シーバスロッドのガイド講座 - 初心者のためのシーバスロッド

シーバスロッドのガイド講座

 31,2014 18:02
イキナリですが、内容は端折ります。

理由は単純。物凄く長くからです。



奔放に話すのは面白いのですが、体系的に書くのは苦痛です(笑)



1万文字以上の力作となっても決して愉快で娯楽性に富む内容にならないうえに、理解できる初心者も少ないので大幅に省略します。

とはいっても、やはり基本は抑えておく必要があるでしょう。



ガイドを見ればロッドの格がわかる

ロッドというものは、その場で振ってみればわかるものではありません。
初めてのロッドは、そのティップを天井に押し付けて曲がり具合を確かめる人がいますが、その動作では何も分かっていないはずです。
ロッドというものは、キャストを重ねてアクションを入れて魚を釣らないと、結局はわからないものなのです。
ですがロッドの良し悪しは別として、一目みて「どれくらいの格の物か」とわかるパーツがあります。

それはブランクではありません。

もしブランクを見るだけで(あるいは触れるだけで)このロッドは高級ハイエンドとか、廉価中華ブランクとか判別出来る人がいたら、その人は釣り人ではなくカーボン繊維業界のプロ中のプロの方でしょう。

慣れればブランクではなくガイドを見たら、そのロッドについてまるで知識がなくても、大体どれくらいの格のものかわかるようになります。

それは何故かというと、ガイドという部品はとある一企業がほぼ独占(モノポリー)に近い立場を占めているため、その製品の知識を持っていればほぼ全てのロッドに当てはめることができるからです。




ガイドは富士工業の独占

http://www.fujitackle.com/

この会社が少数の例外を除き(ダイワのAGSガイド・ゼナックのRGシステム【チョークガイドのみ】)、ほぼ全てのロッドに対して事実上独占的な部品供給を行っています。
ガイドという部品は思っている以上に高価ですが、これは良いガイドを作っているのはフジだけでライバルが存在せず、よって値段を下げる理由がまるでないことも関係しているのかもしれません。
有名どころのメーカー製のシーバスロッドが大抵の場合1万円を超えるのも、フジ製のガイドを仕入れているからです。
(逆にいえば、数千円の釣具屋プライベートブランド品や問屋オリジナル品はガイドをケチっている可能性が非常に高い)

ライバルが不在というのは、別にフジがビル・ゲイツも真っ青のエゲツナイ商法を取ってきた訳ではなく、フジより良い物を作れる会社が無かったからです。
値段については競争原理が機能していませんが、今のところ、競争がなくとも品質向上を果たしている凄い会社です。


ガイドはブランクにラインの挙動を伝える大切な部品

よく考えれば、一部の特殊なロッド(インターラインロッド)を除いて、ラインはブランクに接触しません。
どれだけブランクが凄かろうと、ブランク自体は魚に触れることもなければ、ラインに触れることさえないのです。
当たり前ですが、そのままだとブランクがどれだけ完全無欠であっても意味をなしません。
つまり、ガイドというものは、ラインの動きをブランクに媒介することでブランクの能力を引き出す、非常に重要な部品といえるでしょう。


ガイドの構成
ガイドは

・ガイドリング
・ガイドフレーム

この二つから成り立っており、

・スレッド(要するにタダの糸)
・エポキシ樹脂

この二つの素材でロッドに固定されます。
固定自体は一般人でも出来る作業ですし、素材もありふれたものなのでここでは触れません。
ガイドリングは主に下記4項目に関して十分な性能を満たさねばなりません
・摩擦抵抗が少ないこと (飛距離)
・傷がつきにくいこと (ライン保護)
・熱放出にすぐれること (ライン保護)
・軽いこと (感度UP)


ガイドリングの素材は・・・あ、いや、やっぱりやめておきます・・・今更ハード系とか何とかは選択肢に入れる必要がないでしょう。


2014年12月現在、ガイドリングの素材は事実上2種類しかありません。

SiC (要するにセラミックの一種)
トルザイト (要するにセラミックの一種)

