ショックリーダーの素材 ナイロンvsフロロ - 初心者のためのシーバスライン

ショックリーダーの素材 ナイロンvsフロロ

 31,2014 13:25
「シーバスラインの基本」にて素材の特性として



ナイロンは:
・安い
・扱いが簡単
・吸水劣化する
・紫外線でも劣化する
・よく伸びる
・フロロより軽い(実は比重でいうとPEと同じくらいの重さ・・・但し体積の関係から、同じ長さのPEとナイロンではナイロンが重い)
・単純強度はフロロとほぼ同じ



一方のフロロは:
・高い
・取り扱いはナイロンとほぼ同じ
・ナイロンより巻き癖が出やすい
・ナイロンより重い(水に沈む)
・ナイロンより吸水劣化しにくい
・ナイロンより水中の視認性が低く有利と言われている
・ナイロンよりかなり伸びない
・単純強度はナイロンと似たり寄ったり




こう書きました。
一見、フロロがショックリーダーの素材としてはナイロンの上位互換として君臨するようにみえますよね?



フロロは「劣化しずらいから長持ち」するし(確かに・・・結束を毎回するのはシンドイ)、どれだけ有効性があるかはわからないが、食い渋りの時、スレた魚に対するプレッシャーを僅かでも減らしたい時は、「視認性が低いから有利」だし。それに「伸びないということはアタリをダイレクトに拾えること」だし・・・






ナイロン、要らないよね?








違うんです。



実は適材適所、両雄両立するんです。
物凄く単純な理由で。








それは




リーダーの長さと太さの関係上、フロロでは難しい役割をナイロンが果たせるからです。








一見、「安い」ということしかメリットが無いような感じを受けるナイロンですが、実は「直線性」(注:巻き癖がまったく無いという意味ではない)という、フロロに備わっていない性質を持っており、フロロでは要求に応えることができないニーズをナイロンが埋めることになるからです。

例えば80cm程度のリーダーの長さの場合、フロロがほぼナイロンの上位互換素材になります。
この程度の長さならば、巻き癖が問題になるケースは極稀でしょう。

ところが、ロッドの長さやロッドのガイドセッティングによっては、ちょっと長めのフロロリーダーを付けるとキャスティングの際に、ガイドを通り抜ける速度の差(先を往くリーダーはガイドに干渉して速度が遅くなり、後を追いかけるPEは抵抗なくガイドを抜けるのでラインがティップ最先端で波打って半回転して絡んでしまう)が原因でトラブルが多発してしまいます。

この場合は普通:

①タラシを長くとって結束部位をガイドに入れないようにする
②結束部位をガイドに入れても、せいぜい2個程度のガイドにしか引き入れない
③最初はゆっくり→最後は早く振り抜く(初速を高めないように投げる)
④綺麗に正中線を斬り落とすようなフォームを取る

このいずれか(もしくは複数の組み合わせで)の対策を取ればキャストトラブルが減るのですが、キャスティングポジションが限定されるような場所では①と②の対処方法が取れず、③と④の方法では狙った飛距離やアキュラシーが出ない恐れがあります。

そうなるとリーダー自体を調節するのですが:

⑤リーダーをもっと細くする
⑥リーダーをもっと短くする

この⑤と⑥の解決策が、フィールドの特性(根が点在してリーダーがかなり傷つくので短くできない、など)と、狙う魚のサイズ(アベレージが大きく、強引なパワープレーが必要でリーダーを細くできない、など)によっては好ましくないどころか不可能という場合も存在します。

こういうケースにおいては、直線性を備えるナイロンの出番です。





超具体的な例を挙げてみます(というか自分の実体験です)

BOUZ Production製の「C3 SHORE 8-1/2」というちょっと玄人好みのロッドがあります。
ラテオQと同じ、よく曲がるロッドです。

ラテオQがオートマチックな感じ・・・・「大きな魚がヒットしても曲がっているロッドをしっかり支えていれば無事回収できる」風なテイストとすれば、

SHORE8-1/2はもっとマニュアルな感じで、「ロッドと手が一体化し、ロッドが自分の体の延長線上・一心同体になって魚が寄ってくるまで一緒に頑張る」感じで、大好きなロッドなんですが、


