数派。




・シーバスロッドに再参入したいシマノ

・突如として出てきた新テイストのハイエンドモデル

・非主流派の冒険的なテイストの仕上がり

・○○○○○○の○○シリーズを丸ごと○○ったという噂




そこで繋がるのが・・・・某メーカーからインスパイアされてフリーマンを作ったのはいいけれど、売れるのかどうかは自信がなかった、だから保険的にGAMEを用意して、エントリーモデルというより市場のパイが大きく失敗しにくい分野に参戦した、その結果、シーバスロッドのブランド戦略はちぐはぐなものとなった・・・と、いう話。

そもそもフリーマン/オシアとGAMEの違いがグリップやガイド素材といった点だけで、テーパーは同じ、ブランク素材はほぼ同じ、フレーム素材を除くガイド設定もまったく同じというのがハイ・ロー ミックスとしておかしいんですよ。

もしハイローでやるならばローはローで所有感に関係するデザインのみならずしっかり機能的にも手を抜かないと(笑)、ハイを侵食してしまっていかんでしょっ・・・て。


でも・・・

「ノウハウがあまりなかった当時のシマノは機能面での作り分けができなかった・・・だからデザインで差別化しようとした(ダサい迷彩EVAグリップなどはその一例)」

この説明ならば矛盾なく説明できてしまうんですよね~





アッ、もちろん、この話は何も根拠のない純度300%の妄想です。

決して真に受けないでください😆

(そもそも自分がシーバスに興味を持ったのはずっと後のことなので)




・・・・さて、カタログに話を戻すと・・・・




2003年のカタログで掲載されているソルトルアーロッドは一挙に倍増して全8ページ!(苦笑)


シーバスロッドは勿論のこと、メバルロッドもエギングロッドも登場しています。

きっとシマノは2002~2003年くらいに淡水ルアー一辺倒・・・つまりはバスフィッシングに依存という危うさに気が付き(外来魚問題等)、リスクヘッジの必要性が社内で共通意思として確認され、方向転換が行われたのではないでしょうか?


そして翌年、2004年秋にオシアARC(906まで)を発売。


さらに2005年に廉価版のゲームARCとゲーム/オシア両方のロングレングスモデル(1006~1306)を発売。


それからパワーダウンさせた各レングスのLモデルを同年秋に発売。


このあたりは展開が早いですね。


フリーマンの硬すぎるテイストを緩めて独自色を出していく過程が手に取るようにわかります。


この辺の身軽さ、動きの早さがシマノを一級企業たらしめている理由でしょう。


2010年の初代ディアルーナと初代エクスセンスの発売によって、シマノのシーバスロッドはイメージ的にもテイスト的にもようやく「これがシマノのシーバスロッドだ!」というものになるわけですね。

ただし、今に至るまで「シマノのシーバス」ブランドが持つ力はまだまだ他社に及ばす、1.5流という微妙なポジションですが・・・






こういう妄想が52円か54円か、105円か108円か忘れましたけど、それくらいの出費で掻き立てられるわけですから、たまには古本屋の雑誌コーナーを漁ってみるのもいいですね。

ちゃんちゃん!
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Comment 9

2017.02.23
Thu
12:40

P #-

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そしてオシアを長年使い続けてきたぼらおさんが、そのインスパイア元(という説がある)らしいあのロッドを…

TYPE XXとはいえ僕もAR-Cに魅せられた者ですんで、あのロッド系統はとても魅力的ですね〜。ガチガチ路線、試してみたいです。あ、この表現したらバレちゃう!w

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2017.02.23
Thu
18:44

遼紀 #-

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噂ではその昔シマノの担当者が津留崎さんの元へUCを買いに来たらしいです・・・

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2017.02.23
Thu
19:17

のりお #-

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とても面白い記事です。
なるほどダイワとシマノのシーバスのブランドイメージはそういうことだったのかと納得しました。
シーバスとは違いますが面白いことに渓流ベイトロッドでは真逆のことが起きており、渓流ベイトフィネスを勘違いしたダイワが出だしで躓き他メーカーに遅れをとっているのが今の渓流ベイトフィネスロッド界です。
こうして見ると、ブランドイメージというものは作り上げるのは中々難しいと思いますね。

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2017.02.24
Fri
19:42

万年初心者 #-

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懐かしい

今でこそ気に入った竿なら4万位は普通だと思ってますが、ディアルーナ90Lは初めて一万円以上出して買った竿です。

上手く振り抜けた時のヒュパン!って音と飛距離が気持ち良かったの覚えてます

インスパイア元なんかあったんですね、津留崎さんの雑記にもあったけど、初めて〇C振った時の第一印象はシマノ系ロッド(ディアルーナとARCtype XXしか使った事ないです)と似てるなと思ったのはそういう事だったのかな


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2017.02.24
Fri
22:32

 #-

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??
スコーピオンオシアて竿の9fと10fを98年と02年に買って使ってましたよ。
NFT・シマノになった頃にはすでにシーバス竿出しているはず。
全商品記載のカタログで無いだけでは?


妄想を調べもせずにそのまま書くとは、衝撃です。

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2017.02.24
Fri
23:37

MW #PC0Ky8MM

URL

シマノ初のシーバスロッド?

始めてコメントさせていただくMW(むう)と申します。
もし興味がおありなら、と僭越ながら書かせていただきます。
 シマノ初のシーバスロッドは、1989年頃の初代「ファイティング・ソルトウォーター」だったと思います。11フィート以上,3ピースで磯マル・磯ヒラ用だったと思います。その後,新製品が無い数年の空白があって90年代後半にシーバスロッドに再進出したようなので結構後発かと思います。全く別物の新「ファイティング・ソルトウォーター」等がありました。
 ダイワは1984年頃に13フィートくらい,3ピースの「ファントムJ・シーバス」を出していましたが高級品ではありませんでした。同じ頃,ジャクソンは「ケイロン」,スミスは「タイドラッシャー」等サーフキャスティング用の長いのが既にありました。
 80年代は海のルアーはほとんど経験が無くて、あくまでカタログ等を見ての知識です。カタログはもう無いのでうる覚えですが・・・。間違いがあったら済みません。
 これからもブログを参考にさせてください。楽しみにしております。

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2017.02.25
Sat
11:06

ぼらお #-

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Re: タイトルなし

> ??
> スコーピオンオシアて竿の9fと10fを98年と02年に買って使ってましたよ。
> NFT・シマノになった頃にはすでにシーバス竿出しているはず。
> 全商品記載のカタログで無いだけでは?

ご指摘ありがとうございました。

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2017.02.25
Sat
11:06

ぼらお #-

URL

Re: シマノ初のシーバスロッド?

> 始めてコメントさせていただくMW(むう)と申します。
> もし興味がおありなら、と僭越ながら書かせていただきます。
>  これからもブログを参考にさせてください。楽しみにしております。

ご指摘ありがとうございました。
無知故にちょっと筆が滑りすぎてしまいました(苦笑)

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2017.03.18
Sat
16:45

ばし #-

URL

スコーピオンオシアもソルティゲームライトも現役で使ってます
96年頃には両方使ってだったと思います

シマノの過去を追いたいのであれば、シマノがメインスポンサーをやっていた釣りロマンを求めてという番組を追ってみるといいですよ

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