初心者のための中古ロッド - 初心者のためのシーバスロッド

初心者のための中古ロッド

 30,2014 20:36
> はじめまして、ぼらお3。
>中古ロッドで二万円とすると、結構、
>選択肢があると思うのですが
>いかがなものでしょうか?


興味深いトピックをありがとうございます。

結論からいえば、「はじめての本気の1本」には、複数の理由からお勧めしません。
ですが、中古ロッドという概念は大いにアリだと思います。

ではまず、何故最初の1本が新品でないといけないのかを説明します。
多分、これを読んでいる人は

「ははーん、初心者はロッドの扱いが雑だから、何かあったときの保証がないとダメ=新品推奨なんでしょ?」

と、思われるかもしれませんが、違います。

そういう「アフターサービス」とか、中古の目利きが出来る出来ないとか、そういう副次的要素でダメなのではなく、もっとコアでテクニカルな要素でダメなんです。




それは・・・




ロッドのヘタリというものを一度体験しないと

近代的なカーボン製シーバスロッドの性質というものが

理解できないからです





ロッドは、ヘタリます。腰が抜けるともいいます。

キャストをすればするほど

ロッドアクションをすればするほど

魚を釣れば釣るほど

ロッドは、ヘタリます。



ロッドは常に同じ品質ではないということを身を持って知るためには、最初の1本、いや、できれば「ヘタるとはどういうことか」はっきり理解するまでは新品をお勧めします。





ロッドに寿命があります。

勿論、不可逆的な寿命・・・誰から見ても明確なロッドの死・・・というものは破断による損壊です。
もし仮に外傷がないまま蓄積疲労で破断することがあったら、それはもう大往生といってよくロッド冥利に尽きるでしょう。
ですが、ロッドはそこまで行かなくてもヘタリが進行することによって、そのロッドがロッド足らしめる性質を失い、事実上役目を終えることがります。

段階を追っていきましょう。

シーバスロッドのステージを5段階にわけてみました。

 A → B → C → D → E

Aは新品パリパリの頃です。
物によってはキャスティング性能のピークがAにあり、あとは下降していくだけになったりします。
感度もAがピークですが、物によってはAはまだ硬すぎる・・・・キャスティングの際のパワーバンドが狭すぎて飛距離や精度に難があることもあります。
また、同じ理由でバットの曲がりがスムーズではなく、途中でバラシてしまう回数が増えることも十分に考えられます。

Bは事実上、ロッドの全盛期でしょう。
使い手はロッドの特徴を捉えて理解し始め、ロッドは「慣らし」を終え硬さがほぐれて真価を発揮しだす頃。
ロッドはその初期性能を保ったままです。

Cになるとロッドは完全に馴染んで初期の頃より相当柔らかくなっています。
端的にいえば、性能の下降が始まっていますが、ユーザーのロッドに対する理解がそれをカバーするので、ロッドによってはBのステージより「全盛期」といえるかもしれません。
ですが、高弾性で軽量さを謳うような薄いブランクのロッドは、敏感な人に「あれっ?」と違和感を感じさせるほど劣化しているでしょう。

Dになると末期。
ロッドがヘタったと形容される状態。
特にキャスト精度の低下が明白になりはじめ、バットも「曲がっていなす」よりは「不必要に曲がって時間がかかる」と表現されるようになるでしょう。
取り込みの際に障害物を躱しつつ安全な場所にランディングする事が求められる、テクニカルな釣りになると主導権を握れずにフックアウトが増え、「引退」の文字がチラつくかもしれません・・・高弾性カーボンならいつ折れても不思議ではありませんが、低弾性カーボンならば劣化速度は緩やかになります。
この状態をキープしたままの時間が当分は続くので、普通の使用には問題ないといえばないのかも。

E
Dが更に進行した終末老人です。高弾性カーボンは既に折れていると思われるので、Eのステージに来れるのは低弾性カーボンのロッドだけ。
オープンエリアでの釣行は可能ですので、労りながら使いましょう。


中古で買う場合、見た目がなんであれ、どの状態からのスタートなのかわかりません。

初心者が中古を買うということは、例えるなら・・・・入隊したての新兵である二等兵がパラシュートで真夜中に1人、作戦地点へ降下するようなものです。
二等兵は、ロッドを知りません。良し悪しがわかりません。
わからないならば、せめてロッドがA~Dのどの状態であるのかは知っておきたいものですが、それすら知ることを許されません。
仮に二等兵がもつ中古ロッドには、キャスティング精度に難があるとします。
二等兵は自分のロッドが使い込まれているからアキュラシーが定まらないのか、それともそういうテイストのロッドだから仕方ないのか判断できないので、しまいには自分のキャスティングに問題があるのかと疑ってしまうことになるでしょう。
玄人ならば、中古であっても数回使ってみれば状態・カーボン性質・パワー・テーパーからどの地点に自分が降下したのか大体察しがつくかもしれませんが、初心者には無理でしょう。

