ロッドのレングス(長さ) - 初心者のためのシーバスロッド

ロッドのレングス(長さ)

 14,2014 18:41
普通、ロッドを選ぶ時に最初に決定する項目なのが、レングス(長さ)です。

2本目、3本目となると自分に必要な長さが分かってくるものですが、「真剣な最初の1本」だと、ボンヤリうっすら朧気に「これくらいがいいかも」程度の、根拠の無いレングスしか思いつかないかもしれません。

つまり、シーバスロッドを購入しようという気持ちはあるが、レングスについて具体的に決めていないということは、「何処でどの様に使うかまだ想定していない」とも言えるでしょう。

シーバスロッドを選定する前に、具体的な使用条件を予め決めているならば(あるいは中級者以上のアドバイスによって「ここで釣るなら◯◯の長さがいいよ」なんて助言を得ているなら)話は早いのですが、そうでないケースもきっある(というか多い)ので、レングスの基本からおさえていきます。




この記事を読んでいる人、検索で辿り着いた人ならば改めて説明する必要もないと思いますが、一応シーバスロッドの長さ表記について説明します。

例:
  メーカー名   ブランド(モデル)名         レングス
    ↓         ↓                   ↓ 
「 ジークラフト セブンセンシズ ミッドストリーム 962 ML 」
                            ↑         ↑
                         モデル枝名     パワー表記

注:「962」は時として「9.6」や、ただ単に「96」のような表示の場合もあります

レングスのこれらの数値はそれぞれ

9は9feet (1ft=30cmつまりは270cm)
6は6inch (1in=2.54cmつまりは15cm=0.5ft)
2は2piece (2ピースのロッドであること)


こういったことを表しています。
よくある勘違いは「962(あるいは9.6)」という表記を「9.62ft」と読んでしまうことですが、正確には「9ft6in」です。
また最後の数値はピース数を示すものなので、長さには関係ありません。

1だとワンピースロッド、ショア用のシーバスロッドでは珍しいです(一部の7f以下のロッドに存在します)。
2だとツーピースロッド、現在のシーバスロッドの主流です。
3だとスリーピースロッド、11f以上の長いレングスのロッドに見受けられます。


ところで、このレングス表記って「どこからどこまで」を表しているか、ご存知ですか?












正解です。











当たり前ですが、「全長」のことを指します






ここがレングスの落とし穴。

何故ならば「釣りに使う長さ」って、「リール装着部から上の長さ」ですよね。

つまり、ロッドを購入するにあたってはリールフットから上の長さをよく確認しなけば(あるいはグリップ長を確認しなければ)実際には想像と違った、あるいは、想定と違った長さのロッドだったりすることがよくある・・・・ということです。

これが「ロッドは現物を触ってから買え」と言われる理由の一つ。

レングスというのはあくまでも「全長にすぎない」ので、実際のニーズ、使用感覚にあう「レングス」はスペックシートだけでは得られないということですね。

「96」くらいの長さになれば、多少の長短の違いは問題ないでしょうが、都市部での使用やウェーディング時の取り回しを考えた「86」の長さだと、リールフットの位置=グリップ長を確認しないとかなり痛い買物になる可能性があります。

注:初心者のうちは長いグリップが「ブランクの損」であるかのように捉える傾向があるかと思いますが、グリップの長さには意味があります。



現在主流となっているシーバスロッドは大抵これら


110
106
100
96
93
90
86
83
80



のサイズにあります。勿論これ以上(あるいはこれ以下)のレングスもあればこの数値に当たらないレングスもありますが、今回はスルーします。

一般的には

96 
90 
86


が一番よく出回っている規格でしょう。



さて、ここからがこの初心者のためのシーバスロッドの「レングス」についての核心です。




最近辿り着いた結論ですが、想定する使用場所や使用方法での制限がない限り(つまりは「取り回しの問題」が無い限り)、シーバスロッドは長ければ長いほど有利です。

具体的にいえば、余程の高所(足場の高い堤防や磯)を除くと、96というサイズが「射程・精度・感度・バラシの無さ・疲れのない重量」の総合的評価で、シーバスロッドとしては一番完成されたレングスといえるかもしれません。
それ以上のレングスになれば長い全長を支える強度のために、飛躍的に自重が増し(ということはパワーも増す)、オールマイティーなバランスが姿を消しますが・・・


