バラシ病と迷宮~剛か柔か~ - 初心者のためのシーバスロッド

バラシ病と迷宮~剛か柔か~

 13,2015 00:43
以前の記事、曲がらないロッドの悲哀でこのようなコメントを頂きました。

さて、曲がるロッドの件ですが、僕は年齢的に爺クラフトなので
北西スペシャルとモンスタージェッティーを時々使用しております。
友人との釣行は荒れたら、スズキ、べた凪なら真鯛に狙いを決めております。
真鯛はヒットしたら根にまっしぐら突進するので僕は、ロッドパワーで強引に
止めますが、かえって暴走したり根で切られたりして勝率は5割です。
かたや友人は、今の時代無いでしょう!てな感じのブヨンブヨンの古いザウルスの
ロッドを愛用してます。
ヒットした真鯛は、口の周りに何か異物が引っ掛かったような半信半疑のまま
ランディングされてます。
体力が消耗されてないので、水揚げされてからいつも猛烈に暴れます(笑)。
超軟派ロッドでドラッグもユルユルですが問題なく60アップをとってます。
パワーや反発力を売りにしているロッドは多いですが、それが全てでは
ないのですね。


これを読んで自分も「ああ、やっぱりか、そうか、うんうん」なんて意味不明なことを呟きながら、中間点ではありますが、結論に至りました。





正解は、ない。










ロッドに求める哲学は何か。

ロッドのスペック(高弾性カーボンが云々とかナントカガイドリングとフレームで云々)ではなく、ロッドがどのような思想の元に作られているか。


シーバスを探求していると、ある日を境に岐路に立つことがあります。

それは完全なる初心者レベルの卒業の証明でもあり、正解がない自分の道の始まりでもあります。

いや、こういう変に抽象化された話はやめましょう。
ちょっとポエムがかって恥ずかしいですねw










シーバス釣りを続けて、数年。あるいは数百匹。


ある日、ある場で、あるアングラーは自分の世界が如何に狭かったか気がつく出来事に遭遇します。


主に「オープンウォーター」・・・つまりは障害物らしきものが殆どない釣り場を廻っていたそのアングラー氏は、とある「本当に難易度の高い釣り場」で魚を逃しました。
そしてアングラー氏は、いまさっきがたの釣り方は誤りではなかったのだろうかと思い悩みます。
それまでは都市港湾や護岸河川の橋脚や岸下のオーバーハングを「ストラクチャー」「難易度が高いやり取り」と認識していましたが、それは誤りであったのです。
「本当の難易度の高いフィールド」とは、刹那の出来事に対して瞬間的な認識・判断・行動が要求され、それをすべて正解しないと魚が獲れない場所のことを指します。
魚を掛けてからの「フックアウトの要素を孕む刹那の出来事」の認識できなかった→アウト
認識しはしたが、どうすればいいか判断できなかったor間違った判断をした→アウト
正解と思われる判断をもとに行動したが、リーリングやロッド捌き等のテクニカルな理由で判断を形に実現できなかった→アウト
いままで「難しいとされる要素」だと思っていたものは、些細で問題にならないどうでもいいことであって、「本当に難易度の高いフィールド」に足を踏み入れて初めて、ロッドを含む「タックルバランス」と「普通にやっても獲れない魚にどう挑むか」について真剣な研究が始まるのでした。




もちろん、ここでいう「あるアングラー氏」とは自分のことです。



そして、冒頭のコメントとまったく同じような経験があります。
その「難易度の高いフィールド」で起きた時系列を書き起こすとこうなります。


① いままで通り”普通に”やりとりをしていたら、特に反応をするまでもなくラインを擦られて終わり
②-A 前回の反省から、ややドラグ硬めに設定し、少し強引に勝負を進めるもフックを曲げられて終わり
(ようやくフックサイズ・・・フックの強度の大切さに気がつく・・・強引な勝負をしたければフックがその強引さに耐え切ることが必要条件)
②-B 前回の反省から、ドラグを緩め、魚を”柔にいなす”発想で望んでみるも①とまるで同じ結果で終わり
③ 前回の反省から、フックとリーダーを強化して強引な方法にするも、逆に強引さがアダとなってバラシ連発・・・勝率4割程度のバラシ病に罹患
⑤ これはイカン、物事には何事にも適度というものがあるということで、”自然体”を心がけようととすると①とまるで同じ結果に
⑥ そんなフィールドで知った顔が8ft台Lのペラペラロッドにワンダー60の小さなフックで普通に70upをゲットするのを見て完全に見失う