そういう訳で、初心者には中古をお勧めしない、というより、先にこのサイクルを体験してもらいたい、という意味で「はじめての本気の1本」は新品であることを強くお勧めします。



それと、何を隠そう、実は・・・








このサイクルの体験が滅茶苦茶楽しいからです。






ロッドの1サイクルを終えた時に、「こういうロッドで、こういう魚と会って、自分はこういう成長をした」という感慨はとっても大きく重要なものです。
きっと次のロッドは「次の初心者ロッド」ではなく「次の自分用ロッド」と、輪郭がハッキリした形で浮かび上がってくると思います。

この体験をせずにシーバスを語るのはナンセンスだ、といっても過言ではないでしょう。


「間違いだらけのロッド選び」で「本気のロッドなら2万円前後は用意せよ」と述べました。
良い物を持ってもらいたいという意味もありますが、このようなサイクルを楽しみながら経験できるのはその価格帯からのロッドだから、でもあります。
一緒に老いるというのは大げさですが(当然ロッドが先にヘタる)、趣深い、感傷的な体験です。





因みにですが、ロッドはどれくらいでヘタるのかというと、ロッドの性質と使用頻度と使い方にもよる、としか言いようがありません・・・

ヘビーに使えば1シーズンでCを通り越してD近くまで行くこともあるでしょうし、釣行頻度が少なければ4シーズン過ぎてもガイドラッピングやグリップの状態は別として、ブランクそのものはBの状態のままということもありえます。

エギングやライトジギング、ワインドゲームなんかのシャクる頻度が高いメソッドを使えばヘタリやすくなりますし、引き抵抗の強いバイブ類をメインに使ってもそうなります。

一般論ですが、初心者・上級者に関係なく年間釣行回数が多く、しかもその1本に依存する率が高ければ大体2シーズンの終わりにはDに到達するでしょう。














一見、中古ロッドに何のメリットもないような話の内容になりましたが、ご心配なく。


大抵の中古ロッドはBかCの場合が多いのです。


Cになるとガイドラッピングにクラックが入っていたり、ブランクにスリ傷が多数入っていたり、グリップが疲れて凹んでいたり汚れが著しかったりするので、一目瞭然です。値段もまた相場より低いのでどういうロッドであるか明確です。

Bのロッドは「買ってはみたものの出番がなかった」とか「思っていたフィーリングじゃなかった」とか「次のタックル代を捻出するために(再販価格を出来るだけ高くするために)極端なまでに大切に扱われていた」とか、そういうロッドです。

そういう意味では「高値の華」だった高級ロッドを、かなりリーズナブルな値段で手に入れることができるいい方法であることは間違いありません。






中古ロッドを選ぶ際は下記をしっかり確かめてから
オークション・通販の場合、コンクリート床にベタ置きなどの出品者・業者は問答無用で選択肢から除外すること
気になる箇所の鮮明な写真が無い場合は細部を追加要求すること(不可なら選択肢から除外)

● ガイドのコンディションをよく見る
ガイドリングに割れはないか、ガイドフレームが曲がっていないか
チタンガイドは非常に高価(1個でも)

● 最先端のトップガイドの詰め(ティップ折れの有無)を確認する
1~2cm詰まっているとNG
詰まっていることがNGではなく、そんな扱いをされたロッドだということがNG

● ガイドラッピングの状態 (最重要)
ガイドラッピングにクラックが入っていたり、ガイドのスッポ抜けの修復跡があったり、日焼けがあったりするのに
「使用数回のみ」という表現があるものはNG
ガイドラッピングはロッドの使用時間をほぼ正確に表します

● ブランクの傷
バットの小傷の有無は問題ない
ティップからベリーにかけて一番曲がる部位に多くの傷があるものはNG

● グリップの疲れ (最重要)
グリップ素材(コルク・EVA)はガイドラッピングと同じくロッドの使用時間と正比例した状態になります
汚れや傷が多いのに使用回数が低いと示唆していたり、価格相応ではない場合は見送りましょう

● 付属品の有無
ウェイトバランサーなどは意外と高価だったりするので絶対に事前に確認
ロッド袋も無いと寂しい
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