長さはロッドの七難を隠します



特に、初心者が買い求めるであろう価格帯のロッドにおいては、これは原理原則、いや、真理と言っても過言ではありません。


既にロッドを使用する場所や方法が特定されているならば、それに合わせて長さを決めてください。
もし、都市部の小河川の岸の遊歩道なんかでメインに使う場合は、キャストの際に頭上や背後に障害となるものがきっとあるでしょうから、短いに越したことはありません。
ウェーディングで岸際数mしか立てる余地がなく、すぐ背後は護岸化された壁・・・なんて場合も短いほうが有利です。
そんな場所では「最長」でも86、出来ることならば80くらいのロッドを使うでしょう。
障害物の下に立ちこんでキャストする場合のために、70や60といったバス用かボートシーバス用のロッドを備えている人も居ます。


ですが、今、頭に思い浮かべた自分のフィールドにそういう状況がない(あるいは少ない)ならば、一般的にいえばロッドは長いほうが有利です。具体的にいえば96クラスが最もユーティリティに優れるレングスといえるでしょう。


順を追って説明しましょう。



わかりやすくするために、空想上のシーバスロッドである「ぼらおマスター」シリーズにも登場してもらいます。
先にでた最も一般的なレングスである96/90/86に登場してもらいましょう。

「ぼらおマスター」のMLは

96 ML lure 10g-30g
90 ML lure 10g-30g
86 ML lure 10g-30g

こんな感じのスペックになります。

レングスが違えばテーパーによる味付けも違うものですが、ここでは話を単純化するためにほぼ同じテーパーだと仮定します。

すると・・・

96MLが「一番よくルアーが飛んで、魚が掛かれば一番よく曲がって、弾きにくく、タメが効くので、バラシが少ないロッド」になり

86MLが「一番精度の高いキャストができて、一番感度よく水中の反応を拾って、魚が掛かればファイトがダイレクトに伝わりエモーショナル(情緒的・躍動的)なロッド」になります

90MLは当然、その中間に位置します。



今度は逆の言い方をしてみます


9.6MLが「一番キャストアキュラシーが低く、感度が鈍く、魚を掛けてもロッドが勝手にいなすのでスリリングじゃないロッド」になり

86MLが「一番ルアーが飛ばず、魚が掛かればよく弾くし、タメの効きがあまりないのでファイト中によくバラすロッド」で

90MLがその中間に位置します。



何故かというと、仮に同じパワーで似たテーパーだとしたら、(当たり前のことですが)レングスが長いほうが曲がる際によりしなやかにスムーズに負荷に対して追随するからです。
その辺の藪に生えている竹のようなしなる枝を2本、長い枝と短い枝をとって、同じ力で曲げて比べてみたら明白。
長いほうはスっと綺麗に弧を描くでしょうが、短いほうは同じ太さの小さな距離(長さ)で負荷に対応せねばならないので、「曲がりにくく反発」してしまいます。

よって同じパワーならば、短いロッドがより弾きやすくバラシやすいロッドになってしまうのです。

初心者にとって「ファイトのダイレクト感」が「食い込みの良さ」より大切だと思えませんし、「アキュラシー」が「射程」より重要だというスタイルの釣りをしている初心者がいるとも信じられません。


このブログで常に主張してきたことですが、初心者に必要なロッドとは「弾かない・バラさない」ロッドです。


長いレングスというのは、一般的にいえばこれらの要素に対してプラスに働きます。


余談ですが、この空想上の「ぼらおマスター86ML」というのは明らかに取り回しの制約があるフィールドで一定以上のサイズを釣ることを想定しているモデルだといえます。

僕が「ぼらおマスター」の責任者だとして、このシリーズが初心者を取り込みたいエントリーモデルだとすると、多分86MLはシリーズに入れないでしょう。エントリーモデルの購入層にそのような近距離戦で中~大型を専門に狙う人が多く居るとは思えない上に、セイゴフッコをよく釣る初心者に「このメーカーのロッドはよく弾くロッドだ」と誤ったメッセージを送りかねないからです。

110MH
106M
96MLとM
90MLとL
86L

ステレオタイプ化されたラインナップですが、きっとこういう品揃えでいくと思いますね。


現実の各社のシーバスロッドのラインナップに96のLが無いのは必要がないからです。
96もの長さがあれば、ブランクがマトモであって適切なガイドセッティングがなされてあればMLでも十分喰い込んでバラさないロッドになるのです。
逆に86のMもありません。そんな短さでパワーモデルを作ったとしても、ランカーハンティングオンリーのバラシ製造機となるでしょう。




