ヤマガブランクス アーリープラス 89L ファーストインプレッションA - シーバスロッド

ヤマガブランクス アーリープラス 89L ファーストインプレッションA

 31,2015 22:49
ヤマガブランクス アーリープラス 89L SHALLOW MASTER
(Yamaga Blanks Early plus 89L Shallow Master)

どこよりも早いインプレッションをしてみます・・・・と思ったところ、自分の中で正反対の意見が出てしまいました。


そういうわけで・・・

アーリープラスに肯定的な意見をまとめたインプレッションを「A」

否定的な意見をまとめたインプレッションを「B」とし

暫定的ですが1シーズン使って最終結論がでるまでは同時並行的に進めて行きたいと思います。


この記事はアーリープラスに肯定的な「A」です。

KIMG1347.jpg







KIMG1339.jpg

まずはじめに断っておきますが、自分はヤマガブランクスを知りません。
このアーリープラス89Lが初となるヤマガロッドです。
ですので、旧型との比較やアッパークラス(つまりはバリスティック)との比較はできません。あしからず。

KIMG1341.jpg

誇らしげに光る「Made in Japan」の文字。
格好いいですよね。
これはもう、単純に好ましいこと。
・・・ですが、自分が店頭で手にして最初に目がいったのはこのロゴではありません。

KIMG1342.jpg

このガイドです。

KIMG1343.jpg

アキュラシーと飛距離を取るなら位置が高いステンレスKLガイドという選択肢があったはず。

しかしヤマガが選んだのは位置が低いステンレスKガイド。
ただし、小口径。
一目見て、何かウラがあるはずと思いました。




調べるためにアーリープラスのガイドをよ~く触ってみます。

次に、たまたま横に陳列されていた某ロッドのKLガイド(チタン)を触ってみます。




はは~んと閃きました。




これからアーリープラスを買うかどうか迷っている人は(もしくは既に買ったという人も)次回このロッドに触る機会がありましたら、是非ガイド(特にチョークガイド)を触ってみてください。触るどころか、ちょっと乱暴にガイドを押してみてください。
ガイドの動きが最小限になるようガッチリ固定されているのに加えて(←これは明らかに意識してそう仕上げられています)ガイドフットが短い(低い)ことから、曲がりが最小限になるよう考えられているようです。国産品ということを感じる瞬間ですね。

もう一度いいますが、飛距離と精度を大切にするならば、ガイドリングがブランクからより離れた場所に位置するKLガイドを付けたはずです。

ですが、アーリープラスはそれらのメリットを知っていながら、なお、

「ガイドの曲がり・動きを最小限に抑えて感度を優先した」

ということでしょう。


ところで先代モデルのアーリーといえば、「カーボンロッド」というのが憚られるほどレジン(樹脂)率が高かった低弾性ロッド。
如何にモデルチェンジでカーボン率が飛躍的に高まったとはいえ、「曲げて取るメーカーの曲げて取るロッド」といわれるアーリーがそんな感度重視のパリパリテイストに仕上がっているものでしょうか?








 



結論からいうと、アーリープラスは明らかに曲げて取るロッドです。








曲げて取るブランクですが、感度を妥協したくなかったために、この感度という要素を捨てないためにこのガイドセッティングを選んだということでしょう。

「曲がるロッド」というのはそのまま、「感度も良くて曲るロッド」に。
正常進化というところですか。

その感度のレベルは「キンキン・パリパリ」ではありませんが、「乗せて・曲げて、取るブランク」にしては必要十分な感度が備わっており、不都合は感じません。

KIMG1394.jpg

普通、「曲げて取る」という性格は言い換えれば「感度がない」ということですから、その欠点を補うために敢えてこのセッティングにしたんですね。嫌いじゃないです。




で、どれくらい曲がるブランクなのかというと・・・それは後回しにして・・・リールシートの話を少し。



KIMG1344.jpg



このリールフットの締具、緩みにくく、手触りもソフトな感じで上出来といっていいかもしれません。

ただし、ソフトすぎて乱暴なファイトの際のリールの固定は「大丈夫かな」という疑念を抱いてしまいます・・・(本当に大丈夫これ?)


EA89L.jpg


リールシート回りのスペックは図を参照のこと。










earrly_plus_bending.jpg




このロッドの最大の特徴はそのベンディングです。

魚を掛けてからわかります。







このベンディング、もう何も恐れる必要はない。







(このキャッチフレーズ、イイですよね!←自画自賛)








何を?









