ロウディー 130F - シーバスルアー:ミノー

ロウディー 130F

 23,2015 19:32
名称/通称:ロウディー 130F
メーカー:ジャンプライズ
カテゴリー:フローティングミノー
適性:
 サーフ    ◯
 干潟     ×
 河口     △
 河川     △
 磯      ◎
 都市港湾   ×
 地方漁港   ×

KIMG2229.jpg




評価



毀誉褒貶が激しいメーカーの毀誉褒貶が激しいルアー。
これほど「ステマ」(ステマというより洗脳商法)を蔓延らせて世を席巻したルアーも無かった。

「このルアーじゃないとダメ」

「このルアーだから釣れた」

「このルアーで釣れた◯◯up」

この煽りようはあからさますぎて「ステマ」の域を越えていたけれど、多くのウブなシーバスアングラーはそれにハマった。
扇動することによって利益を受ける層(販売元・製造元・卸売問屋・小売・テスター)のみならず、驚くべきことにただの一般人がブームに乗って「俺はロウディーで美味しい思いをしている」というアピールを競うようにした。
ただそれだけではなく

「超人気で品切れ在庫なし」

「値引きなしの定価売り」

こういう強気な(なんということはない、ただの古典的なプレミアム商法)販売方法がユーザーへの不安感を煽って相乗効果となった。

その一方で、一連の流れを嫌ってこのルアーとメーカーを冷たい目で見る「アンチ層」を作ることになった。



飛距離 ★★★☆
飛行姿勢 ★★★
キャスタビリティー ★★★
太く、重心が揺れる。
風に弱い。



アクション ★★★★
このルアーを知るには、開発者を知らねばいけないと思う。
開発者でありジャンプライズの社長でもある井上友樹氏は、大学時代からプロアングラーになることを目指して精力的に活動していたとか。
そしてアイマのテスターとして経験を積み、レクシータなどのロッドを手がけつつやがて独立するわけですが・・・氏の釣りは外房の浜と磯にあって、その基本ルアーはサスケ裂波にあったようです。
ここに、このルアーの悲劇がある。
外海の冒険的な釣り。
磯ヒラ・磯マル・サーフシーバスにサーフヒラメに青物。
シーバスマーケットの全体のパイを10としたら、そのスタイルのターゲット層は割合的には小さい・・・・精々、2か3。
本来ならば、大多数の都市部のシーバスアングラーはこの磯ルアーを必要としていなかったはずだ。
氏には手本となる先行者、その道の先輩ともいうべき人が、二名いる。
一人はタックルハウスの二宮氏。
もう一人はFCLLABOの津留崎氏。
どちらとも単純な「シーバス」からはじまって、「外海でのシーバス」に傾倒し、やがてシーバスから少しずつ離れて「外海でのルアーフィッシング全般」にベクトルが変遷していったルアーデザイナーだ。
ロウディーの場合、二宮氏がよく開発中のルアーをアングラーに配布するように、ロウディーを一定以上のレベルのアングラー達に配布した。
するとそこで劇的な化学反応が起きた。
世の中には想像より多くの「製造者側になりたいワナビーなユーザー」がいて、彼らにルアーを配るとネット上で勝手に宣伝してくれるという画期的な現象が起きたのだ。
おそらく、彼らからすると(二宮氏や津留崎氏とは違って雲の上の存在ではなく)若い井上氏は「自分たちに近い存在」だったのだろう。
ロウディーは「ユーザー参加型」のルアーともいうべき存在になった。
そういう意味では氏とロウディーはネット時代の申し子だとも言える(ブログ等のSNSがなければどれだけ多くのルアーを配っても大した宣伝にはならない)。
ただし、その際に記述されるロウディーの性質は皆無に近く、ただひたすら「釣れる」「これじゃないとダメ」「やっぱりロウディー」と写真つきで煽るだけ。
買う側にとっては余計に謎のルアーとなり「知るために買わざるを得ない」状態になってしまった訳です。
そして実際に買ってロウディーでシーバスを釣った人もその流れに乗って「やっぱりロウディー」なんて記事をUPするわけですから、もうね(苦笑)


値段 ★
高い


ユーティリティ ★★★
このルアーの「アイデア」はどこからやってきたのか。
ファットなボディにフローティングミノーとしては結構潜ってレンジキープが得意な泳ぎ。
アイマのテスターだった井上氏は裂波120/140を補完できるルアーを以前から着想しており、独立時の作品一号としてそれを形にしたのだと思う。
このルアーは磯で使うと、よりハッキリ明確に使い手にその本質を教えてくれる。
高い足場でも足元までキッチリ巻ける。
非常にゆっくりしたリトリーブでラパラCD7/9ライクなプリプリしたウォブリングがよく出る。
通常のリトリーブだと重心ウェイトがランダムに動きまわり姿勢をオートマチックに崩して食わせの間を演出する。
ラトル音によるアピールも考えられている。
高い足場から使うとしたら、レンジキープ力があることから、ティップの位置を適当に操ってあげるとサブサーフェス層まで上げて使うこと可能となっている。