SiCリングは市場のスタンダード。上記4項目を全て満たしている完全無欠に近い素材だからです。
トルザイトはSiCの上位互換で、これから普及していくであろうニューウェーブの高級品。
SiCはリングがポテっと太みがあって丸く、トルザイトはリングが非常に薄いのでその区別は一目瞭然です。
どちらも通常の使用においては傷がつくことがありえないので、ほんの小さなササクレで強度が落ちるPEラインを使用する上では必需品ともいえます。
逆にいえばPEラインの普及が素材としてのSiC一強時代を作ったともいえるでしょう。
以前に流通していたリング素材全てはSiCリングに駆逐されて、廉価ロッド用に姿を留めるのみです。

弱点はあります。衝撃。
セラミック、つまりは陶器の一種なので、傷はつきませんが衝撃で割れます。
割れたガイドでキャストするとPEに致命的なダメージを及ぼすので、その場合は交換する必要があります。


ガイドフレームの素材

ステンレスかチタンかカーボンの何れか。
フジにはカーボン技術がないのでステンレスかチタン。
カーボンはダイワが持つ最高峰のフレームで、最近APIAやIMAの高級ロッドに対して社外供給を始めた模様。
素材としての良さは当然

カーボン(超高級)>チタン(高級)>ステンレス(廉価)

となります。

素材のメリットデメリットに行く前に、ガイドの役割をもう一度おさらい・・・

ブランク⇔ガイド⇔ライン

このようにガイドはラインの挙動をブランクに仲介するものです。もし可能であるならば無くてもいいというか、本来必要ない重量をブランクに乗せているという意味では、本当は存在しないほうがよいパーツなのです。
よって軽ければ軽いほど、ブランクの性能に干渉しないため、キャストや感度の点で有利になります。
ところが、軽さを重視するあまり、ラインに掛かった負荷でガイドが曲がってしまうような強度だと、情報をブランクに伝えきれずに逆に不利になります。
ここに、ガイドフレームの矛盾があります。
強く(重く)するとブランクに干渉し、弱く(軽く)するとラインからの伝達を正確に拾えない。
これが意味するところはつまり、

・ステンレスは重くて強度がない (しかも錆びる)
・チタンは軽くて丈夫 (しかも錆びない)

というステレオタイプ的な解釈は間違いであるということです。

ステンレス製であっても、今現在のKLガイドのように重量的にまるでハンデがないように作ることもできれば、
ダブルフットのKガイドや少し前の大口径Yガイドのように重量に目を瞑れば丈夫に作ることも可能なのです。

問題は二兎追いが出来ないということなんですね。

これは程度の差はあれ、チタン製でも同じこと。
チタンだからオートマチックに軽量で丈夫なガイドフレームができるわけではないようです。
現在の流れとして「チタンだから丈夫」というわけではなく、「チタンだからステンレスと同じ強度をより軽く(しかも錆びない)できた」という思想で作っているみたいです。

素材の属性を表にするとこんな感じでしょうか

             通常仕様      強度仕様       防錆     値段
ステンレス        ◯           △         ×        ◎
チタン           ◎           ◯         ◎        △

ダイワのAGSが何故衝撃的だったかというと、カーボンという素材は軽量で丈夫な上に柔軟性がゼロなので、金属素材の矛盾を一気に解決したことでしょう。

             通常仕様      強度仕様       錆      値段
ステンレス        ◯           △         ×        ◎
チタン           ◎           ◯         ◎        △
カーボン          ◎           ◎         ◎        ×



ガイドの形状

この項では初心者にオススメなガイドを具体的に述べます。

結論からいえば、KL-Hガイドが搭載されているロッドを強くお薦めします。

https://www.fujitackle.com/krc/krc5_01.html

詳しくは省きますが、一番リール側に近いガイド(チョークガイドといいます・・・何故「チョーク」かというと、螺旋状に放出されたラインをここで絞って真っ直ぐにする機能を果たすからです)はそのガイドリングの位置がブランクから高ければ高いほど、トラブルが少なく、飛距離が出やすいからです。
他のガイドだと極端にブランクに近かったり、前傾したり、大口径だったりしますが、この形状に関してはKL-Hが現在のところもっとも理想に近い形状をしています。

