アーガス アラジン90S - シーバスルアー:ミノー

アーガス アラジン90S

 16,2017 11:57
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アラジン90S

メーカー:アーガス
カテゴリー:シンキングミノー
スペック:全長90mm 重量13g フックサイズ#8

評価

アラジン90Sは“小沼正弥が考える小型ミノーのあるべき姿”を全て体現しているルアーです。
そこそこ古いルアー(おそらく2007年にリリース)ですが、一時期廃番に追い込まれています。
昔は「ベルズ ウェーバー アラジン」と名乗っていたような・・・?
ちなみに115mmサイズやフローティングモデルもありましたが、復刻されたのは最高傑作である90Sだけです。
なお、その廃番の時期に生まれたのがラブラ90S・・・両者の性質は非常に似通っていますが、それもそのはず、どちらともまったく同じコンセプトで作られているからです。
ラブラのほうがモダンですが、古いアラジンが基本性能で劣るようなことはまったくありません。
設計力の高さ、考えこまれた作り・・・「良いルアーというのは時代を超えて良い」ということでしょう。





適性

サーフ    ★
内湾干潟   ★★★
河川/河口  ★★★★
磯       ★
港湾     ★★★★★

港湾、ストラクチャーの釣りに非常に強い。


キャスティング

飛距離 ★★★☆
飛行姿勢 ★★★★
キャスタビリティー ★★★★★

飛距離も小型ミノーとしてはかなりあるほうですが、それより特筆すべきはそのキャスタビリティー。
ラブラ90SのDNAにも受け継がれていますが、小沼氏はキャスティングに制限がある場所でのキャスタビリティーに相当な拘りがあるということがこのルアーから伝わってきます。
背後・頭上の問題で理想的なキャスティングが出来ない場所でのルアー性能をとことん追求したということは、港湾部で相当な釣りをやったという証であって、それがこの古いルアーに凝縮されているということはオドロキです。


レンジ

ラブラ90Sとの違いをもっとも感じるポイント。
ラブラ90Sはすぐに浮き上がってきますが、アラジン90Sは一定のレンジキープ力があります。
もっとも、X-80SWやビーフリーズ78やタイトスラローム80のようなずば抜けたレンジキープ力があるわけではなく、普通にやればCD9よりちょっと浮き上がりやすく、アスリート9Sよりちょっと浮き上がにくい位です。
シャッドタイプのルアーではない、ということですね。


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このリップの円形状のくぼみ・・・カップは当時の“流行り”だったのでしょう・・・X-80やタイトスラロームにも採用されていました。
カウントダウンしてから沈めて巻いてよし、着水後そのまま巻いてよし、レンジキープを特に意識して巻いてよし。
沈降速度が特に早いわけでもなく、かといって少し流れがあれば全然落ちないような極端なスローシンキングでもなく・・・よく出来ているナ、と唸らせる仕上がりになっています。


アクション・使い方

アクション ★★★★★

“小沼正弥が考える小型ミノーのあるべき姿”をまとめてみましょう。


・シンキング
・小型でも遠投性能重視
・遠投性能の中でも特に「理想の状態のキャスタビリティではなく、制限下でのキャスタビリティ」の追求
・徹底した泳ぎ出しの良さの重視(マグネット+水噛みのよいリップ)
・ジャークによるダート性能は重視しない
・デフォルトのフックは小さくて弱くてもいい(刺さり重視)

中でも特筆すべきはコンパクトなスイングでも「ガチッ」と決まりやすい控えめなマグネット移動重心+それを補助する後部固定重心の組み合わせ。

ラブラ90Sと共通していることですが、コレがキャストの面でもアクションの面でも非常によく機能するように出来ています。

マグネットを採用していることによってオートマチック感はありませんが、小沼氏は「あまり泳がないルアーが、ある速度に達すると泳ぐようになり(その逆もしかり)、それが捕食者に対して効く」ことを知覚した先駆者なので、アラジンはリトリーブスピードの変化で喰わせることができるようになっているんですね。


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ただし、小沼氏はルアーを大きくジャークした際に出る「ダートアクション」は重視しないようで、アラジンは連続トゥイッチは出来ても大ジャークが苦手です。
そこから透けて見えるのは「ストラクチャー撃ち・壁撃ち・穴撃ち」で着水直後の、泳ぎ出しの瞬間のバイトを重視する釣師の姿。
あとは流れの中や明暗の境で「自然に出て来るバイト」を拾えることができればいいかな、くらいで、ジャークアクションによって出てくる魚を獲ろうというルアーではありません。


フックチューン

もともとブリブリ泳ぐルアーではないのでなかなか繊細。
#5は危険、#6は許容範囲内、デフォルトの#8が妥当。


ルアーの入手

値段 ★★★
安定供給 ★★★

大ヒットルアーとまではいかないまでも、相当な弾数が捌けたルアーなので今でも中古市場ではリーズナブルな値段で入手が可能。
一方で復刻版はなかなか高い・・・作っているのはバーンズ?


総評

最終評価 ★★★★★

文句なしに良いルアー。
良く飛び、良く沈み、バーサタイルであって、良く釣れる。

シンペンだかミノーだかよくわからないようなルアーを“最初のイッパツ”としてブッコミ、それで反応がなければレンジを下げて・・・という釣りが主流になりつつあるのが昨今のシーバス・ベイエリア事情ですが、このルアーはそういう役割の細分化が起きる前の時代のルアーです。
そしてこれ一つで「細分化」されたはずの釣り方ができちゃいます。
(もちろん専門性は劣るでしょうが)


「一つのルアーの可能性をどれだけ使い手が引き出すことができるか」


釣れる・釣れないだけじゃなく、そういう要素も楽しんでもらいたいルアーです。


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