磯でアナタを殺す7つの要素
23,2018 15:33

自分が見聞き体験したことから、磯でアングラー死ぬ七大要素をまとめてみました。
ヒラスズキが活発になるような気象コンディションがこの記事のベースとなっていますが、磯での危険は露骨に荒れた海の磯だけ・・・ヒラスズキアングラーだけに襲ってくるわけではありません。
別ジャンルの釣り人もどうか参考にしてください。
1.波の危険度を見誤る
ビジュアル的には「高所からの進入」とか「ロープ一本で崖下り」といった危険な磯への道こそがアングラーを害さんとする最大危険要素に見えるかもしれませんが、磯であなたを殺す第一の要素は波です。
波は殺し屋です。
ずっと立っていた(見ていた)けど一度も波を被ったことが無いからココは平気だろうと思っていたら・・・いきなりズドンと。
そんなに荒れている日じゃないから警戒心を緩めていたら・・・いきなりドカンと。
安全マージンを取って結構高い場所からやってるので大丈夫だろうと思っていたら・・・いきなりバッシャーンと。
とにかく波の力を過小評価していいことは一つもないです。



↑この連続写真を見て得も言われぬ恐怖感を抱いた人は磯ヒラ適性があるかも・・・?
波が完全に砕け散って上から降り注ぐだけなら割と平気なんですが、津波のように障害物を乗り越えてくるヤツはマジで危険ですね。
足場を越えてきたウネリを被っているその瞬間を人に撮ってもらって
「荒ぶる海で磯ヒラをする命知らずなぼくちん」
みたいなアピールをする方も一部存在するようですが、決して真似しないでください。
その光景が磯ヒラの日常であるかのような錯覚をおぼえるかもしれませんが、断じて違います。
そういう場所に立たないよう心がける(臆病なくらい立ち位置候補を観察する)、そういう危険を感じたらサッと移動するのが鉄則です。
A:ウネリが膝の高さまで来るとかなり危険です
足場によっては立っていることが出来ずに転倒する可能性があります。
近くに手で掴める何かがあれば流されないようにしっかり掴んで手と足で踏ん張りましょう。
B:ウネリが腰の高さまであると99%その場から流されます
人間の力ではその場に留まっていることができません。
もうここから神頼み。
C:それ以上のウネリを喰らうととてつもない衝撃をくらい物理的に吹き飛びます
もし意識があればの話ですが、吹き飛ばされた直後は何が起きたか理解できないと思います。
運が悪ければ意識があろうとなかろうとそのまま引き波に攫われて溺死、運が良くても岩に叩きつけられて全身打撲and/or骨折は免れないでしょう。
自分はAを数回体験したことがあります。
体が踏ん張りきれずに足がフワッと浮きそうになる感覚は恐怖以外の何物でもありません。
ぶっちゃけてしまえばAの段階ですでに死にうるということです。
また、絶対ここまで来ないだろ、という高台まで波が這い上がってくるのを体験したことがあります。
幸いなことに、頭から被った水はすでに崩れて飛沫になっていたので何ともありませんでしたが、もしあと少しだけウネリが高かったら・・・・

2.滑落する

↓こういう足場(高さ15~20mくらい、下は海面ではなくガレ場)がズボッと崩れる・・・そんなコト、滅多にないよね?

みんなそこを通っているから大丈夫だもんね・・・!?
申し訳ありませんが、フツーにありえます(経験済み)
体勢を立て直すことができなければ・・・滑落して頭打って死ぬか、頭を打たなくても救出不可能な場所で衰弱死するか、動けないまま潮が満ちてきて流されて死ぬでしょう。
思うに、磯への往復に潜む危険は

このような「さもありなん」というロープを使った登り降りのみに潜んでいるわけではなく・・・
(ビジュアル的にはこういう所が特に怖いと感じるポイントかもしれませんが)
普通のトレッキング(ただし、崖の際とか)や、普通の岩の上(ただし、濡れてヤバい苔があったり)にあると感じます。

どれくらい慣れている磯でもそこが高所がらみ/水際がらみの場所であったならば、一歩一歩常にアラートモードで気を緩めずに進みましょう。
ちなみに自分が一番ガチでヤバイと感じた滑落系の体験は、崖をよじ登る際に手掛かりとして掴んだ岩が崩れてしまったという出来事です(詳しい体験談はココから笑)
3.するべきではない気象条件下で釣りしてしまう
twitterでフォローしてくれている方ならご存知かと思いますが、自分は結構頻繁に「来たけど今日は無理やね・・・」的なことを呟いています。
そしてそういう日は本当に竿を出すことはありません。

せっかく来たんだから釣りたい
この心情は十分理解できますが、ダメな日はダメなんです。
行ったことのない場所を開拓して回る(見るだけよ!)とか、
どれだけ1や2を注意したとしても、荒れ過ぎの日に竿を出すとまるで意味がありません・・・殺し屋が潜む日で釣りする理由は何一つありません。
「次のいい日」を待ちましょう。
4.安全装備の重要性を過小評価する

