【物語二転三転】とあるロッドに纏わる面白い話 ② - 釣りニュース

【物語二転三転】とあるロッドに纏わる面白い話 ②

 28,2017 10:23
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無情にも却下されたリックスロッズ社の「スポーツザウルス社による『フィリプソン』の商標登録は無効」とする申し立て。

ところが事態は二転三転し・・・





スポーツザウルスを支持した商標審決(2000年4月)より後のストーリー

特許庁のお役所裁定の前に散ったリックスロッズの顛末

これより数ヶ月後、おそらく特許庁の商標審決と同時並行的に行っていたと思われる、スポーツザウルスがリックスロッズを訴えた案件が東京地裁が2000年9月に結審します。
つまりリックスロッズがスポーツザウルスを商標権の問題で攻撃した報復として、スポーツザウルスは民事訴訟をおこしていたわけですね。
そしてスポーツザウルスは勝訴します。
判決に曰く、スポーツザウルスの商標権は特許庁に認められているわけだから、それにイチャモンを付けて邪魔したリックスロッズは金を払え、と。

東京地裁判決

まさに泥沼(苦笑)

ところが、その2年後の2002年・・・リックスロッズが巻き返しを図り、それに成功します。

なんと、リックスロッズは前回とは別口で特許庁に異議申し立てをしており、そこでスポーツザウルスの「フィリプソン」に関する商標権は全て無効になったのです。

スポーツザウルスが完敗した2002年の商標審決

決め手はロゴの類似性と、前回は証拠として認められることがなかった、ザウルスが発行したカタログ内で使われた「あのフィリプソンの完全復刻だ」という文句でした。

この特許庁の審決はザウルスの喉に刺さったナイフとなりました。
ザウルスを支持するあらゆる裁定が「特許庁はザウルスの商標権を認めている」という事実に基いており、この審決はその裏打ちを崩すものだったからです。

ザウルスは高裁まで行って特許庁が2002年に審決した件を争いますが、翌2003年、ザウルスは負けます。

東京高裁による判決

ザウルスは2003年末に倒産するのでこれ以上、民事訴訟沙汰に構う余力はもうなかったはず・・・「フィリプソン」を巡る争いはこれにて幕を閉じますが、騒動の中で明らかになった点がいくつかあります。


明らかになった事実


例えば・・・

・やはり一時消滅していた「フィリプソン」の商標権
2000年の特許庁が下した判断に多大なる影響を及ぼしたと思われる事実です
1974年に「フィリプソン」は消滅
そして1997年にリックスロッズ社が「フィリプソン ロッド カンパニー」で取得
フィリプソン社は他社に吸収合併されつつも、事業の一部を吸収合併した会社とは別の会社に譲渡しており、その複雑な事情が商標権の消滅という事態に追いやったようです

・高裁も「製法が違っても別にいいよ」という判断
高裁はザウルスが天龍に作らせた復刻フィリプソンの製法がオリジナルのフィリプソンの製法に似ても似つかぬ事を「合理的な理由がある」として特に問題にしていません・・・やはり特許庁と同じくロゴの類似性を重視したようです

リックスロッズ社はフィリプソン社が残した素材で「限りなく本物に近い復刻フィリプソン」作っているだけで事業者としては真正の後継者ではない
ザウルス・天龍の「完全復刻フィリプソン」の製法がどうでもいいと認定されたように、リックスロッズの「限りなくオリジナルのフィリプソンに近い復刻フィリプソン」は、その内容が限りなく本物に近いと認定されたにも関わらず、事業および権利の後継者の証拠となるものではないと認定されたのです。
つまりリックスロッズの「ザウルスのフィリプソンは違う!」という訴えは認められても、「リックスロッズのフィリプソンこそが本物のフィリプソンだ!」という訴えは認められなかった、というわけですね。
ちなみにリックスロッズはアメリカでは「フィリプソン」の正当なる商標権利者として認められているようです。

・ハネダクラフトはリックスロッズのパートナーだった
ハネダクラフトはリックスロッズとザウルスの係争にたまたま出てきた名前ではなく、日本で「フィリプソン商売」を仕掛けようとしてリックスロッズと組んでいた当事者だった模様。
裁判でスポーツザウルスと争いました。

・面白すぎる特許庁の雑誌観
>ちなみに、近年の雑誌記事においては、パブリシティー記事やタイアップ記事の比率が高くなっており、
>その記事の体裁は一般記事と区別がつきにくい形となっていることは、周知の事実である。

シーバス雑誌関係者にとってはキツイ一言(笑)

・使われているロゴやトレードマークの決定的な類似性が重要
外観や機能や製法は特許権で守られているものでなければ

「オリジナルと似ている?だから何?」
「オリジナルと違う?だから何?」

で終わり、判断材料にならない可能性が高い。
そんなものよりロゴが大切なんですナ!
ちなみに「フィリプソン」のロゴにおいてはその特徴的な筆記体フォントと、付属している狐マークと地球儀に「world's finest」と書かれた図形をもザウルスが模倣したことが、「ザウルスはフィリプソンの事業後継者でも権利者でもないのにフィリプソンの商標権を持つかのような印象を消費者に与えた」と認定されて商標権取り消しに至っています。




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