「エントリーモデル」と「上位機種」 - 初心者のためのシーバスロッド

「エントリーモデル」と「上位機種」

 13,2015 18:15
ロッドのようなモノの性質を語る際は、どうしても抽象的な、「モヤモヤした感じ」が文体の表層に滲み出てしまい、書いていると(あるいは書き終わったあとに)「果たしてこんなもので第三者に伝わるのだろうか」という疑心暗鬼に囚われてしまいます。

ですので今回は少し形を変えて「別の例を引き合いに出した喩え話」で進めてみます。



テーマは



「エントリーモデル」




ようするに、ラテオとか、ディアルーナクラスのロッドの話です。






はじめに断っておきますが、自分の金銭感覚は狂っていません(多分)。

「エントリーモデル」といわれるラテオやディアルーナクラスの2万前後の価格というのは、大人でも馬鹿にならない「けっこうなお値段」だと、心の底から思います。
しかし、「けっこうなお値段」であると認識していながら、それでも、以前の記事「間違いだらけのシーバスロッド選び」では「初めての真面目な一本」にこのクラスを推奨しています。

シーバスというゲーム対象に真剣に臨む姿勢からすると、このクラスを買って決して後悔することはないだろうし、「大人の遊び」にはこれくらいのお金が必要だからです。

しかし上記とは別の理由から、これらの「エントリーモデル」を推奨する理由があります。




実は、何を隠そう、ラテオの上位機種であるモアザンAGSは必ずしもラテオより全ての面で優れいる「上位互換」ではないからです。




※注※
自分はダイワ・シマノでいえばダイワ贔屓なので「例」としてダイワを挙げることにしますが、別にダイワをシマノに、ラテオをディアルーナに入れて替えても同じことです。



ミドルレンジやハイエンドはどちらかというと「細分化」「専門化・特化」の役を担うための道具である感が強いのです。


そしてその性質が何かに特化されていることによって、実は初心者にとっては「扱いが難しい機種」となることも十分に考えられるということですね。


シーバスロッドのエントリーモデルは、「食事」で喩えるならばアペタイザー・オードブル=前菜であると言えるかもしれません。

前菜はその一皿(あるいは一鉢)で、その店がどんな店なのかまるで名刺のように客に伝える役があり、また、次の料理へのワクワク感を煽る存在でないと行けません。

その皿で完結していたらだめだし、かといって露骨に手を抜いてもだめ。
店の個性を伝えたいが、人によって好き嫌いがハッキリ出る性質のものはNG。

その意味でいうと、ラテオは間違いなく「良いエントリーモデルのロッド」です(もちろん「良いロッド」でもありますが・・・この2つには微妙な違いがあります)。

キャスティングの際のリリースポイントにシビアさが全然無く、超ユーザーフレンドリー。
感度は必要十分に備わっており、それでいて食い込みはバツグン。自重は軽くて取り回しが良い。
独特なコツが必要なわけでもない楽なフッキング動作をいれて、ロッドの”いなし”に委ねてラインのテンションを保ってさえいれば間違いない高いランディング成功率。


ダイワが思うシーバスロッドにあるべき要素が全て詰まっています。
(寿命を犠牲にしている、というダイワの弱点も詰まっているかもしれません)

ところが上位機種は必ずしもこれらを全て内包した上でラテオより更に上であるとは限らないんですね。

例えば、リリースポイントでいえば、ラテオのおおらかさが無かったりします。
例えば、魚を掛けた際のロッドの”いなし”はラテオほどオートマチックではなかったりします。

要するに、「ダイワの思うシーバスロッドの要素」の「何か」を特に追求した結果、エントリーモデルにあった「初心者のための要素」が副作用的に消えかかるワケです。




以前、ワインについてその道の玄人からこう聞いたことがあります。








1000円のワインと2000円のワイン、比べるなら2000円のワインのほうが良い物なのですか?










とワイン初心者に尋ねられて、



ご自分が好きなほうが良い物です










と答えたそうです。




理由は、このシーバスロッドにおけるエントリーモデルの話とまったく同じです。



勿論、1000円のワインより完全に上位互換のワインもあるでしょうが、「何かの要素を先鋭化した結果、1000円のワインにあったけれど2000円や3000円のランクになると弱くなってしまった」ということが当たり前のようにあるそうです。

もし、1000円のワインにはあったけれど2000円のワインでは消えてしまった要素が好きだったとしたら、その人にとっての「良いワイン」とは1000円のものでしょう。








お大尽様ならば、いきなり最上位のモアザンブランジーノを買うのもいいでしょう。

ですがやはり、「順当なステップアップ」という概念は、物事の理に適っています。

自分がシーバス釣りをする上で必要とする要素、自分がロッドに求める要素が輪郭としてハッキリするまでラテオやディアルーナで十分なんです。



極端に安いものを買って役に立たず失敗する。
極端に高いものを買ったがその性質が理解できない。


それよりは「これから始めれば失敗は少ないよ」と言われるものを買うのが多くの人にとってのベターな選択・・・・「中庸」の精神とはそういうものでしょう。

ロッド選びで一番失敗しないのはこの2万前後のエントリーモデルです。

エントリーモデルって実は値段が初心者にフレンドリーというより、性質そのものが初心者フレンドリーな可能性が高いんですね。
まっとうなメーカーのエントリーモデルであるならば。

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Comment 2

2015.10.22
Thu
20:09

カステラ #EYW6Ahq.

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同感です。

初めまして、コメントさせていただきます。
自分もヒラスズキ用ロッドでラテオを入門で購入し、数年後にハイエンドではありませんが、モアザンに変えました。
安すぎる入門タックルは購入し後悔、おっしゃる通りエントリークラスを購入。
その後さらに上位機種を購入というパターンを数度経験しております(泣)

ラテオは今でも健在で、控えとして眠っております。

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2015.10.24
Sat
14:08

ぼらお #-

URL

Re: 同感です。

> 初めまして、コメントさせていただきます。
> 自分もヒラスズキ用ロッドでラテオを入門で購入し、数年後にハイエンドではありませんが、モアザンに変えました。
> 安すぎる入門タックルは購入し後悔、おっしゃる通りエントリークラスを購入。
> その後さらに上位機種を購入というパターンを数度経験しております(泣)
>
> ラテオは今でも健在で、控えとして眠っております。

ラテオクラスは控えとしても十二分に機能するので、ステップアップしたとしてもあまり損にはなりませんよね。
安いのは壊れるか、完全に使わないかのどちらか(しかも再販価値など無に等しい)でリユース・リサイクルの手段がありません・・・w

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