ジャンプライズ ぶっ飛び君95S - シーバスルアー:シンペン

ジャンプライズ ぶっ飛び君95S

 30,2017 14:04
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ぶっ飛び君95S

メーカー:ジャンプライズ
カテゴリー:ヘビーシンペン
スペック:全長95mm 重量27g フックサイズ#4

評価

インプレリクエスト対象ルアー

【インプレ希望の理由】1回シーバスを釣って以来めぼしい釣果がありません。
評判はいいようなので使用感やいい使い方などを教えてほしいです。
かっ飛び棒は使ったことないですが、それぞれ値段に見合ったルアーなのか判断してほしいです。
なかなか手が出ないので拾ったぶっ飛び君を1個所有してるだけです。


結論から先にいうと、悪いルアーではありません。
ぶっ飛び君は【90~105mmで1oz級の重量】という小型ヘビーシンペンの事実上のフォーマットを踏襲しつつも、2つの独自色といえる要素を備えており、その2つの要素と価格を天秤かけた時に要素側に価値観が傾くならば、買うに値するルアーといえるでしょう。





適性

サーフ    ★★★★★
内湾干潟   ★★
河川/河口  ★★★
磯       ★★★★★
港湾     ★

これはぶっ飛び君に限った話ではありませんが、普通の河川ドリフトメソッド(特に超遠投目的)で小型ヘビーシンペンを使うと、その重量が仇となって十分に吸い込まれず、フッキングが不完全なままバラシendになってしまうことが多い。
シーバスがひったくるような食らいつきをしてくるパターンだとルアーの重量やバイト地点までの距離に関わらず十分に戦えるんですが・・・
その辺の見極めは大切。

キャスティング

飛距離 ★★★★★
飛行姿勢 ★★★★★
キャスタビリティー ★★★★★
【90~105mmで1oz級のヘビーシンペン】の中でも特に逆風に強い。

“強い逆風の中50mくらい先の岩礁地帯の薄いサラシを通したい”

ヒラスズキあるあるにして、ヘビーシンペンあるあるのシチュエーション・・・ぶっ飛び君はこのタスクをこなすのがかなり簡単。
このキャスタビリティーの高さが、ぶっ飛び君が持つ2つの独自色といえる要素のうちの1つ。


自分の磯ヒラでのヘビーシンペンの主力は値段的な理由からアダージョヘビー105になるんですが、アダージョだと風のタイミングを待ったり、万全のキャストでないため届かなかったりするポイントがあったりします(まったく無理というわけではなく、難易度が高いということ)。
そういう時、そういう所に余裕をもって通せるのが、ぶっ飛び君。

自分が磯で使ったことのあるヘビーシンペンの中では:


アダージョヘビー105
ハニートラップ95
スタッガリングスイマー100ヘビー
レビン95ヘビー
ヘビーショット105
スライドベイトヘビーワン90/28
ぶっ飛び君


本当に風が強い時はアダージョとハニートラップ95が苦しい。
ぶっ飛び君とスライドベイトヘビーワンが2強争い・・・というところかな。
一方で、サーフでぶっ飛び君の飛距離が他と比べて云々というはまったくのナンセンス。

ルアーと使用タックルの特性を考えて投げ分けることが出来るアングラー・・・つまりは標準的なキャスティング技術の持ち主ならばどのルアーを使っても(サーフフラットが成立する気象条件下では)必要十分な飛距離を出すことができるでしょう。
これらのヘビーシンペンをサーフルアーとして考える場合で、どれか一つのルアーのキャスタビリティーが決定的に劣るだの、優れるだのムキになる傾向がある人が存在するとしたら、かの人は【標準的なキャスティング技術の持ち主ではない】ということが推測されます。


レンジ

磯では強い流れやウネリの高低差に負けずに「飛び出さないこと」が良いヘビーシンペンの条件となります。
ぶっ飛び君は合格
凪気味の浅いサーフでは底に当たらないよう、ティップ位置とリトリーブスピードの調整に努めましょう。


