PEラインのサイズ(太さ) - 初心者のためのシーバスライン

PEラインのサイズ(太さ)

 14,2014 22:58
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PEラインのサイズを選ぶ際に初心者が陥りがちな傾向がこれ。


自信がなくてよくわからないから
シーバスには太すぎるPEを選んでしまう。



初心者のあなたのPEは何号ですか?


1号?
1.2号?

このあたりだと普通の太さです。

1.5号になると黄信号が灯ります。

2号・・・ちょっとそれ、太くありませんか?




自分の経験上、初心者が細すぎるPE(例えば0.6号とか0.4号とか)をよく知らないうちに、間違えて選んでしまったというケースを見たことがありません。
よく知らないうちに太いPEを選んでしまったというケースは、それこそ星の数ほど存在すると思います。

これには理由があります。

PEラインは一般的に細ければ細いほど高価になります。

PEというものは復数の細い糸を撚って製造しているものであるので、細く作るほうが太く作るより技術的難易度が高いからです。

「太くて頑丈でより多くの原料を使っているから高くなる」のではなんですね。すくなくともシーバスレベルの号数においては。


ところが、初心者は・・・
(心理としてはわからなくもないですが)


「PEライン初心者だから細いラインより太いラインのほうが安心だし・・・それに安いし!」


このような思考メカニズムが働き、常識では考えられない太さのPEラインを選んでしまうことがあります。



結論からいうと、これは間違いです。


太すぎるPEはPEラインを使うことのメリットである「細さによる飛距離UP」を殺してしまいますし、実はPEラインは太ければ太いほど、ライントラブルが発生しやすくなります(厳密にいえば、太いラインで軽いルアーを使うとライントラブルが発生しやすくなる)。


PEサイズ


2014年現在、シーバス用PEラインの主力は0.8号~1.2号です。


もしかしたら、古いネット上の記事や読み物にはそうでない考えがあるかもしれませんが、今現在、よほどの理由が無いか限り、初心者が基本から逸脱して太すぎる(或いは細すぎる)ラインを選ぶ必要はありません。
もしわざと太いライン(或いは細いライン)を選ぶ理由があるとして、それを合理的に説明できる貴方は初心者ではありません。自由に選んでください。


それでは、太い順番に説明していきます。

・2.5号以上
これ以上のラインはシーバスにはありえません。絶対にありえません。ジギング・キャスティング等で青物を狙うレベルの太さのPEです。もしくは大型ヒラスズキ狙いで高確率で青物も交じるのでそれに備える必要性がある・・・など、かなりの上級者のスタイルのライン設定です。

・2号
ベテランが磯で大物ヒラスズキを狙うラインです。初心者には必要ありません。
これくらい太いPEで軽い港湾系のルアーを使うと、ライントラブルの原因となりえます。

・1.5号
磯でヒラスズキやマルスズキを狙ったり、サーフで不意の大物に備えたり、或いは河川河口内湾の障害物が多いエリアで根掛かりしても、フックを伸ばしてルアーを回収することを意図している太さです。ライトショアジギングの標準的なサイズでもあります。
多少のササクレが出ても比較的強い強度を保つので、PEラインの寿命という点から選択する人もいるかもしれません。
「標準的」なラインに比べて、目に見えてわかるくらいの飛距離のデメリットがあります。

・1.2号
標準的サイズでもやや太いほうです。
平均サイズが大きい場所や、根掛かり回収の確率をすこしでも上げたい場合、巨大エイにルアーを持って行かれたくないようなシチュエーションにも有効です。
サーフで荒い砂に洗われるような地域ではサーフの標準号数かもしれません。
使用ルアー重量との関係でライントラブルが多いわけでもなく、飛距離が特に劣ることもなく、その太さからラインブレイクも少ないであろうことからして、もしかしたら初心者には一番優しいサイズかもしれません。
このサイズから「根掛かりしてもフックを曲げて回収」という行為が安定して出来るようになります。

・1号
あらゆる点で万能のサイズです。
お勧めサイズ。
ただし、「根掛かりしてもフックを曲げて回収」には微妙なサイズです。1号で高確率でフックを曲げて回収できるPEラインは、強度に関してはかなり優秀なラインといえるでしょう。
大抵の1号ラインは新品時にはフックを曲げて回収することができても、時間の経過とともに劣化し、回収が難しくなります。
自分がG-soulx3という低価格で飛距離がでないラインを未だに愛用している理由がコレ(1号でも大抵のフックを折り曲げてしまう破格の強さ)です。