磯で必要な安全装備一覧
①ライジャケ(非膨張式で固形浮力のもの)
②磯靴
③スマホ(携帯)の防水対策
④フルフィンガーグローブ
⑤レスキューホイッスル
⑥(オプションで)ヘルメット
⑦(オプションで)ウェットスーツ
何があっても①②③だけはケチらないでください。
というかこれらが無いのに磯に行こうと思わないでください。
ライジャケに関しては説明不要だと思います。
一方で軽視されがちなのが磯靴。
・・・磯靴がなくても平気な磯(ゴツゴツ溶岩の地表で普通のスニーカーでもグリップする)はありますが、釣座となっているキワだけは表面が波の作用によってツルツルになっていたり、あやしい苔が生えてステッテンコロリ逝っちゃう危険性が潜んでいます。
磯靴に対する投資は絶対に裏切りません。
(あたりまえですが、磯靴を履いていたら絶対に安心という意味ではありません)
自分がスマホ機種を選定する際は常に
・防水性能
・耐衝撃性能
・落下防止ストラップが装着できるか否か
この三つを最上位の判断基準としております
あと機種選びには関係ありませんが・・・
・自分がよく行く釣り場が電波エリアにカバーされているか否か、通信が安定しているか否か
という観点から、MVNOは端から除外されています
ウェットスーツの順位が低いのは
本当に荒れている日に落水したらウェーダーだろうがウェットスーツだろうがどうせ死ぬ
という理由から。
身も蓋もないことをいうようですが、ホントです、これ。

むしろ逆に、ウェットスーツを着用していたら生存率が大幅に上がる・・・みたいな幻想は抱かないほうが吉。
ウェットスーツはあくまで「ウェーダーよりタイトフィットするから身軽になれる」とか「(あまり荒れていない日限定で)落水しても自力で這い上がれる可能性を上げる」とか「ウネリを喰らって磯に打ち付けられた際の裂傷を防ぐ」みたいな、ちょっとした保険程度に考えましょう。
5.場所の特性を知らなさすぎる
二つのシナリオがあります。
A)まったく予備知識がない状態で、ネットの検索で得た情報をたよりに飛び込み釣行してしまった
初めての場所で(あるいは場所を熟知するガイド役の存在抜きに)、日が差さないまだ暗闇の内にヘッドライトを頼りに進入口から磯へと降りていく・・・なんてことは絶対に止めてください。
荒れた日に知らない磯へイキナリ突撃(しかも同行者なしとか、同じ磯にアングラーの姿なしとか)は基本NGです。
自分が「初めての場所」を回る際は、必ず駐車スペースおよび進入経路の調査と確保から始めます。
もっと具体的にいうと
・あまり荒れて居ない日(つまりヒラスズキには不向きな日)に釣ることを目的とはせず場所を知ることを目的として行ってみる
or
・タックルは一切携行せずに釣り場までの往復のみを行う
こういう「ひと手間」を掛けている(もちろん安全のために)ということです。
暗闇に突撃してイキナリ荒れた磯に立って「これが命知らずの俺がやる磯ヒラじゃああああ(ドヤァァァ」
・・・みたいなことは一切していません。

B)何度か来たことがあるポイントだが、いずれもその場が危険となる条件からハズレている日だった
例えばポイントまでの経路の安全性が潮位と荒れ具合の組み合わせによって
①ほどほどな荒れ具合+干潮=セーフ
②ほどほどな荒れ具合+満潮=セーフだったりアウトだったり
③結構な荒れ具合+干潮=セーフだったりアウトだったり
④結構な荒れ具合+満潮=アウト
大きく変化し、場合によっては非常に危険な道になりうることがあります。
知ってるポイントへの道だからといって過信は禁物。
いままで来た日は全て①~③だった可能性があります。
そして今日、④の日に「何回も来たことあるから」という慢心から海況の観察を怠って殺されるのはあなたです。
6.ランディング(海面から目をそらす)
磯でもっとも致死率が高い動作と思われるのが魚の取り込み・ランディングです。
なぜランディングが危ないかというと
・襲ってくる衝撃に対して心の準備ができていない
魚が釣れた喜びで警戒心が緩んでいたり、そもそも波を目視できないような姿勢でランディングせねばならなかったりします。
そういうところにドカンとやられると大したことないウネリでも体勢を崩してしまいます・・・しかも十中八九、海に流されてしまうような位置で。
・襲ってくる衝撃に対して踏ん張れるポジションにいない
片手にロッド、もう片手にランディングツール・・・視線は真下の魚に一点集中、そして海面近くの岩の上でアクロバティックに片膝ついてしゃがむような姿勢・・・これで踏ん張れというのは無理でしょう。
やはり大切なのは心構え
ランディング時にリスクを犯して獲り行かなかったために足元でバラしたとしても、それは安全を重視したためであって誇らしいことだと思います。
え?
ブログ掲載のために絶対に獲りたかった・・・?
自分だけが知る 「事実上釣った一匹」 でいいじゃないですか。
自分の命>>>>>>>>>>>>>>>ブログ掲載のための一枚の写真
誰がどう考えても不等号はこのように働きます。
「安全に取り込めた次の一匹」でいいじゃないですか、それがダメだったら「次の釣行機会の一匹」でいいじゃないですか!
また、どんな時、どんな場所でも釣れた時のランディング経路を事前に想定しているとランディング率およびその安全性が大幅に向上します。
ただひたすら投げて巻く動作を繰り返すのがルアーフィッシングではありません。
これから起こり得ることを考え、予め対策を用意しておくのがルアーフィッシングです。
安全に魚を取り込むオススメのフィッシュグリップはこちらから