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アクション・使い方

アクション ★★★★

ぶっ飛び君が持つ、2つの独自色といえる要素のうちのもう1つの要素が、コレ。

(シンペンとしては)かなり強めのワイドテーリングアクション」

実はこれ、キャスタビリティーの高さと関係しているんですね。
あ、厳密にいうと、キャスタビリティーの高さと強めのアクションは、共通の要素から発生しているんです。

それは何かというと・・・重心の位置です。

ぶっ飛び君の性質を表現する際はこのフレーズを頭に設置すると上手に説明できます
「後方重心であるがゆえ」

後方重心であるがゆえ、キャスタビリティーが高い。
後方重心であるがゆえ、パタパタとテールを左右に振るウォブリングアクションが強い。
後方重心であるがゆえ、アクション姿勢が斜めになる
後方重心であるがゆえ、・・・etc.

この手のルアーは後方と前方(中央部)の2つに鉛のウェイトが仕込まれていて・・・

・後方のウェイトを増すとキャスタビリティーが増し、アクションがよりワイドになり、スローリトリーブが得意になって、遊泳姿勢が斜めになる傾向がある

・前方のウェイトを増すとキャスタビリティーが低下し、アクションが大人しくなり、ファストリトリーブが得意になって、遊泳姿勢が水平に近づく傾向がある

ぶっ飛び君は「後方ウェイト重視」
アダージョが「前方ウェイト重視」
一見、後方ウェイト重視型のほうがショアからの釣りに適っているように見えますが、高速リトリーブをするとアダージョのような配置のほうが高いレベルのアクションを保つことができ、両者はトレードオフの関係にあるので「どっちが」という論を採ることはできません。

ンま、ルアーメーカーはそのせめぎ合いの中でどう仕上げるか、頭を悩ませているわけですね。

最近発売されたDUELのヘビーショットは(リップ以外は)アダージョにクリソツですが、実は「後方ウェイトを増やした結果に出た不要な副作用をリップの働きで相殺する」という、なかなか良く出来た、本当の意味での「改善」をやっているわけです。

あ、話がズレました。
で、なんでしたっけ?

あ、そう、ぶっ飛び君のアクション特性。

この「後方重心であるがゆえにシンペンとしてはちょっと大振りになったアクション」は、普通のルアー設計者であるならば敬遠すると思いますが、下記3点の理由からこの仕様で発売しようということになったのではないかなと思います。


①これくらい強くても十分釣れた
②これくらい強く動くほうが効く時があることが確認された
③シンペン初心者にビジュアル的に分かりやすい安心感・説得力を持たせることが出来ると思った



・・・実は③こそが(初心者フレンドリーなキャスタビリティーとあいまって)ぶっ飛び君を商業的な成功へと導いた一番の理由じゃないですかね?

ちなみに自分はぶっ飛び君の存在意義がどこにあるかといいえば、②だと理解しています。

このアクション・・・ワザとらし過ぎないか?
ちょっと不自然過ぎないか?
スレたシーバスはこれに反応しないんじゃないのか?
目のいいヒラスズキはこれを見抜いてしまうんじゃないのか?

↑実はこういう考えは「よく訓練された湾奥シーバサー」のものであって、淡水バス界隈には「ちょっとワザとらし過ぎて不自然なアピールルアー」なんてゴマンとあるんですね。
(良く知らないけど、あるらしいですよ・・・笑)


ともあれ、ぶっ飛び君は

シンペン=あまり動かないからこそ効くもの

というシーバス界の既成概念を捨てることが出来たシンペンなんですね。


そして、それはシンペンというものがイマイチわからかなった人、シンペンの動きをイマイチ信用出来なかった人・・・つまり、シンペン初心者にウケた。
特にシンペンのリトリーブスピードに関する理解度が低かった人には、スローでもハッキリとアクションが出るぶっ飛び君はとてもわかりやすいルアーに映ったことでしょう。


