ジャッカル アンチョビメタル タイプ1&タイプ2

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アンチョビメタル

メーカー:ジャッカル
カテゴリー:タチウオ・サーベリング専用ジグ
ウェイトバリエーション:80g100g130g160g200g250g

評価

ほんの少し前までは、よく釣れる廉価タチウオ用ジグといえば
・アンチョビメタル
・メタルフリッカー
・ブランカ

が三大巨頭でしたが、サーベリング業界にはダイワをはじめとする後続メーカーがドンドン参入しており、価格の面ではかならずしもファーストチョイスのジグではなくなりました。

・・・が、個人的には他のサーベリングジグよりアンチョビメタルのほうが「ジグを自在に操り喰わせる感」があるように思えます。

要するに「ブランカ型」は誰が使っても“無難”というか“それなりの結果”というか、まあ、個性が出にくいんですね。
一方でアンチョビメタルはタイプ1とタイプ2の状況による使い分けと、使い手のシャクリ方による動きの違いとで、ものすごく差が出るジグです。

ブランカ型がオートマだとすると、アンチョビメタルはマニュアル。

たかがタチウオ、何使っても楽に釣れればいいんだよと思うアングラーにはアンチョビメタルはちょっと面倒なジグになるかもしれませんが、メタルジグというジャンルのルアーを深く理解するきっかけになりうるジグでもあります。
その“アングラーの成長を促す要素”を高く評価したいと思いますね。

この記事ではタイプ1とタイプ2の使い方・使い分けも解説します。

水深が浅い博多湾(MAX25m)では80gで充足的ですが、よく潮が動くところやもっと深いエリアでは相応の重量を選んでください。





アンチョビメタルタイプ1


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ぶっちゃけていうと、なぜジャッカルがこれをスタンダードとして据えているのか理解に苦しみます。

以下引用

急速沈下!広範囲を探るタチウオ狙いの先発メタルジグ。

“アンチョビメタルTYPE-l″は振幅を抑えたアクション設定で、タチウオジギングの基本となるモデルです。素早くタナを狙い撃てるフォールの速さも兼ね備え、フォールスピードを利用したリアクションバイト狙いにも有効です。誘い上げでは、ワンピッチショートジャークによるテンポの良い誘いを快適にこなし、広い層を探りたいときに最適といえるでしょう。複数のシリーズ展開を予定しているアンチョビメタルや、アンチョビミサイルなどのルアーをローテーションする事で、よりゲーム性の高いタチウオジギングをお楽しみいただけることでしょう。

http://www.jackall.co.jp/saltwater/products/lure/anchovymetal/

おそらくジャッカル的には「アクション性」より「早く棚を探れること」を重視して、このタイプ1を「基本となるジグ」としたんだと思いますが・・・どうでしょう?

アンチョビメタルタイプ1のアクションは曲者です・・・ご覧の通りかなり後方重心のジグです。


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どういうことかというと、これ・・・「振幅を抑えたアクション設定」でもなんでもないんですね(苦笑)

ノーアクションで垂直に巻き上げると確かに「振幅を抑えたアクション」になるのですが、ある一定以上の動きをロッドに加えるとジグの後方に強い慣性が働いてブリブリ動くアクションになってしまいます。

つまりタイプ1はよほどノーアクションを意識していない限りブリッブリッに動くジグになっているということです。

そもそもバーチカルジギングというのはジグが水を切る際に生まれる抵抗力と、ロッドの曲がり/復元で発生する微細な動きと、リーリングを一瞬止めることによるジグの沈降で、ロッド操作を入れなくてもある程度自然にアクションが出ているものですが、アンチョビメタルタイプ1はその動きに合わせて腕をそっと動かす(つまりほんの少しロッドアクションを入れる)だけで・・・

↓この完全静止状態から


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水平からこれくらいの角度まですぐにハネあがってしまいます↓
ロッドの硬さ次第では「ちょんちょん」程度の動かし方で。


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↓この程度の微弱な振り幅に抑えるには相当意識せねばキツイです
これくらいの角度~水平までの振り幅を保ちながらテンポよく棚を探れる人は、かなり高度なジギングをしていると思います。


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↑後方重心ゆえに、アクションの頂点を超えるとすぐにリアが垂直姿勢に戻ろうとします。
「横を向く時間が短い」ともいいます・・・あまりヒラヒラせずにストンと後ろから落ちます。
タチウオがジグが大きな弧を描くようなジャーキングを嫌う日、ジグが横を向く時間が長いジャーキングを嫌う日は、これがハマるんですけどね。


↓“普通の感覚のジギング”をタイプ1でやるとあっという間に180度以上振れてしまい、運が悪いとリアフックがリーダーを拾ってエビ絡みの出来上がり


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どうでしょう・・・・?