以上が長さは七難を隠すという話です。



中級者以上になればそれぞれの「固有のニーズ」に応じたロッドが自然と生まれるので話はかわってきますが、初心者のうちは長さは正義です。
ハイエンドモデルになれば「相反する矛盾した性質を素材の良さとセッティングの良さで両立させる」なんてこともありますが、初心者が購入するであろうエントリーモデルにそんな要素はあまり期待できません。
なので「長さ」で七難を隠し、とりあえず「魚を掛けて逃さない」ことを重視するのがセオリーです。
想定しているフィールドの都合上、ロッドの長さが限定されるのであれば、パワーも短さ相応に落としてやることを忘れないでください。


ついでに冒頭にでてきたロッドのレングスの一般的な用途を簡単に解説します


110以上
MもしくはMH以上のパワー。磯での標準的長さ。

106
MLもしくはM以上のパワー。一般的にはサーフや磯の使用を考えた長さ。

100
ML以上のパワー。サーフや足場の高い堤防で。

96
MLが多いが、Mも大物用としてよくある。平磯やサーフや河川や都市港湾などユーティリティ性に優れる

93
最近各メーカーが力を入れているレングス。MLだが96よりパワーを落として食い込みをよくしたシリーズが多い
これからの河川や都市港湾での主流になるレングスかも

90
LとML。86と96の中間。96だと車への収納に問題がある場合などに需要がある。

86
Lが普通。バチ抜け用やワーム専用としてより繊細なLLパワーもある。
ロッドの取り回しに問題がある場所、つまりは都市エリアでの主力レングス。
86でMLならば、一般的にはかなりのサイズの魚を想定しているロッドといえる。

83以下
LもしくはLLのパワー。
セッティングが難しいレングスなのでエントリーモデルに期待するのは止めたほうが無難。







さて、レングスに関してはこれで終わりですが・・・




どんな間違いを犯したとしても

「とあえず最初の1本は86」

とか

「90こそ初心者に最適な長さ」

とか、何の根拠もなく具体的なレングスを述べている文章は信じないでください。


また、「長すぎると重くてNG」論も信じなくてOKです。

昔ならいざしらず、現在のロッドは96でもMLクラスならば150グラム前後が主流の重量となっており、非常に軽量です。栄養失調で虚弱体質の方ならば仕方ありませんが・・・



まずは、自分が想定する釣り場の「制約」を思い浮かべましょう。
それに合わせて長さを選びましょう。
レングスとパワーは実は密接な関係にありますので、長さだけに囚われないよう注意してください。

釣り場のイメージが浮かんでこないならば、あなたはまだ自分の釣り場を持っていない・よく知らないということです。
近くの釣具店もしくは知り合いのアングラーに聞くのが賢い選択です。
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Comment 9

2014.12.15
Mon
10:08

胃腸虚弱体質 #-

URL

はじめまして

ぼらおさん、はじめまして

いつもブログを参考にタックル購入や釣行をさせていただいてます。

今年の夏ごろからシーバスを本格的にやり出し、出来る限り多く竿を振れるように、時間を作り出動しております!
釣行回数と比例した釣果にはまだまだですが...

主なフィールドは東区〜博多区辺りまでです!
基本単独釣行なので、どこかでぼらおさんに会えればなーとか思ってます^_^

そこで質問ですが、こんな私ですが、まれに釣れたりします。しかし、その時のベイトが何なのかがよくわかりません。 季節的に鰯とかかな?とかその程度。 実際に目視出来るベイトが居れば分かりやすいのですが、ベイトが目視出来ないのに釣れた時ってどうやって判断していますか?
ベイトによって攻め方が変わると思いますが、フィールドに立ってキャストする際に、『ここはベイトがアレだからこう攻めよう』とかがないです...。

よろしければご教授お願いします。

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2014.12.15
Mon
12:36

いでこ #-

URL

楽しい!

コメント久々ですが毎回楽しんでます
ほんとに充実してきて、色んな人に勧めてますw

なんだかロッドを経営の視点から見るのも面白いですね
ぼらおマスター買いそうだなあw

これだけ色々考えられるなら
逆に、初心者を躍らせる(?)観点からのロッド作りもできるわけですよね
宣伝とコスメで所有感を煽り、ストーリーをでっち作りあげ、みたいな・・・

怖い怖い・・・

まあ、そんな短絡的な経営じゃ先が続かないでしょうけど(笑)

ちなみに、踊らされやすい私は、シーバスの世界でもライトゲームの世界でも踊りまくりですので、ぼらおさんのブログ愛読者ですが、ちっとも賢い買い物ができるようになりませんw

