初心者のためのフック講座~案内編~ - 初心者のためのフック講座

初心者のためのフック講座~案内編~

 08,2016 11:45
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ある日、博多湾奥某所でで釣りをしていると、若いお兄さんから声をかけられました。



「こんばんは」


こんばんは


「何狙いですか?」


スズキです


「ここで釣れますか?」


つれます


「いま仕事で○○から福岡に来ているのですが自分でもつれますか?」


運がよければ釣れるでしょう


「自分の持っているルアーの中ではどのルアーを使うといいですか?」


・・・・・・




フックの重要性・・・雑誌やネット上から得た知識としてだけでなく、己の経験からその意味を理解している初心者の方はそうそう居るものではないと思います。

もしシーバスにおけるフックの大切さを真から理解している「初心者」がいるとしたら、それは他のジャンルの釣りでなかなかの経験がある人のことでしょう。


まず、一般論として釣り道具は魚に近いほうから大切だという格言に近い言い回しが存在します。

ルアーフィッシングの場合、魚から近い側からみて


・フック(ルアー)

・ライン(スナップやスプリットリング含む)

・ロッド

・リール



という順になります。


タックルというものは突き詰めていくと自分に合うバランスをトータルに仕上げていくものなので、フックとラインがよければ魚から遠いリールはどうでもいいとか、そういうのは極論にすぎません。
魚のサイズが大きくなればなるほどリールについて「どうでもいい」なんてことは口が裂けても言えなくなりますし、繊細な釣りをしている人はリールの感度というものを非常に大切にしています。
また、初心者の間はライントラブルを減らすためにも、仮にトラブルがあったとしてその原因究明の幅を狭めるためにも、中級機以上の使用が好ましいとされます。


まあ、その議論は一度傍へおいておくとして、なぜフックが一番大切かというと、まず最初にフックが魚に刺さらなければフックより上のタックルは魚を引き上げるという動作においてまるで意味を成さない、ということが明らかだからです。

さらに、魚が振るう暴力に一番最初に曝されるのがフックですから、フックに十分な強度が備わっていなければフックから上のタックルは魚を引き上げるという動作においてまるで意味を成さないということも常識的に考えて導き出されます。



つまりフックは

1.刺さりがいいこと

2.十分に強いこと

この2つが根本的機能として求められることになります。

さらにシーバスは主に海水~汽水域の釣りなので1と2を守るための

3.防錆性・・・つまりは性能の持続性

が必要です

また、ルアーフィッシングにおけるフックとは水中でフックのみ単独で存在しているわけではなく、当然ルアーに装着されているものなので、その大きさや重量が装着されるルアーに適合するものでないといけません。
ということで

4.適切なサイズ感

も必要になります。

こういう話を「初心者のためのフック講座」で進めていこうと思いますが、特に初心者の方に憶えておいてもらいたいのは1と2の重要性です。


世の中には奇特な人がいて


「フックはさほど重要ではない」


とか


「フックをあえて弱くしたからメリットが云々」


など、到底一般論としては通用しないことを当然のことのように喋る人がいますが、初心者の間はそういう「特殊(もしくは無知)」な話を真に受けると痛い目にあいます。



フックは重要です

適当なフックでも十分刺さるとか

フックが弱いからこそいいとか

そんなことは99.99%ありません




記事冒頭の若いお兄さんとの話で何故自分が絶句したかというと、せっかく揃えたメジャーなルアー(裂波・コモモ・SLS・サイレントアサシン・レンジバイブ・・・・)が全て錆びついており、購入以来一度も替えたことがないことは明らかだったからです。
仮にアタリがあったとしても、引ったくり強バイトでないと厳しいだろうなと思いました。
いや、そういうバイトで奇跡的にフッキングしたとしても、その腐食具合からして・・・
・・・そこで「ルアーはいいけどフックがダメです」と言ってたとして、それをわかってもらえるかどうか・・・



そういうフックだとまったく釣れない、とはいいませんが、ルアーフィッシングというものは釣れる確率を人為的に上げていく釣りですから、いいロッドにいいリールを持って、悪くない場所でそこそこ釣れるという評判のルアーを使っているのに、最後の最後にたった1g未満、単価にして100円前後のパーツ・・・しかし一番大事なパーツを無残なカタチにしたまま放置するのは愚の骨頂というかルアーフィッシングの本質と矛盾しているというか・・・・なにより勿体無いと思いませんか?


