ヒラ狂い

最初の磯から引き上げてから、車中で考えます。
風向が多少変わったけれど、予報のように大きく変わることはなかった。
もしかたら最初の磯に入っていった餌師達も風向が途中で変わるであろうから、最初は我慢するつもりだったのかもしれない・・・
ところが・・・
日が昇ってしばらくした今でも、多少おさまりつつあるが風とウネリがサラシを作り続けており、ヒラスズキ狙いは継続できる。
青物狙いはというと・・・風はまぁいいとしても、ウネリが高すぎて前に出れずプラグ操作が出来ないので厳しい。
じゃあ・・・
ヒラスズキ狙い一択でしょ!!
現実から逃避するために磯に来たのに10700円払ってイサキを1匹は夢がないですよね・・・
ご飯を調達して、ちょっと休憩して、再び別の磯へ降下します。
んまぁー、まだまだ経験が浅いヒラスズキ釣りにおいては、こういう「サラシはあれどヒラスズキはおらず」というシチュエーションに挑むのは価値があると思いますし、マルスズキ釣りで身につけた「居るはずなのに釣れない・・・そういう状況を打開する思考・方法」がヒラスズキに応用できるかどうか試してみたいからです。
釣れると言われている条件・状況がある
↓
ところが釣れない現実がある
↓
その現象に対して正しい観測を行い、仮説を立てる
↓
仮説に基づいた対処法の実験を行う
↓
実験の結果を正しく分析し、記録する
↓
正しい観察・仮説・実験を経て得た結論は再現性があるはず
こういうアカデミックな釣りは好きです。
ヒラスズキでそれをやれるなんて、悪くないじゃないですか・・・?
釣れなかった理由、盛大なるサラシに対してバイトは1回という理由は、薄々察しておりました。
単純にして明快・・・
『ベイトが居ない・極端に少ない』
からでしょう。
つまり、ベイトを求めてどっかに行っているヒラスズキが大多数で、残っている少数のヒラスズキは競合相手が居ないのでヒラスズキからみて最高に居心地がいい(つまり捕食活動上もっとも都合がよい)のポイントのみに存在するはずです。
こういう状況においてはヒラスズキは「サラシの下ならなんでもいい」という行動はとらず、サラシの中でも極端にシビアな場所に着くのであろうと推測しました。
サラシは広い、でも狙いは超ピンポイント。
サラシは広いが魚影は薄く、絶好のサラシの中の超ピンポイントに1匹。
さきほどの磯では何故1バラシだけで全然釣れなかったか?
それはキワに出られずに後ろからへっぴり腰でサラシをアバウトに通していたからではないかと。
この状況で釣るにはキワをもっとタイトに超ピンポイントに攻める必要があります。
これが大前提です。
そういう釣りが出来る・・・ウネリ加減や風向きが釣り人にとって都合がいい、もうすこし前に出ても大丈夫な磯に入ることが小前提となります。
そして、そういう場所に居るヤツらは
A) 最高の場所にいるから横着な食い方しかしない
B) ベイトが極少数であるから果敢に食ってくる
ルアーに対して二通りの反応を示す可能性があります。
AとBどちらが嬉しいかといえば勿論Bですが、備えなければならないのがA・・・我々釣り人はこの世でもっとも悲観的な考え方をする悲観主義者でなければならないのです。
そしてそのどちらにせよチャンスの数は極めて限られているはずですから、貴重なバイトを逃さないような編成で挑むべきではないかというのが、車内でご飯をもぐもぐ食べながら考えたことの結論。
あ、でも、ぼくちんはヒラスズキに関してはド素人も同然なので真に受けないでくださいね!
1匹のバラシから得た情報でイロイロと考えたのはマルスズキの経験の応用・延長をしてみただけです。
さて・・・
使用ロッドをそんじょそこらの青物でもOKなSHORE11から、より純粋なヒラスズキロッドに近い旧オシアARC1006に。
これでノリが多少良くなって、さらにバラシ率が軽減されるはず。
キャストの飛距離と精度を高めたいのでラインをPE2号のから1.5号・・・つまりは「フィネス」なものに・・・ということでリールはセルテ3012Hに。
リーダーはナイロン(といってもDUELのカーボナイロン)30LBで2m強。
ARC1006にスペーサーを入れたシステムを使った経験がないので、今回はスペーサーはナシで。
ARC1006はリーダーをガイドに入れてキャストするとトラブルが多いので、なるべく入れないようにキャストすることを心掛けます。
そしてルアーを取り付けようとしたとき・・・
ああっー!
スナップケース忘れたやんけ・・・
耐力スナップの2号、ヒラスズキ4kgのブッコ抜きにも耐えたので結構信用しているのですが・・・耐力スナップどころかスナップが1個もない(苦笑)
仕方ないのでリーダー直結でやりますが、これ、ルアーチェンジの度に唯でさえ短めのリーダーがどんどん短くなっちゃう・・・
ライジャケをポケットなしのリバレイのベストからポケットありのシマノのVF281に換えた際の諸々のチェックが悪かったか・・・
ま、仕方ないどす。
失くしたヒラスズキ用120mmクラスのミノーとシンペンは、積んであったサーフ用ルアーケースから転用してます。
パイロットルアーは裂波120。
仮説に従って、超ピンポイントを撃ってみると・・・
コッ・・・コッ
と2回、繊細な反応アリ。
ああ、これ、
A) 最高の場所にいるから横着な食い方しかしない
こっちのパターンかと思って、しばらく間を開けてリトライ。
今度は超スローリトリーブ
で・・・