このルアーはあまり飛ばない。
このルアーは結構潜る。

なので、本当はサーフがあまり得意ではない。
ただし、サーフで使った場合は裂波よりボトムに近いレンジを往くので、ヒラメによりアピールするのではないかという話は、確かにロジカルである。
正直、このルアーを川や港湾で使うシチュエーションが殆ど想像できない。
水深がある川ならば役目が回ってくる可能性もあるが、「ロウディーじゃないとダメ」という図は成り立たないと思う。
開発者が「どんな場所でもこれ1本、飛距離もバッチリな最強ルアー!」と言っているならば話は別だが、このルアーは磯用だし、飛ばないし、潜るよ、と全部正直に言っているのは(煽りは別として)好感を持てる。
最高・最強と煽りまくって意味不明な万能感を勝手に作ったのは「ワナビーなユーザー」だ。
結論としてはロウディーは決して悪いルアーではない。

KIMG2230.jpg


総評 ★★★☆
グーグルで「ロウディー 130F」で検索してみる。
ついでに、検索条件を一年以内にしてみる。
するとこのルアーの現状がハッキリする。
ルアーの人気というのは一般人の釣行ブログへの登場回数と完全に比例していると思う。
それから算出してみると、もう殆どの人が使っていない。
「殆ど」というのは当然で、前述の通り、もともとロウディーのようなルアーを必要としている「外海の冒険的な釣りをするアングラー」というのは全シーバスフィッシングに対して2~3割程度だからだ。
彼らの使用ルアーはK-TENのK2Fであったり、アイマの裂波であったりして、そうおいそれと牙城を崩せるものではない。
そう考えると、このルアーは一時的とはいえかなり良いところまで迫ったルアーだった。
勢いがなぜ続かなかったといえば、港湾や河川をホームとするウブな暗愚ラーに2年も3年も高いロウディーを買わせ続けるのはハードルが高すぎるから。
ロウディーはレンジバイブやローリングベイトや裂波やコモモのような、定番カラーに加えて毎年カラーを変えたものを出しさえすれば売れ続ける「超ロングセラーの売れっ子」にはなれなかった。

使い方を知っていれば良いルアーなのに、その「寿命」をワナビーに短くされた不憫なルアーとも言える。
・・・否、もしルアーの「寿命」が「売上高」だとすると、このルアーは十分に元手を回収しているであろうから、太く短いけれども「適切な寿命」だったのかもしれない。

「シーバスルアー史に残る傑作ではないが、その特定用途においては優良なルアー」くらいが妥当な評価か。





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Comment 11

2015.10.23
Fri
21:00

ジガ- #-

URL

ロウディー 130F

ロウディー 130F 一時的なものなんですよね 結局

実際これじゃなくてヒラスズキは十分釣れますし、第一に高いのでルア-破損率

が高いヒラ釣りでこんなの使えないです(^。^)y-.。o○

それに引き換え昔のduelはよかったですね- 何よりルア-が安くて

ヒラ向きのルア-(テスタ-がt﨑氏のおかげ)が多くて、 

今でもdb125とかSb125(廃盤(´;ω;`))現役ですからね

今はだいぶ価格も上がってますが(T_T)

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2015.10.24
Sat
00:43

 #-

URL

No title

似た性質のルアーに津留崎氏が作った、エバーグリーンのトゥルーラウンド115Fというミノーがあります。
超スローでユラユラ泳ぎ、鬼巻きしても暴れず、フックチューンも2ランク以上上げてもフローティングを保つ万能性があります。
自分の中では、こいつは磯ヒラ・マルにおいて最強だと思います。
もし機会があれば是非使ってみてください。

編集 | 返信 | 
2015.10.24
Sat
01:45

ワゴンセール #JalddpaA

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ロウディーは、持って無いんですよね。潜り過ぎてしまうから。
人柱ありがとうございます(^人^)

代わりに、同社のサーフェスウイングなら、ヤフオクで安くゲットしました。
購入理由は、裂波の代用となる2フックルアーになるかもって言う単純な理由です。昨年は、シーズン終盤の購入で結果が出なかったから、今年こそ頑張ってもらう所存です。

おおっと、トゥルーラウンドのファンの方がいる^ ^
私も、トゥルーラウンド大好きですよ。マグネットが強くて、常にフルキャストを要求されますが、カチーンって音で気持ち良くキャストできますしね。

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2015.10.24
Sat
11:26

エイジ #-

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「画期的な!」とか「かつてない!」とかの言葉でさんざん煽られてたのでぶっ飛び君を購入してみたらシンペンだった、という…(笑)
あと、このメーカーの関係者の人達の手持ち写真の写し方が嫌です。
人間の上半身が隠れるぐらいの超ランカーサイズばかりに見えますが。
指導とかされてるんでしょうか?

