シーバスロッドのグリップ② - 初心者のためのシーバスロッド

シーバスロッドのグリップ②

 17,2015 15:57

珍しく本当に「初心者のための」記事だった前回から、ちょっとディープな記事に変わります。今回。

メインテーマは・・・



シーバスロッドのリアグリップ長


KIMG1648.jpg



ハッキリと「好み」で別れるトピックなので、この記事では「何が良し、何は悪し」という断定はしません。






さて、前回の記事では「ロッドのグリップ長に関する質問」を投げて終わりましたので、その続きから始めたいと思います。







A)長いほうが好き 
(あるいは、どちらかというと長めが好き)

B)短いほうが好き 
(あるいは、どちらかというと短めが好き)






思うに、Aを選んだ人は・・・回遊待ち志向

流れを釣る釣り・・・・飛距離が求められ、ピンポイントのキャストアキュラシーより縦方向(つまりは飛距離の精度)のコントロールをロッドに要求するスタイルのアングラーである傾向が高いと思います。
また、このタイプの人のフィールドはキャスティングの際に物理的な制約が少ないのも特徴です。
ロッドでいえば9.3~10.6のレングスを選ぶ人でしょう。

余談ですが、自分もAに属します



Bを選んだ人は・・・ランガン志向

ストラクチャーを釣る釣り・・・何よりも精密なピンポイントのキャスティング技術が必要としているので、ロッドには飛距離よりも狙い易さという要素をロッドに求めるアングラーではないでしょうか。
ストラクチャーを通す際にはタダ巻きやドリフトやのみならず、ロッドアクションも頻繁に入れるので、その際のグリップが短い故のロッドの扱い易さも好みの基準となっているでしょう。
近距離戦というスタイルもそうですが、背後や頭上にキャスティングの際の制約があることが多いことから、ロッドは8.6以下のショートレングスを好む傾向があると思います。


という大まかな傾向があるのではないでしょうか?








一般的にはグリップエンドが長いと

・ロッドを振りぬく際の下の手のサポートがしっかりするので、飛距離が伸びるロッドになる
→長いロッドに向いている設定

・肘でしっかりロッドを支えるのでロッドのティップ先の位置(向き・高さ・角度)によるリトリーブコントロールが容易になる
→遠投+ドリフト等の際に非常に大切

・脇に挟むこともできるので、疲れにくい
→長時間の釣行(回遊待ち)向き

というメリットがあります。
勘違いされることがありますが「大物にロッドをノサれないように脇に挟む為のグリップエンド長」という設定はシーバスロッドには存在しません。
青物ならいざしらず、どんな巨体のシーバスでも肘から先の片腕で負けることはまずありません。
ほぼ全てのショアジギロッドのグリップエンドが脇に挟めるほど長いのは、一に長時間のジャーキング(シャクリ)を可能するためであり、次にシーバスの比ではないほどパワフルな青物の突っ込みにノサれないよう脇でしっかり固定するためです。



逆にグリップエンドが短いと


・キャストの際の上の手での繊細なコントロールが可能
→アキュラシーを求める短いロッド向き

・ロッドを持つ上の手をメインとするキャストなので、背後・頭上に物理的な制約があるフィールドでも扱いやすい
→グリップの長いロッドだと、長さと重さが邪魔になって制約の存在以上に制限されるが、そうはならない

・グリップが軽く邪魔にならないので水平方向のロッドアクションが容易で疲れにくい
→グリップを持ち手の腕の上に添えて載せるようなカタチになるので楽に操作できる
(逆をいえば、ジギング等の縦方向のロッドアクションには不向き)

などと、このように主に近距離での繊細なアキュラシーとロッドアクションにメリットがあます。
また、自分の正面に手摺(柵)があるようなフィールドで、柵越しに手を出してロッドを操作する際にも、リアグリップが短いと非常に有利です。