・0.8号
このサイズがあたかも標準サイズであるような風潮がありますが、それは間違いだと個人的には思っています。
確かに強度は必要十分ですし、飛距離の面でもメリットがありますが、0.8号になるとわずかなササクレで実用に耐えられないほど強度が低下しますし、実釣時についたほんの少しの傷でたやすくラインブレイクします。
また、メタルジグや鉄板バイブをフルキャストする際に求められる、瞬間的な張力に対する強度が不足しているとも感じます。
0.8号はラインの交換頻度が高く、ラインのメンテと点検を怠らない中級者以上に向いているサイズです。
また、0.8号だと「根掛かりしてもフックを曲げて回収」という行為がほぼ不可能です。
つまり、初心者にはあまり向いていないピーキーな「細目」といえるでしょう。
高い頻度でラインの巻き替えを行える人に向いている号数です。

・0.6号
かなり細いラインです。エギングではこの0.6号から0.8号が一般的なようですが、シーバスでは「とあるスポットを攻めるために飛距離が必要」など、特定の理由が無い限り使わないサイズです。
じつは0.6号でも適切なドラグセッティングさえ施されていて、オープンなフィールドであるならば、かなり大きなシーバス相手でもやりとりが出来ます。
ですが「可能である」という論点と「望ましい」という論点はまったく別物であると認識してください。

・0.4号
本来ならばメバルやカマスなどを狙う際に使われるウルトラライトゲームのラインです。
笑える話ですが、「シャローフィネス」という噴飯モノのメソッドを無理やり流行にさせようとした人たちがいました。
0.4号という極細サイズを「シロウトには無理だけれど、アナタのような玄人ならば・・・」というような、聞いているほうがムズ痒くなるような言い方で薦めておいて、自分がプロデュースしたPEラインとルアーと専用ロッドを売りつけようとしたのです。
数年たった今、その人達の口から「シャローフィネス」という言葉が出てくることはありません・・・・


PEサイズ

さて、この適当に作ったPEライン表ですが、実はある法則があります。



0.8号から1号にラインを変えても、飛距離に殆ど差がでません。
1号から1.2号にサイズアップしても、飛距離に殆ど差がでません。
ところが、0.8号から1.2号に変えると、明確な差がでます。
PEラインのサイズの法則その①
PEラインは2サイズ変わると飛距離が変わる

よって、飛距離を上げたいがために(元のラインが1号だとすると)1号から0.8号にダウンサイズするのは、ほぼナンセンス。
どうしても上げたいならば、0.6号にするべきでしょう。
飛距離を上げたい、という考えを実行するにはPEラインを細くするのも手ですが、「もっと長いロッドを使う」とか「もっと飛ぶ重いルアーを使う」とか「大口径スプールが付いたリールを使う」など、ライン以外での工夫が可能ということも念頭に置いて損はないでしょう。
別の視点からこの問題を考えると・・・

「強度は上げたい、でも、飛距離は落としたくない」

という場合においては、元が0.8号なら1号に、元が1号なら1.2号に、という具合に一段階だけ上げるといいでしょう。


では強度もサイズが2段階違わないと差が出ないのか、というと・・・・そうではなく、強度については、号数に正比例して差がでます。
0.8号と1号の間には超えられない壁があり、1号と1.2号の間にも超えられない強度の壁があります。


ですが、ラインの強度と一口にいわれても実は強度に種類が色々あります。
実は「ただ釣るだけ」ならば0.8号あればどんなサイズのシーバスに対しても充足的です。
ですが、様々な理由でPEに強さが求められるシーンがあるのです。

①瞬間的な力に対する強度
・主にキャスティング、特に重いルアーのフルキャストの際に関係します(俗にいう「高切れ」のことです)
→0.6号以下はフルキャスト自体がラインの状態如何にかかわらず危険(高切れの可能性があるという意味で)
→0.8号はラインの摩耗状態によって危険
→1号以上はコブやガイド絡み等の明確な原因がなければ99%安全
よって初心者には1号以上をお勧めします


②単純に引っ張られる力に対する強度
・太さにほぼ正比例します(1サイズ変わるだけで明確な差がでます)
→一般的なシーバスは0.8号あればほぼ確実に獲れます。
→ところが、釣り場の条件次第ではドラグフルロックでロッドのしなりとラインの強度のみに頼らねばならないシチュエーションも存在します。
ドラグ設定が不慣れである、ラインのメンテも不備があるかもしれない、という点も考慮すれば1.2号あれば安心してよいでしょう。