シーバスはその体に似合わず捕食が繊細な魚です。

よくシーバスは「捕食が下手」と表現されますが、個人的には「繊細」だと思います。

能動的に小魚を追い詰めて喰らいつく、という人間が考えるフィッシュイーターのステレオタイプの捕食パターンもしないことはないですが、どちらかといえば

A:流れやストラクチャーを利用して向こうからやってくるベイトを吸うようにして飲み込む
B:近くのベイトを観察して自分の射程圏内に入った時だけ食らいつくが失敗しても執着せず次の機会を探すか別のベイトを待つ

こういう受動的な捕食行動をしていることが多いです。

ヒラメのようにとりあえず強く噛みつくような魚ならば多少フックポイントが鈍っていようが肉を貫通するでしょうけれど、シーバスのように吸い込みバイトが多かったり、そもそも1匹のベイトに対する執着が少なかったり(追うより次を待つほうが効率がいい)すると、まず第一に口腔内外にルアーが接触したとしてもフックが何処にも刺さらないまま、違和感を感じたシーバスに吐き出されることが多いということです。


ちなみにフックが十分に尖っているかいないかの判別で、フックポイントを自分の手の爪に直角に軽くあてながら引いてみてその結果が
・フックポイントが爪に刺さって動かない=超尖ってる合格
・フックポイントが爪に傷(抵抗)をつけて動く=十分尖ってる合格
・フックポイントがそのままツーっと動く=鈍い失格
こういうメジャーな方法がありますが、これは爪を魚の口腔だと模してやるもので、爪に傷一つつけずにツーっと動くなら仮にバイトされたとしてもフッキング動作を入れるまえに吐き出されてしまうだろうという理屈です。
実際、魚の口の中というものは意外と硬いもので、ヒトの爪にさえ引っ掛からないフックは魚の異物吐き出し行動でも同じように引っ掛からずに吐き出されるであろうという考えは理に適っていますし、自分の経験上、このテストはフックのシャープネスを図るメソッドとして非常に有効です




思うに、シーバスがこれほどルアーフィッシングの対象魚として愛されているのは、そのバイトの繊細さと取り込みの難しさに釣りの奥深さが潜んでいるからでしょう。

こういう魚を相手にしているわけですから、アングラーは繊細なバイトが特に多いと言われる時期にはソリッドティップを含めた柔らかなロッドで武装したり、さらには常にシャープなフックを用意して少しでもフィッシュオンの確率をあげようとするわけです。

一度ルアーにガッチリフッキングしたシーバスが途中で逃げてしまう・・・いわゆる「バラしてしまう」のは、アングラー側のミスでないとしたら強すぎるロッドのせい、そうでなかったらで伸ばされたフックのせいです。

バイトはあったけれど、完全なフッキングに至らないままシーバスが外れてしまう・・・いわゆる「弾いてしまう」のは、ロッドのティップが硬すぎるのでなければフックのせいです。
最近のシーバスロッドは良くできているので、よほど場違いなロッドを使っている場合を除き、事実上フックのせいでしょう。




何度もいいますが・・・



フックは超重要です。



その刺さりと、その強度が。




決して過小評価しないでください。




そういうわけで、初心者のみなさんには残念なお知らせです。


餌と違ってルアーは一度買ってしまったらあとの出費はゼロだと思われがちですが、実際には必要です。


しかも淡水と違って、海水のルアーフィッシングは「腐食」という避けられない問題があり、フックの消費速度が淡水とは比べ物にならないほど早いです。


釣行後の洗浄やフックシャープナーの使用などのメンテナンスによっては寿命を伸ばせますが、ハードなボトムに擦っては鈍り、魚に掛かっては曲がり伸ばされ、結局は消耗品としての運命からは逃れられません。


だからこそ、フックをどう考えるかで釣果に差がつきます。


フックに対してどういう準備(購入予算なりメンテ時間なり)をしているかで釣りの楽しさが違ってきます。
(もし仮に絶対に曲がらない・伸びない・錆ないというような新元素「ガマカチウム」なる物質でできているフックがあるとしたら、人と人の間でフック格差は発生せず、フックが原因の釣果差というのは起こりにくい)


たかがフック、されどフック。


フックの重要性に関しては最初は「抽象的な理論・概念」として理解してもらうだけでOKですが、できればフックを甘くてみて悔しい思いをする前に真の理解・・・つまりは実践論としてのフックの理解に辿り着いてもらいたいものです。


このカテゴリーでは実際に体験した自分のフックに関するストーリーなどを交えて、初心者にフックの重要性を理解してもらえるようなものにしていきたいと思います。
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Comment 8

2016.09.08
Thu
16:20

まっつー #-

URL

ウチの会社の後輩でバス釣ってるコが居ますがラインとかには気を遣うクセにフックはぞんざいという有様、バスに限らずフックの重要性ってイマイチ浸透してないですよね。
特に研ぐという行為に関しては「研いでも意味が無い」と思っている層がかなり居ることを知って衝撃を受けました。
その理由というのが「科学研磨で磨いてるフックが鈍ってきたからといって研いでも鋭さは戻らない」という記事を鵜呑みにしてるんだそうです。
確かに「新品同様の鋭さには戻らない」かもしれませんが、だったら何故研ぐ人が居るのか?研ぐ道具が出回ってるのか?実際研いでみたことがないのに理屈だけで完結しちゃってるんでしょうね。
まぁ少し鈍くなったら毎回交換できるお金があれば交換すればいいんでしょうけど、そんなお金が無いボクは研ぎづらい#10や#8を必死に研いでますw