魚を獲ることより自分の安全を優先する
+
事前にシミュレーションしておいた比較的安全な場所から取り込む
この二段構えの心持ちで望みましょう。
また、ライントラブルの修復やフック交換など、海面から目をそらして行わねばならない行為はキワから下がって安全な場所でやりましょう。
基本的に海に背を向ける動作、目をそらす動作は自殺行為です。
ルアー交換みたいな単純動作ですら、荒れた海の磯際でやるのは推奨されません。
海より離れた安全な場所をベースキャンプとして確保し、何か必要な作業があればそこで行いましょう。
7.俊敏性の欠如
端から矛盾するようなことを書いて申し訳ありませんが、安全な磯歩きの極意は「俊敏性」にあるのではなく「訓練」にあると思います。
猿のように岩から岩へと軽やかに飛び跳ねながら動きまわることができる
それは何によってかというと「訓練による慣れ」です。
よってこの議題は「磯歩きの訓練不足」と読み替えてください。
磯歩きに慣れていない人の歩き方をみるに、「次の一歩」に集中しすぎて逆にぎこちない動きになっている上に、「もっとも合理的な経路」が見えていない(近視眼的な歩き方になっている)のではないかと思います。
例:

磯歩きに慣れていない人は先に横たわる岩の質や状態を考えずに直線的に進もうとする・・・動作は常に「足元の一歩一歩」に集中することとなる
確かではない足場への不安感から足が重く咄嗟の回避行動が難しい

慣れて居る人は「こういう経路を辿ろう」と視界内の岩を色覚的に分けて考えているんですね。
合理的な通路であろう道をあらかじめ定め、常に数歩先を考えながら足を進める
また、重心が極度に片足に偏るような歩き方を避けているので咄嗟の回避行動が可能となる場合が多いです
つまり、俊敏性に欠ける(あるいは“俊敏性を失った”・・・苦笑)我々一般人が磯歩きの際に意識せねばならないことは次の3点になります
・もっとも合理的(安全であり必要な労力が少なくてすむ)であろうと予想される経路を視覚的に判断し記憶する
・今踏み出しているその一歩と、その数歩先のことを同時並行的に捉えながら歩く
・不安定/不確実な一歩に全重心を預けないように心掛ける
これは完全に慣れの問題です。
重心移動の素早さとか、リカバリーの速さ/正確さとか、体自体の身軽さ(あるいは安定感)は生まれ持った俊敏性の問題に属すると思いますが、これらは誰でも習得することできます。
「ただ漫然と歩いている状態」から卒業すると磯での立ち回り全般がより安全なものとなります。
ちなみに「高所を歩くとどうしても足が竦んでしまう」のは高所恐怖症です。
磯歩きの慣れ/俊敏性とはまた別の問題ですので専門医に相談してください。
死なないためには
本当にヤバイ日は釣行を避ける
自分が危険な海にいるという事を自覚する
安全装備で身を固める
何事も過信しない(臆病なくらいでちょういい)
特に慣れない間は単独行動を避ける・・・そしてなにより・・・
自然に敬意を払う
ということ。
磯においては「敬意を払う」「リスペクトする」ということはとっても大切なことです。
抽象概念的な意味ではなく、安全面からいっても。
その磯で釣れてくれた魚に敬意を払う。
魚という恵みをもたらしてくれる自然に対してもリスペクトを示す。
・・・ただし、自然はいつ牙を剥くかもしれないので畏れ敬うことにする。
その磯を釣り場として開拓した先人に敬意を払う。
いざというときに助けてもらうことになるかもしれない隣のアングラーに敬意を払う。
そのエリアに住む地域住民に敬意を払う・・・騒音で迷惑をかけあちこにゴミを投げ散らかすなんてもってのほか。
普段はそれらに対し十分な敬意を払っているあなたを堕落し、正気から逸脱させ、磯で殺そうとするのは
そこに潜む危険性を認識できなかった“無自覚”
と
「せっかく来たから・・・」と諦めきれずに危険な釣りに引きずり込もうとする“自分自身の中に潜む誘惑の心”
なのかもしれませんね。
迷ったら思い出しましょう・・・釣りは楽しくやるものですぞ!

決して恐怖に打ち勝ちながら一投一投をやるものでは・・・では・・・ないと言い切れないのがヒラスズキに纏わる“誘惑”の恐ろしさですナ。
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