そしてこのプロモーション(苦笑)





このメーカーは二言目には「革命的」みたいな言葉を挿入したがるので、シンペン初心者はぶっ飛び君こそが「サーフや磯で使う90~105mmで1oz級のヘビーシンペン」というジャンルを確立した、オリジナリティ溢れるルアーだと思ってしまったんじゃないか、と。

ところがこの記事にヘビーシンペンの流れをサッと書いていますが、時系列的にはぶっ飛び君は

2000年以前 ザウルス シコトゥイッチャー100
2003~4年頃 スカジットデザインズ スライドベイトヘビーワン90
2006年 ジップベイツ モンスーンブレイカー115(後のスライドスイムミノーの原型) 
2006年 マリア ブルースコードV90
2006年末 アイマ ハニートラップ95S
2008年 シマノ スタッガリングスイマーヘビー100/125
2009年 デュエル アダージョヘビー105
(中略)
2014年 ジャンプライズ ぶっ飛び君95S ←ココ


後発ルアーなんですね。
しかも、スゲー後発。

いうなれば

“one of them”
(その他大勢の中の一つ)

このジャンルの先駆者でもないぶっ飛び君は“革新性”だの“オリジナリティ”だのの主張をする権利なんてないと断言してもいいでしょう。

あ、また話がズレました。

キャスタビリティー要素を別にして、この独特なワイドアクションを理由にぶっ飛び君をファーストチョイスにする、あるいは普通のヘビーシンペンアクションがイマイチの時のセカンドチョイスにするというのは、大いにアリだと思います・・・何故ならば

この大振りなアクションはタダ巻きで周囲の魚を寄せてくることがあるから
※※ただし、これが万能ではないということは留意されたし※※
また、ファストリトリーブだとその大振りさが「危うくなる」こともある


その後発売されたかっ飛び棒のアクションもこの系譜を継ぐもの・・・ということは、開発者はこの大振りなアクションをかなり気に入ったのでしょうね。


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フックチューン

ST-46#4がデフォルト。
サーフならそれでOKだけれども、磯ではチョット心細い。
ST-46#3かガマSPMH#3へのフックチューンを推奨。


ルアーの入手

値段 ★★
安定供給 ★★★★
サーフルアーとしてみた場合、それほど損失しやすいルアーではないので、その値段はあまり気にならないかもしれない。
磯ヒラルアーとしてみた場合、その価格は「危険水準」。
フローティングミノーと違ってヘビーシンペンは波が根掛かりを外してくれる可能性がほとんど無く、リトリーブ中に横方向からウネリを食らって磯側に寄せられたらかなり怖い・・・そういう性質のルアーに2000円を出せるのかといえば・・・ウーンとしかいいようがない。
基本的に高額だが塗装が脆弱なため、ハゲハゲになった中古が「正体不明ルアー」としてタックルベリーなんかで格安で売られることがあるので、どうしても安く手に入れたかったらそれが狙い目。


総評

最終評価 ★★★★

2017年にもなると、ぶっ飛び君より更に後発の同ジャンルルアーがぼちぼち出現してくるわけですね。

アイマのヨイチ99とか
ダイワの3連発(レイジーBB95・サーフブレイカー95・スイッチヒッターDH97)とか
DUELのヘビーショットとか

当然、古参のヘビーシンペンたちもまだまだ現役で、数ある選択肢の中に鎮座しております。

その中でぶっ飛び君を選び続けることが出来る人は、ある意味で幸せです。
なんてたって迷わないんですからね。
普通の人は価格やら何やらを迷いますよ・・・



ぶっちゃけ、ヘビーシンペンは好きなの選んでいいんです。



どれでもいいんです。
(あっ・・・言っちゃった・・・)



できれば安いほうがいいんです。
(あっ・・・言っちゃった・・・)


でも、このルアーを“アリ”か“ナシ”かで言えば・・・




アリ・・・ですね。
1,2個くらいなら、アリ。


マジで。


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