もう、何がなんだかわかりませんよね?(苦笑)





実は今でも、足が完全に地についているとは言えません。

ただ、朧気ながらにも自分のシーバスに関するスタンスは


「タックルの強さや、やりとりの強引さが原因で、ある程度のバラシが発生するのは仕方がない」

「強引さで逃す有象無象を悔やむより、強引さが足りなかったために逃すビッグワンを悔やめ」


つまりは③という方向性を持ちつつあります。

これが正解かどうか自信はありませんし、数年後にはコロっと転向しているかもしれませんが、今はこういう考えです。
余談ですが、この③のスタイルを選ぶと次のループに陥る可能性があります(体験済み)

強引一辺倒ではイカン、「ストロングスタイル」そのものは崩さないが、TPOに合わせるフレキシブル化が必要ではないだろうかという考えが生まれるも、「フレキシブル」と書いて優柔不断と読む悲惨なスタイルに退化し、要するに、「強引さ」の良い面である「思い切りの良さ」が失われて①の状態・・・すごろくでいう「振り出しに戻る」状態に。



さて、話を戻します。



実は、①でも②-Bでも③でも、どのスタイルでも「結果論」にしか過ぎないんです。

例えば、そのような難しい場所で「本物の超大型」が掛かった場合、一番成功率が高いスタイルは③でしょう。
ただし、③はその性格からしてノーマルサイズを逃しやすく、それが理由で心が折れるとスタイルの維持継続が難しい。

例えば、サイズを選ばずに「ここで釣りをする」場合の「捕獲成功率」が高いのはユルユルな②-Bでしょう、ですがそのスタイルだと「人生に一回のサイズ」が掛かったときに高確率で泣く羽目になるはずです。
この違いは哲学です。上級者でも後者を選ぶ人はいるでしょう。

掛けた魚がどの程なのか瞬時に把握でき、「そのサイズに対して最善なやり取り」を選択したとしても、「その個体の取る行動(潜るか、跳ねるか、沖に行くか、流れ度に乗るか)」は想定不可能なファクターなので必然的に「その個体に対して取るべき最善手」はやり取りの進行中においては特定できません。
釣った、あるいは、逃したという結果事実が出てからその判断が正解であったか誤りであったかが決定されるのです。
故に、剛か柔か、どちらのスタイルが正解などという結論は存在しません。


尤も「どちらが正解か」ではなく、どちらがより普遍的(ユニバーサル)なスタイルかという観点からすると、柔のスタイルに軍配があがるでしょう。
柔のスタイルは十中八を獲れるでしょう。一方の剛のスタイルは十中せいぜい三、四です(その三、四の中に柔が獲れない価値ある一匹が入る可能性がありますが)。
この一連の経験があってから、「初心者に必要なロッドは何か」という問いに関しては②-B向けのロッドであるべきだと主張するようになりました。
初心者がどのようなフィールドで釣行をするにしても、確率論からすれば「もっとも楽しくもっとも捕獲率が高い」であろうロッドは食い込みがよく、バラシにくい柔のロッドです。
北斗の拳でいえばトキです。



toki.jpg




恐らくこの問題(大型を獲りたいがためにタックルも大型化して、いままで釣れていたサイズを逃してしまうようになるという弊害)はシーバスのみならず、あらゆるジャンルの釣り全てに共通するテーマでもあると思います。

これは個人的な意見ですが、一度この岐路に到達し、自分のステージに立つと「弱いタックルはスリリング」とか「より細いラインで獲れるのは技術がある証拠」とか、そういう観点が実にどうでもいいことだと思えるようになりました。
強いタックルには強いタックルを使うに相応しい確立された哲学があって継続することが出来るんですからね。
大切なのはどっちが自分に合うか、です。

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