オーパ、オーパ!!〈モンゴル・中国篇・スリランカ篇〉 - 読書

オーパ、オーパ!!〈モンゴル・中国篇・スリランカ篇〉

 09,2016 10:48
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この本を簡潔に説明すると・・・



「巨匠の黄昏」


「間延びしてまとまりに欠ける内容」


こうなります。


釣りに対する欲望・新鮮な感動が失せた「老人」の姿がそこにあるような気がします。

ただし、純粋な釣行記ではなく(事実、釣行記というより釣りを通じて行う異国文化交流記に近い)「暇潰しの読み物」としては十分読ませる内容を保ってますね。



釣りの内容が乏しいのはこの本の発行年が開高健の死去と同じ1989年だという事実にヒントがあると思います。

ガンを患っていた開高は入退院をくりかえしており、執筆どころではなかったはず。

編集の際に本人も不本意だったであろう「かさ増し」があったのではないかなぁ~と疑っています。

現に何の脈略もなく挿入されている「国内バス 池原ダム編」と「国内バス 琵琶湖編」はそのスケール感が小さすぎて明らかに連載エッセイなんかに向けて書かれている文章だし、スリランカ編に至っては完全に「オーパ!」シリーズとは無縁の内容。



・モンゴル イトウ(タイメン)編
若い頃北海道で釣って以来のイトウをモンゴルで狙う

・中国(ウイグル) 秘境湖編
ヨーズリ釣漁具(現DUEL)と人民解放軍の協力の元、秘境中の秘境にある湖で超大型怪魚を狙う

・国内バス 池原ダム編
大型バス狙いで当たった試しがないので大型を狙うが・・・

・国内バス 琵琶湖編
大型バス狙いで当たった試しがないので大型を狙うがまたしても・・・

・スリランカ旅行記(釣りなし)
宝石とかお茶の葉とか


モンゴル編と秘境湖編は動画で見ることができます。

自分から言わせると、これが本書があまり「面白くない」最大の理由じゃないですかね。

大勢のスタッフをゾロゾロ引き連れ歩いて面白い釣りができるわけない。

テレビの企画で全てお膳立てされた「冒険」に面白可笑しく書けるような体験があるわけがない。

日本のルアーフィッシングのパイオニアとして未開の地に少数で乗り込んでいった開高の釣りはそこになく、「要介護のセンセイ」となってしまった老人の姿が見え隠れするのがチクチクと痛むわけです・・・読んでいると。

因みにですが、モンゴルの動画ではなぜかキャストにアニメチックで変な効果音がついており、ちょっとだけ笑わせてくれる仕様になっています(苦笑)

使っているタックルはフェンウィックのサーモンロッドにアンバサダーの8000番

この時代はまだフィッシュグリップなる便利なアイテムがなかったようで、ちょっとした取り込みでも難儀しているのが確認できます。










モンゴルのタイメンフィッシングは海外釣り遠征の一ジャンルとして定着しているようなので、よかったらおひとつ如何ですか・・・?



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Comment 2

2016.08.09
Tue
21:37

GOD #-

URL

なし

次回は釣り人のマナーに
ついて 取り上げて いただけないでしょうか。

編集 | 返信 | 
2016.08.09
Tue
23:22

しかちゃん #-

URL

晩年は急ぎすぎたよ開高さん。

開高さんが、自分の死期を知っていたのか知らなかったのか、

悠々として急げ!この意味が何十年も分からなかった自分には知る由も無い。

今になって理解できることは、「人生と言うものはそんなに長いものではないんだ」

間違っているかもしれないが、そう言っているように思える。

ベトナムでの体験からか、文章を書くように語る開高さんらしい言葉。

彼は釣りを楽しんだのではなく、自身の人生の脚本家であり、

監督だったのではないでしょうか。

好きな釣りが舞台の大道具だった。

実際のところは分かりません。

自分の想像の範囲です。

駄文にて失礼いたしました。

編集 | 返信 | 

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