KIMG1050.jpg

下記のKガイドと比較して左右のフレームの膨らみが小さく、ガイドリングが小さく、その位置が高いのがKLガイドの特徴。


チョークガイドの口径ですが、車やバイクのエキゾーストと実によく似ていて、太ければ良いというものではなく、適度に圧力を掛けないと抜けが悪いということが判明しているようです・・・面白いですね。
トルザイトガイドもこの形状を取るようなので、これからは間違いなく主流となるガイド形状です。


で、KLガイドの先輩、上級者の方には両論賛否がある元祖のKガイドですが・・・初心者には悪くない選択だと思います。

KIMG1039.jpg

シーバスロッドで一番典型的、スタンダードともいえるシングルフットのKガイド。
糸絡み防止の機能を持たせるため、前に傾斜させた結果ガイドリングの位置が低くなっている。理論的には飛距離はYガイドより伸びない


キャスティングの能力に秀でている人からすると、KガイドとはYガイドに重量を乗せてブランクにリングの位置を近づけただけの駄作に見えるかもしれませんが、初心者から中級者にかけてはシングルフットのKは
・キャスティングの際の絡みトラブルが少ない
・ティップ絡みはちょっと軽く振ると直る
など、中々有難い機能を提供してくれます。
特に後者に関しては、「チョークガイドはYでティップのガイドのみK」という変則スタイルのロッドも多くでたことから、一定の評価を得ていることは間違いありません。
ただ、ダブルフットのKは港湾を想定したシーバス釣りには明らかに不要でしょう。
青物を想定したジギング/キャスティング(強度確保が目的)用ならば意味を成しますが、港湾ゲームのロッドにダブルフットのKは、ブランクに加えられた余計なオモリになるかもしれません。

キャスティングに慣れると、「絡み防止機能」が無いYガイドでもまるで問題がない・・・・というか、元祖のKガイドよりも間違いなくYガイドを好むようになります。

KIMG1043.jpg

退役してウェーディングステッキに転用されたロッドから取り外したステンレスYガイド。
ガイドリングの位置が高く、上のKガイドと同じ口径。肉厚がありシングルフットのYより丈夫。ステンレス製なので重い。


これは何故かというと、Yガイドはオートマチックに糸絡みを解消してくれる形状ではないのですが、ガイドリングの位置がKLガイド並に高いので飛距離が出やすいのです。
つまり中級者以上はしっかりロッドを振れるので、チョークガイドにラインを絡ませるようなキャストは発生しないことから、Yガイドでも十分ということになります。













まとめます

・初心者におすすめはダントツでKLガイドです

・手入れを怠っても錆びないチタンKLガイドが特に好ましいですが、チタンガイドを搭載するロッドは価格的に初心者に手が届きにくくなります・・・というか2万円前後のロッドには無いでしょう

・夢のガイドは「AGS素材でKL形状でリングはトルザイト」

・SiC以外のリング素材を採用したロッドが、ガイド代が浮いた分ブランクの性能を高めている可能性は0.00000000000001%

・今のところ、トルザイトは高級品なので初心者には手が届かないかと思われますが、普及が進み単価が下がるとスタンダードになるかもしれません

・KLガイドでないならば、初心者の間はYガイドよりノーマルなKガイドをおすすめ

・今時Yガイドのロッドは極端に少ないので、次の内のどれかでしょう。初心者にはあまりオススメしません
 ①廉価品である
 ②発売が古いロッドである
 ③上級者向きの特殊なロッドである

・キャスティング能力について自身がついたならば、Yガイドを選択肢にいれても構いません。むしろKガイドが足枷になっていることに気がつくかもしれません。

・ガイドはその素材もそうですが、ガイドの数と取り付け位置も同じくらい大切・・・ですが、こればかりは使ってみなければわかりません

・ガイドはブランクのポテンシャルを引き出すための部品であって、ガイドの良し悪しでロッドの良し悪しが決定されるものではなりません。

・良いブランクにダメなガイドが付けばせいぜい凡作

・良いブランクに良いガイドが付けば秀作

・ダメなブランクに良いガイドが付いても駄作

・ダメなブランクにダメなガイドが付けば失敗作
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