ロッドのパワー - 初心者のためのシーバスロッド

ロッドのパワー

 16,2014 22:10
前回の「レングス」記事において、パワーとレングス(厳密にいえばこれに「テーパー」が加わりますが、「テーパー」についてはまた別の記事で)が密接な関係にあると述べました。

具体的にシーバスロッドでいえば、8ft6inのような短いロッドに「M以上の強さ・硬さ」はその性質上求められにくく、また9ft6in以上の長いロッドに「L以下の弱さ柔さ」は必要ない、ということでした。

何故ならば・・・

「短い」ということはパワーがあるということ・感度があるということであり、

「長い」ということはしなやかということ・負荷を吸収することである、

からです。

よって「シーバスロッドのパワー」とは「初心者のチョイス」においてはレングスの下位に位置するファクターです。
いや、レングスが決まったら(初心者の内は)ほぼ自動的に決まるといっても過言ではありません。

「Lの96が欲しいな」とか「Mのパワーがあって86サイズがいい」などいう発想は本末転倒でありえません。
まず必要なレングスが決定され、それからそのロッドと狙う魚に相応しいパワーが後から付いていくものです。
ロッドチョイスの際に一番最初にパワーの項目を考える人は、上級者の中でも相当なハードコアな人に限られます。

勿論、特殊なローカル性の事情がある場合は除きますが・・・

その話にいくまえに、まずはシーバスロッドのパワー表記とはなにか、基本を再確認してみます。



主要なパワー表記


H
MH
M
MML
ML
L
LL


これらは業界共通のルールがないので「規格」ではなく「表記」です。

例によって赤文字の「M・ML・L」が中心となるパワーですが、近年は「MML」という感じに「微妙なニュアンスを伝えるための表記」が登場しています。

イメージとしてはこんな感じです(数字はあくまで目安でとってもアバウトです)

LL:バチ専用やワーム専用 
lure max 15~18

L:90以下のサイズ、特に86の標準的パワー。非常に稀だが96でラインナップに投入されることもある。
lure max 20~24

ML:90/93/96のサイズの標準的パワー。100~106ではやや珍しく、110以上ではほぼない。逆に86でMLだと感覚的には相当に強い竿。
lure max 28~35

MML:サイズにあまり関係なく「MLの食い込みはあるけどMに近いパワーがある」と表現したいロッドによく使われる
lure max 35前後

M:86/90サイズではあまり見ない(あるとしたらかなり特殊なロッド)。普通は96/100/106/110のサイズで展開される。
lure max 40前後から稀に50まで

MH:ブッコ抜きランディングや青物に備えたパワー。大抵は100より長い。
lure max 50~60

H:一部のヒラスズキロッド、「剛竿」と形容されるロッドのパワーで初心者には完全無縁。
lure max 60~70


例えば、「ML」といったら普通は28~35gの最大ルアー重量(Lure Max)を指すのが普通です。
実際、殆どのメーカーがそのレンジに収めるはずですが、ガマカツはMLといったら20~24gを指し、28~35gのロッドはMと表記します。

ですので、パワー表記とは決して「規格」ではないことを理解して、購入の際には注意してください。

また、シマノのように安全マージンを取ってLure Maxを少なめに表示する(シマノの場合は大抵MLで28g)ことによって重いルアーの使用が理由のティップ破損を抑えようとするメーカーもあれば、ダイワのように本当の意味での「限界」を表示しているメーカーもあり、必ずしも表示されている重量がパワーと正比例しているとは限りません。






さて、シーバス初心者に必要なパワーですが・・・




実はあまり語ることがありません(苦笑)




さっきも言ったとおり、事実上エントリーモデルでは半自動的に決定されますし、初心者であると自認しているあいだはこれに抗う必要はありません。



ロッドのレングスの記事では「長さは七難を隠す美徳である、何故ならよく曲がって魚を弾かずバラさないことは初心者が一番必要な要素である」と書きましたが、パワーについては必ずしも「柔らかい=パワーがない」ほうが初心者に向いているということはないので注意してください。

当然、柔らかい(パワーがない)ほうが曲がって弾かずバラさない要素に貢献するわけですが、パワーはパワーとして妥協すべきではありません。必要なパワーを削ってまで食い込みをよくするとどうなるか・・・

ボラばっかり釣れそうだと好評な、空想上のシーバスロッドシリーズ、「ぼらおマスター」に再度登場してもらいます。
たとえば96の適正なパワーは大抵のロッドでMLですが、敢えて96Lにしてみましょう。

テスターなり監修プロなりの苦労もあってバランスよく仕上がった96ML。まさにオールラウンダーです。
ですが、このロッドを手にしたシリーズ責任者はこういいました。


「96MLは確かにバランスがいいし十分喰い込んでバラさないけど、ほら、ダ◯ワの『鬼掛けデー◯ンティップ』みたいな、絶対なんでもフッキングします的なインパクトに欠けるじゃん・・・同じレングスでもうちょっとノリのいいセッティング出してよ。あ、高級素材の使用とか認めないから。定価も変えないでね」


こうして「96サイズでノリがいいロッドを作れ」と無茶フリされた開発陣、出来た答えは・・・ただ単にパワーを落とした「96L」でした・・・







僕は出来上がったロッドが、どのようなロッドになるか、大体想像がつきます。






確かに食い込みはさらに良くなったでしょうが、今度はキャストの際に凄まじい不満が噴出するはずです。

「ペラペラ」「フニャフニャ」

こういう形容をされるロッドになるでしょう。
作れと命じた責任者がロッドを確かめるために実釣にでかけると、60cmくらいのサイズの魚で「スリリング」な感じを受けるはずです。
実釣を終えて会社に戻った責任者は開発陣を呼び寄せてこういいます

「誰がアジングロッドを作れといったんだ!」


・・・


・・






ノリをよくするためにレングス不相応にパワーを落とすと、「乗り」はいいでしょうが「シーバスロッドとしての機能」を損なってしまうというのが、この話のキモです。
余談ですが、逆にレングス不相応のパワーを付けるとどうなるか・・・実は弾きまくる上級者向けランカーハンティングの「剛竿」になるでしょうが、おそらくシーバスロッド失格というほどにはならないでしょう。


なぜなら「初心者に必要な要素=ノリのよさ・曲がりやすさ・弾きにくさ・食い込みのよさ」とはレングスとテーパーによって味付けされるべき要素だからです。

レングスについては解説済みです。




でましたよ・・・謎の言葉、「テーパー」



でも、「テーパー」って何?


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Comment 2

2014.12.18
Thu
10:37

Loomis #-

URL

はじめまして

コメントさせて頂きます。

私も過去に初心者向けにロッドのウンチクを綴った事があります。(ブラックバス)

パワーに関する記事ですが、ルアーも少し関連付けては如何でしょうか?

私が言ってる意味、ぼらおさんなら解ってると思います。

編集 | 返信 | 
2014.12.18
Thu
21:27

ぼらお #-

URL

>Loomis さん

確かにその観点が抜けていました・・・

ちょっと考えています。

というのもそれはまとめて「キャスト」という別のカテゴリーでまとめたほうが良くないか、いや、やっぱりここは「初心者のタックル」だからこのロッドのパワーでまとめるべきだ・・・


という風に記事の再構成をどうするか逡巡しています・・・


いずれにせよ、アドバイス感謝です。

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