編集 | 返信 | 
2015.10.24
Sat
14:19

ぼらお #-

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Re: No title

> このルアーのことを知りたかった自分にはありがたい内容でした‼︎

以前、コメントを頂いたのがこの記事を書いた動機です。
これくらい筆が滑ると、書く側としても楽しいですね。
ありがとうございました。

編集 | 返信 | 
2015.10.24
Sat
14:21

ぼらお #-

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Re: No title

> 多分、磯で荒れている時に、引き波で海面が下がっていく状況で普通のミノーでは
> 泳ぎが破たんする所を粘らせる為のミノーじゃないですかね~
> ファットでハイフロートなボディーに深い潜航レンジはその為じゃないかとおもいます
> 多分、飛距離を出すためのミノーじゃなく、接近戦のミノーだと思います

鋭い考察、さすがですね。
その「引き波」のシチュエーションはまさにその通り、開発者が特に意図した出来栄えだと思います。

編集 | 返信 | 
2015.10.24
Sat
14:23

ぼらお #-

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Re: ロウディー 130F

> ロウディー 130F 一時的なものなんですよね 結局
>
> 実際これじゃなくてヒラスズキは十分釣れますし、第一に高いのでルア-破損率
>
> が高いヒラ釣りでこんなの使えないです(^。^)y-.。o○
>
> それに引き換え昔のduelはよかったですね- 何よりルア-が安くて
>
> ヒラ向きのルア-(テスタ-がt﨑氏のおかげ)が多くて、 
>
> 今でもdb125とかSb125(廃盤(´;ω;`))現役ですからね
>
> 今はだいぶ価格も上がってますが(T_T)

ミニコラム型の記事にさせてください。

編集 | 返信 | 
2015.10.24
Sat
14:24

ぼらお #-

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Re: No title

トルゥーラウンド、以前に誰かに煽られて買いました・・・このルアーが生きるような釣りをしたいです・・・

編集 | 返信 | 
2015.10.24
Sat
14:28

ぼらお #-

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Re: タイトルなし

> 「画期的な!」とか「かつてない!」とかの言葉でさんざん煽られてたのでぶっ飛び君を購入してみたらシンペンだった、という…(笑)
> あと、このメーカーの関係者の人達の手持ち写真の写し方が嫌です。
> 人間の上半身が隠れるぐらいの超ランカーサイズばかりに見えますが。
> 指導とかされてるんでしょうか?

写真は品性を感じさせませんね(苦笑)

イナバウアー的な上半身のけぞり+腕付きだし

これでどんなフッコも超ランカーに出来上がり・・・w


魚を置いて撮る場合は、魚眼レンズで頭側の斜めから撮るとデカくみえるそうですが、イマドキのシーバスアングラーは釣ってからも必要なスキルが多く存在して大変ですね。

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2015.11.02
Mon
21:17

MOSS77 #-

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No title

おっしゃる通り!読んでてスッキリしました(笑)思っててもなかなか書き起こせません。ここまで書けるのはさすがです(^^)

当時、行けば爆釣してた某離島で「このルアーだから釣れた」というコメントにかなりうんざりして、妙にこのメーカーが嫌いになりましたよ(笑)確かにぼったくり感は強いメーカーだと思われがちですが、個人的にはこのメーカーのルアーは妙に他メーカーにない量産ではない路線が見えなくはないです。なんだかんだ言って砂ヒラ狙いにはドリフトペンシルに勝るシンペンは無いと使ってますから(笑)ルアーにしろロッドにしろ、試作品がかなり多そうなので、その分のコストは掛かってるかな・・・。

また的確ツッコミ記事を期待してます(笑)


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2015.11.06
Fri
11:42

ぼらお #-

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Re: No title

> おっしゃる通り!読んでてスッキリしました(笑)思っててもなかなか書き起こせません。ここまで書けるのはさすがです(^^)
>
> 当時、行けば爆釣してた某離島で「このルアーだから釣れた」というコメントにかなりうんざりして、妙にこのメーカーが嫌いになりましたよ(笑)確かにぼったくり感は強いメーカーだと思われがちですが、個人的にはこのメーカーのルアーは妙に他メーカーにない量産ではない路線が見えなくはないです。なんだかんだ言って砂ヒラ狙いにはドリフトペンシルに勝るシンペンは無いと使ってますから(笑)ルアーにしろロッドにしろ、試作品がかなり多そうなので、その分のコストは掛かってるかな・・・。
>
> また的確ツッコミ記事を期待してます(笑)


MOSSさんくらいのお方に褒められると嬉しいですw
ありがとうございますw
このルアーのもう一つの悲劇はサーフのヒラメに効くと宣伝しすぎたことでしたね。
磯ヒラに関係ない人も、サーフヒラメのルアーで「釣れる釣れる」と言われると気になるに決まってるw
で、ロウディーを手に入れていざサーフでキャストすると・・・なんじゃこりゃ!?の飛距離とレンジ(遠浅サーフの人だと騙された感がいっぱいw)を目の当たりにする、と・・・




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