このジグが「基本となるジグ」に見えるでしょうか(苦笑)


ボヨヨ~ンと特にティップが柔らかいロッドを使っている人、シャクリがゆっくりで小刻みな人、あるいはその両方に当てはまる人(つまり普段はエサ釣りメインでロッドをアクションさせるという概念に乏しいジジイ老紳士)とは相性がいいかもしれませんが、そうでない人には相性が悪いジグです。

アンチョビメタルタイプ1の特性を理解し意図的に操作できる人、棚をすばやく探ることを重視する人は、あきらかに一般的なアングラーではなく上位に属するアングラーです。
シャクリ方がぎこちないジギング初心者に使わせるとうまい具合に機能するかもしれませんし、シャクリ方なんてどうでもいいようなタチウオ大フィーバーの日だとストンと落ちるこのジグは効率の面で優れるかもしれませんが・・・「基本となるジグ」というにはいささかテクニカルすぎると思います。

と、いうことで結論としてはタイプ1は次のシチュエーションに有効です。


・棚を早く探りたい時

・流し直しの直後

・小刻みなアクションでテンポよく巻いたほうが有利な時

・ジグが横を向く時間が短いほうが有利な時




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うーん、どうみても玄人好みっぽいジグ(笑)
ちなみにバイト痕をみてもわかるように、リアにバイトが集中する傾向があります・・・フロントアシストは気持ち(ほんの気持ち)長めが有利。






アンチョビメタルタイプ2


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見てればわかるように、タイプ2はタイプ1とは正反対のフロント重心のジグです。


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タイプ1は表裏対象の形状をしていますが、タイプ2の裏面はスプーン状の窪みがあるものの、基本フラットです。

ジャッカル曰く:

ハイアピールタイプ

アンチョビメタル TYPE-Ⅱは、トリッキーな水平フォールアクションでタチウオを誘うハイアピールタイプのメタルジグです。ロッドを大きく持ち上げるスロージギングスタイルでの使用に最適です。魚のヒットレンジがある程度絞り込まれた状況であれば、リフト&フォールの繰り返しにより、じっくりと魅せる釣りが有効です。また、ワンピッチショートジャークにおいてもTYPE-Ⅰに比べてワイドなアクション設定の為、ジグの使い分けを明確に行う事が可能です。テスト段階からタチウオをはじめ様々な魚種を虜にしてきた高実績メタルジグです。釣行に欠かせないアイテムとなってくれる事でしょう。


http://www.jackall.co.jp/saltwater/products/lure/tatiuo/anchovymetal-type-2/

タイプ2の性質はショアジギング界隈のスタンダードジグである、撃投ジグレベルにとても近いんじゃないかなと、そう思います。

※※撃投ジグもタチウオに効くのは公然の秘密です※※

ショアジギングで撃投ジグレベルを使い慣れている人ならすぐに適応できるでしょう。

タイプ1が苦手な人、「オーソドックスなジギングアクション」が好きな人はタイプ2なら納得するはず。
別の言い方をすると、これは普遍的なメタルジグであって、タチウオ専用ジグというわけじゃないですね(売り方的にはタチウオ特化になっていますが)

使い方は簡単というか・・・(こう言ってしまえばアレですが)なんでもアリです。

リアが軽い分、シャクった後の水平フォールの時間が長く演出できます。
また、元気よくシャクっても大丈夫です(笑)


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イメージ的には左のタイプ1がぐるり180度動くてしまうようなシャクリで右のタイプ2がちょっと水平を超えるかな、程度の振れ幅です。


オーソドックスにシャクるもよし、大きくスローに動かすもよし、テンポよく動かしていくのもよし、一気に巻き上げてからのフリーフォールでのバイトを狙うのもよし、ステイ(テンションフォール)を重視するのもよし。
ジグの操作者が思いつくであろう、ありとあらゆるアクションが演出可能です。

アンチョビメタルタイプ2のようジグを使い込むとやがて

「あっ・・・“ジギング”って使い手の癖や好みに加えてロッドやリールの特性もアクションに影響するから自分のアクションは他に存在しない唯一無二のものなんだな(他人のアクションもまた然り)」