このロッド、かなりスロー気味のレギュラーテーパーなせいか、16lbのフロロではなんとか1m、20lbのフロロでは最大80cm・・・それが限界の長さで、それ以上のリーダー長をキャスティングの都合上確保できません。

快適にやろうと思うとなると16lbなら80cm、20lbなら60cmが適切だと思います。

ところが20lbを60cmだと短すぎでメインラインであるPEを完全には守れず、切れはしませんでしたがPEがボロボロになったことがあります。
また、傷が入った16lbの細いリーダーではパワープレーに出られず、ストラクチャーに擦られてラインブレイク・・・・という状況に追い込まれたこともありました。
つまり、このロッドと、とあるスポットの組み合わせには、フロロではダメだったのです。
一方で、ナイロンリーダーならば本来は1回、ケチに粘ってもせいぜい2~3回の釣行が限界(それ以上は吸水劣化でどれくらいの残存強度があるのか把握しずらい)でしょうが、そういう時に20lbの強度で80cmの長さ(あるいはそれ以上の強度or長さ)を確保したリーダーの設定ができるのです。
直線性のおかげでガイドへの干渉がフロロより遥かに少なく、トラブルが起きにくい。
単純なことですがシチュエーションによっては生命線なんですよね。






そういう訳で、

フロロはスプール収納時に形成される「巻き癖」が、ライン放出の際に強く影響するため、「リーダーの長さ・太さ・ロッドの性格」次第では、キャストに障害が生まれることもある。

ということを覚えておいて損はありません。

それを解決するのはナイロンであるということも、です。




同じ太さ(強さ)ならば、ナイロンを使えばリーダーをフロロより長くすることが出来る。

同じ長さならば、ナイロンを使えばリーダーをフロロより太く(強く)することが出来る。


ただし、吸水劣化を考えると、ナイロンリーダーの寿命は一釣行限り。ワンオフ。





つまり、こういう使い分けが出来るようになればいいのではないでしょうか。



「通常は長持ちのフロロ」
       &
「ここぞという場面のナイロン」



蛇足かもしれませんが、リーダー用途の長さ、1m程度の長さで「伸びる」「伸びにくい」の性質の差は、アングラーが受ける感度にはほとんど影響しないと思います。
また、フロロが重い(沈む)ナイロンが軽い(浮く)という差も、ルアーの操作性and/orアクションの違いとして出ないと思います。根ズレに対する差も殆どないと思います(どちらかというと、伸びるナイロンのほうが時間稼ぎにはなるかもしれない、程度のレベル)。

参考までに。





ここからは余談になります^p^


フロロはリーダー専用のものを買うとして、ナイロンは別にリーダー専用のものを買わなくていいよね?
という疑問が生まれませんか?

KIMG9042_201408311547108c0.jpg

↑600m500円



KIMG0090_201408311547112a0.jpg

↑100m1000円


(値段は大まかな記憶)





同じ強度で、同じ直径。


ショックリーダー専用ナイロン?
  

アホかと

馬鹿にすんじゃねえ、ダンカンこの野郎!






昔は自分もそう考えました(といっても、今でも前者をリーダーとして使うこともありますが・・・)







両者の違いはどういうことかというと


前者はその表記を見てもわかる通り(20lbが10kgなワケがない)、めちゃくちゃアバウトな強度を表示しています。
ようするに強度にばらつきがあって、いい方向にも悪い方向にもブレ幅が大きく、強度の予測がつきにくいのです。
もしかしたら25lbまで伸びて粘るかもしれないし、あるいは15lbでプッツンするかもしれないし。

もうお分かりになると思いますが、ラインシステムというものは想定以上の強度がでたとしても(あまり)有難くありません。
切れるときは期待値で切れて貰いたいのです。

後者の専用ナイロンは破断強度の上下値がもっと狭い・・・要するに、品質が安定したラインなのです。

尤も、結束部位の強度が安定していない初心者にとって前者は
①結束の練習素材としては非常に有難い(1釣行の度に毎回結束すればきっと上達するはず)
②ラインシステムの期待値などまだ望めないので、リーダー自体の期待値も比較的どうでもいい
③安い
ということで、考えとしてはアリだと思います。



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