編集 | 返信 | 
2016.09.08
Thu
17:52

汐音 #-

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でもお高いんですよね・・・・
安いフックを頻繁に変えるようにしています。

編集 | 返信 | 
2016.09.08
Thu
18:14

ワゴンセール #JalddpaA

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フックが高いから、サスケ烈波以外の3フックのミノーは使ってません。(ちなみにサスケは、単なる御守りで出番なしw)

そうそう、ぼらおさん、夏場にシングルフック試してましたけど、どうでした?
フッキングとか、バラしにくさとか、コストとか?

編集 | 返信 | 
2016.09.08
Thu
18:31

 #-

URL

70前後のシーバスを何本も掛ければ、フックの重要性がわかりますね。
後は潮が澄んでいるときのデイなど、バイトが浅い状況下
フックの重要性を知らない人は、そう言った状況を経験したことがないのかな?

編集 | 返信 | 
2016.09.10
Sat
05:02

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> 70前後のシーバスを何本も掛ければ、フックの重要性がわかりますね。
> 後は潮が澄んでいるときのデイなど、バイトが浅い状況下
> フックの重要性を知らない人は、そう言った状況を経験したことがないのかな?

一番トンチンカンなのは

「弱いから根掛かり回収を出来た」

「弱くてもちゃんとフッキングして根本まで刺せばそうそう伸ばされるものではない」

この二つの論ですね・・・

特に後者に関しては、なんというか、もう、突っ込みどころ満載で・・・・まぁシリーズで扱っていくと思います(笑)

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2016.09.10
Sat
05:07

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> フックが高いから、サスケ烈波以外の3フックのミノーは使ってません。(ちなみにサスケは、単なる御守りで出番なしw)
>
> そうそう、ぼらおさん、夏場にシングルフック試してましたけど、どうでした?
> フッキングとか、バラしにくさとか、コストとか?


フッキングしたあとはトレブルと変わらないというか、バラシにくさでいえば上かもしれませんが、如何せん、当のフッキング自体がトレブルよりかなり劣りますね。

シングルだと貫通しやすいだの云々以前に、バイトがあっても引っ掛かってくれないことが多かった印象があります。

秋の荒食い時ならこれはもうすこしマシになるかもしれませんが・・・



それに加えて正規トレブル使用時との重量調整が面倒で、釣れないときはどうしても「重量があってないからアクションが変わってしまったんじゃないか」なんてことが頭の中を過ぎったりして、メンタル面でもデメリットがありますw


まだテスト中ですが、・・・とある「裏ワザ」でお高いトレブルと決別できそうになってきたので、無理にシングル化を推し進めなくてもいいや!という変な結論になりましたww

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2016.09.10
Sat
05:09

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> でもお高いんですよね・・・・
> 安いフックを頻繁に変えるようにしています。

それも賢い方法の一つですよね。

磯で使うルアーはどんなフックを使っていてもぶつけたらフックポイントが鈍りますから、がまかつトレブルSPみたいな高価なフックを使ってもあまり意味なかったり・・・

そういうフックの選び方も取り上げていきたいと思います。

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2016.09.10
Sat
05:29

ぼらお #-

URL

Re: タイトルなし

> ウチの会社の後輩でバス釣ってるコが居ますがラインとかには気を遣うクセにフックはぞんざいという有様、バスに限らずフックの重要性ってイマイチ浸透してないですよね。
> 特に研ぐという行為に関しては「研いでも意味が無い」と思っている層がかなり居ることを知って衝撃を受けました。
> その理由というのが「科学研磨で磨いてるフックが鈍ってきたからといって研いでも鋭さは戻らない」という記事を鵜呑みにしてるんだそうです。
> 確かに「新品同様の鋭さには戻らない」かもしれませんが、だったら何故研ぐ人が居るのか?研ぐ道具が出回ってるのか?実際研いでみたことがないのに理屈だけで完結しちゃってるんでしょうね。
> まぁ少し鈍くなったら毎回交換できるお金があれば交換すればいいんでしょうけど、そんなお金が無いボクは研ぎづらい#10や#8を必死に研いでますw

10や8は厳しいっすねw

6くらいからが無理なく研げるサイズですね。

・・・化学研磨もなにも、物理的に尖っていれば魚の口を貫通するわけで、その人はメーカー側の言い分を鵜呑みしてしまってまんまと罠にハマっていますねw

「フックを研ぐ」にも焦点をあてた記事を書こうと思ってます。

編集 | 返信 | 

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