ゾーンの話


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ここでいうゾーンといえば・・・


“2001年にメジャー・デビューし2005年に解散した日本のガールズバンド ”


のことじゃなくて・・・


“特定の相手選手に付かず、自陣の守備エリアを各ゾーンに分けて、それぞれディフェンスの選手が各ゾーンを受け持ち、自分の受け持つゾーンに侵入してきた相手選手に対して守備を行うというもの”



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のことでもなくて・・・


アレです、アレ。

スポーツでよくいわれる

「周りがゆっくり動いているように(あるいは止まっているように)見える」

とか

「自分がこれから投げる/蹴るボールの未来の軌道がコマ送りで再生される」

とか、まあ、そういうヤツです。


シーバス界隈だと


このタックルならばルアーの後ろ30cmを付いてきたシーバスの存在を感じることができる


みたいなことです(笑)





あっ、予め断っておきますが、この記事は当該の発言をした某有名プロを茶化す目的で書かれたワケではありませんゾ!


というのも、その発言は氏のオリジナルというワケではないみたいなんです。


某有名プロ氏が自分の推すタックル(あるいはスタイル)を宣伝するあたって他所から借りてきた言葉で、実はぼくちん、その元ネタを知っているんですヨ!



・・・え?なにそれ?



これです、これ↓


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古い雑誌の一文です・・・当然、某有名プロ氏の発言よりずっと前の雑誌です。
PEラインはオフショアジギングやGTキャスティングのための高級ラインである、という認識が一般的であった頃のものですね。
ショアのライトゲームで使う人は極少数の時代。


この雑誌記事に登場している人(業界人ではない一般アングラーと察せられるので名前を伏せております)はPEラインをシーバス界隈に持ち込んだ第一世代の方ではなかろうかと思われます。
注目してもらいたいのは“ルアーの後ろにシーバスがついているか否かを感じることができる”という部分は編集者の言葉であるというところ・・・本人の言葉はカギカッコ内に明確に区別されております
恐らく、編集者との対談中、何度もPEの感度がもたらすメリットを口にしたことでしょう。
そしてたまたま一例として出てきた・・・「ゾーン的要素が加算された、シーバスが付いてきていることがわかるような異常感度(というかフィーリング)」というエピソードがこの編集者にウケた、と。
そして編集者氏は「新しいタックル概念」としてこのエピソードを強調して書いてしまう、と。
で、最後に、この記事の影響をバリバリに受けた某有名プロ氏がこのフレーズに類似したセリフを使ってしまう・・・と(苦笑)


あ、茶化してませんよ、全然!


ルアーの後ろを追跡してきたシーバスの存在を感じる!なんてことを公言するプロがいる一方で、「イカがこれから自分のスッテを抱くのがわかる!」なんてことを言って憚らない人がいたりもするわけですよ。

でも、それは特におかしな事ではないんです。

本来ならば一笑に付されるべき、ありえないはずの「異常感度」もゾーン中の出来事・・・実際に起ってはいないのにそう感じてしまっている主観的体験のことならば「本当に感じたんだ」と言ってもおかしくないのです。
実は「ルアーフィッシングにおけるゾーン入り」は意外と敷居が低いのかもしれません。
(イカスッテ氏の場合はゾーンではなくイカ釣りに熱中しすぎてただ単に気が触れてしまったという可能性もあります)



自分の場合、リトリーブ中の経験はありませんが、集中しているキャスティングの際には似たような状態(錯覚)・・・つまりゾーンにハマることがあります。


磯の超タイトなピンポイント狙いで、強い横風がある中「あ、こう投げたらイケる」と感じる瞬間があって、その閃きのままに投げると予感した軌道通りにラインが弧を描いて狙いの位置に着水したり・・・・

今この瞬間は風読みも縦横の精度も抜群だから恐れる必要はまったくない、という感覚が降りてきて、普段は控える超大胆なキャストを連続で成功させたり・・・


かのように、第三者に向けて表現するためにゾーン体験を言葉に変換すると胡散臭くなることこの上ないですナ(笑)

でも、これがゾーンなんです。




そういえば、こういうことがありました・・・



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針の穴を通すようなピンポイントキャストを何故か決める気になったんです。

ちなみに結構な遠投で。

バースの支柱間の僅かな隙間を通すキャストに5連続くらいで成功していたら、フト恐ろしくなって途中で止めました(笑)
別にルアーの破損リスクがどうという事ではなくて、この感覚の中で失敗する体験をしたくなかったからです。
無風というわけではないのにキャストの際の不安感みたいなものは一切ありませんでした。


思うに、心理的にリラックスした状態で長時間似たような動作を繰り返していると、体が次に起こる事象に備えるようになるのでしょう。
体が慣れて準備万端な状態の中、脳内で再生される「成功体験」と、実際に起きている事象のタイミングが同じ時に重なるとゾーンのような現象が起きる、と。
特に長時間のウェーディングや磯歩きなんかの、肉体的負担が大きい釣りをしている時にそのような体験があると、それが神秘的なモノとして記憶に焼き付くことは容易に察せられます。
そしてその神秘的な体験を文字に起こすと、どうてもポエムがかった誇張表現になってしまう・・・・



そういうわけで、自分はその手の話に結構シンパシーを感じるタイプです。
「イカスッテに抱くのが分かる」以外は



ただ、第三者に向けた表現の仕方としては「変な話だけど、こういう錯覚に近いフィーリングを得られる事があるんだよね(笑)」と予め断りを入れておくか、誇張表現がないか自己検閲を心掛けて書くのが政治的正しさというものでしょう。



ちゃんちゃん!



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