うおおおおおおおおおおおおおお!
会いたかったよ、ヒラスズキちゃん・・・・
キミ、ちょっとマルっぽいね・・・?
サイズは・・・↓こんなもん・・・でもメッチャ嬉しい!

ヒットルアーは裂波120のマグマキャンディー・・・ただし、直後のキャストで大破・・・殉職・・・
この裂波は所有する数あるルアーの中でも最古参格でかつ、実績も高かったのでショック・・・

気を取り直してZ120Fに装換。
ARC1006と1.5号の組み合わせがあって初めて狙えるポイントへ遠投、風と波の「寄せ」を意識して、タイミングを図って・・・超シビアな通しをすると・・・

いいねぇ~
いいねぇ~
これもサイズは大したことない。
でも、嬉しい。
何が嬉しいかというと、仮説が正しいであろうことが明らかになりつつあったから。
こんな超ピンポイント、常識的に考えるとあたり一帯でもっとも雄大なサイズのヒラスズキが居座る可能性が高いポイント・・・そこから出てくるのが、ヒラフッコ。
これが意味するところは・・・
ベイトが極少数で、ヒラスズキの魚影が薄く、同種間の位置取り競争がないためにヒラスズキはサイズの大小に関係なくもっとも良い場所に陣取ることができるから。
うひひひ、おもしれ~
あら、やだ、あたしったら、こんなお下品な口調になって・・・やだわ~ァン

ゴホン・・・
裂波でヒットしたポイントに戻って・・・今度はアダージョヘビー。

サーフで好きなアカキンカラーだけど、これが良かったかも・・・?

これまた、似たようなサイズ・・・でも、嬉しい。
50ちょっとのヒラをバラさないのはロッドを替えたおかげ。
そろそろSHORE11のヒラスズキ限定追加インプレを書こうと思っているんですが、SHORE11は60以下のサイズだと結構バラシが多いですね。ARC1006はこれくらいのサイズ相手でもベリーがしっかり曲がって追随性がよくて仕事をきっちり果たします。
さ・・・この3匹が本日の成果、いい釣りだった・・・・でも最後にちょっとだけ青物に欲だしてみよっかな、と。

アイルマグネットDB・・・正確には歴代のアイルマグネットDBの中で最後のバージョンであるアイルマグネット3Gリップレス125Fを青物を意識した沖からサラシへの高速リトリーブ(サラシに入ったらスロー)で引いてみると・・・
ドゴッ!
サラシに入るか入らないかくらいのゾーンで鈍く重いヒット感触
あお・・・?
いや、これ、間違いなくヒラスズキ・・・エラ洗いが出来ないヒラスズキッ!!!
やばい
この時点でリーダーはかなり短くなっており、1.5mも無い。
相当キツく締め込んでいたドラグにも関わらず走られ、根に擦られ、手にイヤな感触が伝わってきて・・・
何度かリフトして剥がしても、また走られ・・・・
悲しいかな、このくらいのサイズを相手すると、ARC1006はバットが曲がって粘るような挙動はみせない。
バットが硬すぎて曲がらない故に、ベリーから上がノサれ気味になってしまう。
そして・・・プツッ・・・
リーダーがあと1.5m長ければ・・・いや1m長ければ・・・
そもそもスナップを忘れていなければ・・・
うーん、未熟者ですまんかった。
どうか外れてくれますように。
引き上げる予定を忘れて、再度同じメソッドで大型狙いを再開します・・・が、アダージョヘビー125の回収間際に乗らないバイトが1回あったきりで終了。
釣ったヒラは全てリリース。
自分の中の「理論派」はこの釣行に納得し、「情緒派」は満足できていないのですが、両者とも束の間の現実逃避を味わえたことには異論がなく・・・・帰ると待ち構えているであろう事々にウンザリしながら帰路につきます。
うん、でも、やっぱり面白かった。
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