自分の経験から言わせてもらうと「単純に曲がる」だけなら、一定レベル以上のロッドならばどのロッドでも大抵は「曲がるロッド」といっても誇大広告にはならないと思います。今時分のエントリーモデル(実売2万前後)のロッドのレベルは高いもんですね。

ですが、一定のレベルのロッドが全て「曲がるロッド」と表現していいのかといえば、NO。
復元力が急激に開放される時、つまり曲がるときではなく、「戻るとき」に「曲がるロッド」とそうでないロッドとの差がでます。
アーリープラスは、まさにそういうロッド。
曲がっている時より戻る時の追随性の高さに真価があります。



KIMG1391.jpg


バイトを弾いてしまう。
やりとりの途中で魚をバラす。

ロッドとロッド捌きが理由の苦い経験の蓄積は、やがてトラウマというか、スランプになります。
所謂、「バラシ癖」というものです。
ファイトに躊躇や恐れが出るんですよね。
で、その躊躇や恐れが原因で操作と判断を誤ってまた魚をバラす・・・

これが負のサイクル。
スランプのメカニズムですよね。



安心してください。

アーリープラス89Lはそのような恐れとは無縁です。


それは追随性の違いという一言に集約されます。












グゥーっと曲がった!

グゥ、グググッゥーッと走った!!

曲がるっ、走るっ・・・・・・・・・・(ふっ)・・・・・・・あ、あれ?スカスカ?






この(ふっ)の瞬間、バットが復元しようとして寄せる力=戻る力が発現する瞬間と、魚が疲れて走りを止める瞬間が重なった瞬間です。



これがバラシの瞬間です。


多くのロッドはそこでいきなりテンションを緩ませてしまい、フックアウトの機会を魚に与えてしまうのです。




ベンディングというのは、魚が引っ張る力とロッドが復元する力の綱引きの結果に生まれるものですから、魚の抵抗力がイキナリ消滅するとロッドの曲がりもイキナリ直線に戻ろうとするので、当然ラインテンションも緩んでしまいます。

魚からしたら

「必死に引っ張っていても逃げられなかったのに、疲れて休んだら自分を拘束していたヒモが緩んで外れてラッキー」

こういう感じでしょうね。




この場合、フッキングの良し悪しや、リーリング・ロッドワークのやりとりの良し悪しとは完全に別の問題です。



適切なドラグ設定がなされているのに、上記のような情けないフックアウトを頻発させてしまうのは

A) ロッドがテンション変化の情報を事前に操作者に伝えなかった

B) テンションの緩みを「やわらかく変換」しなかったために変化に追随できなかった

このどちらかが原因です。
実は、操作者よりもロッドが原因なんです。





アーリープラス89Lシャローマスターの場合、シーバスのサイズがどうであれ、シーバスの逃げ方がどうであれ、


このベンディングと追随性があれば何も恐れる必要はありません。


大物も、小物も。

等しく楽しめます。




ロッドを逆側(つまりはティップ側)から持ってみればわかるのですが、このロッドの一番の曲がる場所は三番目と四番目のガイドの間にあります。
「テーパー」で言い表わせば「ファスト」、もっと厳密に分類すると「セミファスト」といったところでしょうか。
サイズが小さければそこで吸収し、大きければそこからバットがストーン!と落ちるように曲がるのですが、この曲がり方といったら、とてもエントリーモデルとは思えないほど美しく、見事に支点が移動するんですね。



追随性がマジで凄い。



曲がるときも、戻るときも。




2万4千円でこの魅惑のテイストが味わえるって、ちょっと他ではないですね。


ムリです。無いです。


ラテオQの・・・多分Lパワーのモデルが一番近いかもしれませんが、ラテオQにはアーリープラスの官能的なエモーションがありません(逆にラテオQにはアーリープラスが無いものが備わっていますが・・・これはまた別の話)。










ライバルは、アーリープラス88MLです。

 

オールラウンダーの88ML”メインステイアーム”を選ぶか

それとも

この曲がりの89L”シャローマスター”を選ぶか・・・




ラテオ90L



この特定のモデルが外部の比較対象としてはもっとも近いライバルだと思います。








でもやっぱり、これ、89Lシャローマスター。





国産で、官能的で、逃さないロッド。
ズブの素人ではなく・・・・シーバスフィッシングを分かり始めた人、ロッドの機能・特性の違いが何となく理解できはじめた人にこそ使用をお勧めしたい一本です。
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Comment 2

2015.04.03
Fri
18:41

Gさん #-

URL

B意見を読みました。私もグリップエンドの長さはモアザン94デーモンブラッドを使ってから非常に気にするようになりました。グリップエンドが短いくせにバッドが強いからキャスト時にバットが曲がらない。ヤマガはブランクスメーカーですがブランクスだけで物を選ぶと大変痛い目に会いますね。1モデルずつ吟味すべきです。しかし、バットパワーは相変わらず信頼できそうですね。

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2015.04.05
Sun
15:20

ぼらお #-

URL

>グリップエンドが短いくせにバッドが強いからキャスト時にバットが曲がらない

柔らかいブランクなので、そのような重大な問題ではないのですが、やっぱり不満を感じます。



バットパワーというか、曲がりと寄せについてはピカイチですね。
ヤマガのファンになる人の気持ちがよくわかります。
89Lに限ってはモデル表示は「811L」にしてあと4~5cmエンドを長くして売るべきロッドだと思いました。

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