前述のとおり、一長一短で「どっちがいい」とは断定できません。








それにしても・・・

ロッドのグリップエンド長、一般的にはロッドのレングスそのものと比例しているとは限らないが、このトピックの一番興味深い点でしょう。




確かに傾向としては

8.6なら8.6相応のショートなグリップエンドが
10.6なら10.6相応のロングなグリップエンドが


という風になってはいますがが、それが絶対であるとは言い切れないところが面白いポイントです。
何故ならば開発者のなにかしらの意図や好みで、リアグリップ長がロッド長にあまり関係なく設定されることがあるからです。
特定の開発者(プロやデザイナー)の「好み」によって「メーカーとしての短め・長めの傾向」が定まっている場合もあります。



KIMG1650.jpg

「好み」という表現を使うと、リアグリップ長はあくまで「好き・嫌い」の問題だと思われますが、実はリアグリップ長はロッドの性格にも決定的な影響を及ぼします。

例:

上がBOUZ C3 SHORE8-1/2
下がアーリープラス89L

アーリープラス89Lはリールフットの中心点からグリップエンドまで30.5cm
SHORE8-1/2は同じ長さがなんと37.5cm!
(注:この37.5cmというのは8.6クラスは当然のこと、9.6クラスでも稀な異例の長さです)










これは、具体的にどいうことかというと・・・
















アーリープラス89Lの全長は266.5cmなので、実際に使われるブランク長は236cm

SHORE8-1/2の全長は261cmなので、実際に使われるブランク長は223.5cm





ここまでブランク長が違ったら、もはや別クラスのレングスと言っていいでしょう。

本当は全長は5cmしか違わないはずのロッドが、です。





アーリープラスはそのリアグリップ長を極限まで削ることによって、一クラス上のレングスの性能を得ているわけです。
方や、SHORE8-1/2は、リアグリップ長を伸ばすことで、スペック以上に取り回しがよくパワフルでダイレクト感あるロッドに仕上がっています。


このように、リアグリップ長の設定は、実はロッドの隠されたスペックでもあることを覚えておいてください。


リアグリップが短ければ、その分ブランク長が伸び、よりオートマチックでバラシにくいロッドになります。
ブランクが長いということは飛距離も理論上伸びるはずですが、グリップの短さ故にブランクを振り抜く際のサポートが十分に得られず、精度・飛距離ともにあまりメリットがありません。

リアグリップが長ければ、その分ブランク長が削られ、よりアグレッシブでエモーショナルなロッドになります。
ブランクが短いということは飛距離も理論上落ちるはずですが、上記の逆の理由で、意外にも精度・飛距離ともにハンデが表れることは少ないです。









リアグリップの役割


KIMG1657.jpg

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肘でロッドをサポート、ということがイマイチわからない人は上の写真を見比べてください。


上のSHORE8-1/2は常に肘で支えられているので、ロッドの扱いが非常に楽です(ロッドアクションが楽、という意味ではない)。
よってリアグリップが長ければ、多少重たいロッドでも扱いやすいようになります。


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また、手持ちに疲れたならば、そのまま脇に挟めばいいだけなので長時間の釣行に向いています。
下のアーリープラスはそのサポートが無い代わりに、特に水平方向のロッドアクションが楽に出来るようになっています。











個人的経験則からすると、9.3以上のレングスのロッドで、グリップエンドを脇に挟めないようなロッドはかなり地雷臭がします。そのくらいの長さになると(手に持った時のホールド感とは別に)、長いブランクを振りぬくためのしっかりしたサポートが必要だからです。



やはり、ある程度の長さがあるブランクには、それ相応の、最低限の長さを持つリアグリップが必要。



しかし8.6以下のロッドについては、「好み」と「背後/頭上の取り回しの問題」。




というのが結論でしょうか。



このリアグリップの感覚は、絶対に、本当にゼッタイに、ロッド購入の際に実際に手にとって確かめるべき項目です。

仮に通販で買うにしても、店頭で現物を持って(振って)確かめてから選びましょう。



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Comment 1

2015.05.23
Sat
23:56

アルジェン人 #-

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No title

リアグリップの重要な要素に、リトリーブ時にはグリップエンドを体のどこかに密着させて保持し、ロッドティップのブレを抑えるという機能がありますね。
一般的には脇の下に挟む方が多いでしょうか。
これをやるかやらないかで結構ルアーの挙動が変わってしまうので初心者の方は覚えておいた方がいいと思います。
特にスローリトリーブでは釣果に直結しますね。

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