③初期スペックの持続性
・どれだけパッケージに書かれている性能が持続するか
→これはもう、釣行頻度、使用タックル、キャスティングのスキル、メンテナンスの内容によって変わるのでなんともいえません
→個人的な経験からすると、1号以上のラインは片面3~4ヶ月、もう片面で3~4ヶ月、合わせて半年以上の寿命を期待できますが、0.8号以下の場合、片面2ヶ月の裏返してもう2ヶ月、合わせて4ヶ月くらいが事実上期待できる最長の寿命です。
→太いラインはササクレ等に「強い」のではなく、ササクレた結果、元の強度の数割までスペックが落ちたとしても絶対値が高いので「多少はマシ」ということです

例)
MAX強度10lb0.8号が摩耗の結果元の性能の30%まで低下していたら=3lb
MAX強度15lb1号が摩耗の結果元の性能の40%まで低下していたら=6lb
MAX強度20lb1.2号が摩耗の結果元の性能の50%まで低下していたら=10lb

これら太さが別の3種類のラインに均一の摩耗が発生したとして、細いラインのほうが受ける影響の比率が大きいので元の性能からの下落率も高い。

例の例)
直径1mmの糸に0.05mmの摩耗が発生したら5%の損だが、
直径2mmに糸に0.05mmの摩耗が発生しても2.5%に過ぎない・・・よって2mmのラインのほうが性能の下落率が低い
0.8号以下は寿命のサイクルが早い



そういうわけで・・・


PEラインのサイズの法則その②

1号以上と0.8号以下では、あらゆる点でラインの性質が違う

因みにシーバス用のPEは、一般的には0.8号の値段が一番高いです。
逆に1.2号は店頭価格が1号や0.8号に比べてかなり低い傾向があり、その耐久性と併せてコストパフォマンスでいえば最も優れている。
1.5号は「丈夫」だし「安い」けれども飛距離のデメリットや絡みやすさの観点からいうと、決して初心者向けではないのことを覚えておきましょう。



最後に



PEラインのサイズの法則その③

ライントラブルはラインサイズと正比例する

PE初心者は「太ければ安全」というハードウェア思想から入っていきそうですが、実際のところ、PEラインは頑丈か否かよりトラブルが多いか少ないかが大切です。
つまり、2号が1号より仮に2倍強いと仮定し、強度の面ではるかに安全だったとしても、1号より2倍トラブルが多かったとすればどうでしょう?
それは総合的に安全といえるでしょうか?
PEラインの扱いに熟達すればするほど、そうでもなくなる話ですが、初心者の内は『太すぎるラインに軽いルアーは絡みやすい』ということを頭に入れておきましょう。
ラインは太すぎず、細すぎず。
中庸がベストです。



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Comment 3

2014.07.15
Tue
06:19

ぜりい #-

URL

自分も一番最初に買ったラインは東レのシーバスPE1.5号でしたね・・・
某上◯屋で初心者にオススメ!とか書かれてました。
結果ライントラブル連発ですぐなくなっちゃいましたw

いろいろ試しましたがやっぱり1号と0.8号の壁はデカいですね。
0.8になると明らかにブチブチ切れだしたので自分はシーバスでは1号で固定しちゃいました。

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2014.07.15
Tue
21:31

たま #-

URL

はじめまして
いろいろと参考にさせてもらってるルアー初心者です
(磯釣りはだいぶやってきたんですが)

私の場合
ラインは世間一般よりワンランク太いのを選んでます
釣りにおいてラインは強度の許す限り細いほうが有利
という鉄則があります
だからテスターなんかは細いラインを限界まで使ってバンバン釣ります
でも細いのは弱いというのも当たり前なので
彼らは使い捨て感覚で細いラインを使います
(大きな声で言いませんが、使い捨てても懐は痛みません)
一般人は限界まで使えないからワンランク太いのがいいでしょう
というのがメーカーの販売戦略だと思うんです
だけど、限界まで使えない一般人にとってはワンランク上程度では
結局は少しの痛みで切って捨てるのでメーカーは沢山買ってもらえます

だから私はテスターの世界は別世界と割り切って
世間一般と大差の付かない丈夫なワンランク太いラインを選んでます

編集 | 返信 | 
2014.07.16
Wed
21:08

ぼらお #-

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>ぜりいさん

0.8号はF1
1号はGTマシン
こんな感じですよね。

>たまさん

どうも初めまして。
やっぱり一般人は瞬間最大風速的なスペックより、どれだけ期待値が耐久持続するかが問題ですよね。
「このタックルシステムでしか取れない魚がある」という煽り方は、その甘言に惹かれてしまった初心者に不要な出費を強ることになるので、個人的には嫌いです。
エブリデイタックルでどうやって数を出すか、どうやってサイズを上げるかが、一般的なユーザーにとって大切なことだと思います。

その見地からこのカテゴリーのシリーズを進めて行こうと思ってます。

編集 | 返信 | 

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