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2014.12.15
Mon
18:22

 #-

URL

理論が破綻している。
ロッドの長さとバラしやすさの影響なんてわずか。
ジグキャスターとライトタックルで、ためして見たほうが良い。

他人の否定ばかりしかしていなのに自分は間違ったことを平気で言うのは人間性を疑う。

編集 | 返信 | 
2014.12.15
Mon
18:45

boohoowoo #-

URL

毎日更新楽しみにしています。

ぼらおマスターってボラがよくかかりそうですねw。
僕が釣るのは狭い運河メインなんで、86のシーバスエントリーモデルを使ってましたがショートバイトが多かったです。試しにメバルロッドを使うとかなりの確立で乗るようになりました。30センチ40センチなら楽しく釣れますけど、50・60になってくると主導権は相手に移ります。しかし根や障害物がほとんどないエリアですので犬の散歩の様に遊ばせて疲れさせてから寄せる技術が身につきました。僕の場合はシーバスロッドとメバルロッドの両方使って初めて「乗りやすさ」が分かりました。それまではどれでも同じくらい釣れるとしか思っていませんでした。
ロッドシリーズも含めた初心の為シリーズ楽しみにしています。初心者が無駄な買い物や遠回りをしない為にも頑張ってください。

編集 | 返信 | 
2014.12.15
Mon
22:46

ヤク #-

URL

ん?
ぼらおさんは同じ適合ルアーウエイトで、レングスのみ違うロッドを比較した上でのバラシ易さに言及してる訳ですから、ジグキャスターとライトタックルの比較とは意味合いが違うと思いますが>>上の人

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2014.12.17
Wed
06:58

ぼらお #-

URL

>胃腸虚弱体質さん

はじめまして、コメントありがとうございます。
もしかしたらどこかで既に会っているかもしれませんね。

ベイトに関してですが・・・・これは一つの記事、いやひょっとしたらシリーズになるくらいのトピックですね。

簡単にいうと、河川・干潟・サーフのようなシャロー域と港湾部のように常に一定の水深を保つフィールドでアイデアが違ってきます。

前者は・・・

見えても良し
見えずとも「流れ」を掴めていれば良し

としています・・・何故そうなのかは長くなるので省きます。

後者の場合は・・・

ベイトを把握していないと苦しい釣り、というか、忍耐のアテのない回遊待ちの釣りになる傾向が高くなります。
その回遊のパターンを掴んで実績データ(その季節に必ず回ってくるとか、ここ数日の似た「天気/気温/水温/潮/風向き/時間帯」によく釣れたとか)にもとづいていればいいのですが、ベイトがみえない(居ない)ディープ域の釣りは避けるのが無難です。



編集 | 返信 | 
2014.12.17
Wed
07:22

ぼらお #-

URL

>いでこさん
>管理人のみ閲覧できますさん

昔からのご愛読、本当にありがとうございます。
記事を書くモチベーションを頂いていますので、これからもよろしくおねがいします!

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2014.12.18
Thu
21:13

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> 理論が破綻している。
> ロッドの長さとバラしやすさの影響なんてわずか。
> ジグキャスターとライトタックルで、ためして見たほうが良い。
>
> 他人の否定ばかりしかしていなのに自分は間違ったことを平気で言うのは人間性を疑う。

初心者の方にわかりづらいような書き方は筆者(ぼらお)の責任ですが、頭の悪い方にわかって貰えないのは筆者の責任ではありません。
また、「他人の否定ばかり」とは具体的にどこの事を指しているのか教えてください。
この記事では

何の根拠もなく具体的なレングスを述べている文章は信じないでください。


と書いていますが、誰の否定もしていません。
もしかしてあなたが「何の根拠もなく具体的なレングスを述べている人」なら、否定の対象になっていますが、それにしてもその文章を否定しているのであって書き手の人格を否定しているわけではありません。

このブログには稀ですが

「自分の使っている釣具のメーカーに自分を投影しすぎて、このブログ上そのメーカーもしくは製品に関してネガティブな書き方をされたら、まるで自分自身の人格が侵害されたような言動をとる人」

が現れますが、そのような気配がある人は間違いなく精神的な病に罹る一歩手前です。

はやめの通院をなさって元気を取り戻し、楽しいフィッシングライフを満喫できる日が来るよう願っています。

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2014.12.18
Thu
21:24

ぼらお #-

URL

>boohoowoo さん

励みになるコメントありがとうございます。
何やら楽しそうな釣りをされているようで羨ましいですねw
その「自分の工夫で仕留めた」からが釣りの楽しさ始まりですよね。

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