ということに気がつくことになるでしょう。

そして自分の引出しの中からその日のアタリメソッドを探して当てるのがジギングの醍醐味なんだなということに気がつくでしょう。
引出しが増えるまでは他人のメソッドを見様見真似で盗む必要性もありますが


野暮になりますが、敢えてお勧めするメソッドを述べるとすると・・・「投げて使う」ですね。


ブランカ型のオーソドックスなジグを投げてシャクっても似たような棚をぴょんぴょんさせて近づいてくる感じになるのですが、アンチョビメタルタイプ2を投げて大きくシャクると結構違う棚を通って手元に来るんですね。
これが特に効くときがあって(特に船が同じ場所にずっと留まって反応が薄れているのに船長がなかなか流し直してくれない時とか)、人が釣れなくて自分だけが釣れるという快感をもたらしてくれます(笑)


ただし、タイプ2は万能タイプというわけではありません。


一般的なジギングではそれは良い事とされていますが、タチウオは先に述べたように「ジグが横を向く時間が長いと反応が渋くなる」ことがあって、タイプ2の長所であるスローフォールが仇となることもありえますし、勢いよく弧を描くようなシャクリ方はスパスパ斬られてロストしてしまう可能性が高くなります。

ま、そういうことも教えてくれるジグであると理解しましょう。



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と、いうことで結論としてはタイプ2は次のシチュエーションに有効です。


・水平フォールが効果的でジグが横を向く時間が長いほうが有利な時

・ステイが効く時

・船が流し直されない時

・棚が安定している時



うーん、タイプ2も結局は玄人好みのジグですよね(笑)
どちらかというとフロントにバイトが来ることが多いのリーダーは8号30lbだと心細いです・・・12~14号の40~50lb推奨。
ただし、追ってきてリアをパクリということも普通にあるのでリアフックの刺さりのチェックも忘れずに。






タイプ1とタイプ2の使い分け

ジャッカルはタイプ1をまず投入しろ、棚を探れといいますが、個人的には最初に投入するのは“ブランカ型”(つまりはブランカとかメタルフリッカーとか鏡牙ベーシックとか)です。
何故ならば大抵の船では船長が「○○mに反応あり」とか「昨日は○○mが良かった」的なアナウンスをしてくれるわけで、イキナリ手掛かりなしの状態から棚探しをすることになるのはレアだからです。

指示棚で“ブランカ型”が芳しくないなと感じた時にはタイプ2を投入してシャクリを工夫して誘ってみます。

それでも上手く行かない場合にタイプ1を投入して「小刻みアクション」を試したり、全層サーチを始めたりします。


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要するにタイプ1はジョーカー的な切り札としての役割が多いということですね。

残念なことに「とにかく落とせば釣れるからストンと落ちるジグが手数的に有利」みたいなシチュエーションには未だに遭遇したことがありません(苦笑)

フックチューン

リアはトレブルかクアドラプルで・・・どちらの場合も細軸が有利で、カエシもどちらかといえば不要。
シーバスルアーに使われるトレブルフックか流用するならST46#3より大きなものをオススメ。



フロントは一般的なアシストフックのツインでジゴク仕様(さらに段差仕掛けも可)か



タチウオ専用のワイヤートレブル/クアドラプルでしょう。



このあたりのセッティングの工夫もサーベリングの楽しみの一つ

ルアーの入手

値段 ★★★★
安定供給 ★★★★★

後続の格安ジグとの競争の結果、定価はともかくとして店頭価格が下落傾向。
弾数が多く出回っているので中古でも安定供給が見込めます。
特にシーズンの終わりには200~400円くらいで入手可・・・ただし、使うのは翌年。

総評

最終評価 ★★★★

タチウオを釣るだけならブランカ/メタルフリッカーが僅差で勝利でしょうね。
安さで勝負するならダイワの鏡牙とか、釣具のポイントのPB(プライベートブランド)の「ポイジグ」とかに軍配。


じゃあアンチョビメタルはもう選ばんでエエの?


うーん、そう問われるとちょっと詰まってしまうんですが・・・強いていうならば「敢えて選んでもらいたいジグ」ですね。
ジグの特性を掴むこと、シャクリ方を研究すること、シチュエーションに合わせて使い分けること・・・要するにアンチョビメタルは次のステップへの入門用ジグとしては最高なんですよ。

次のステップが何なのかは知りませんよ・・・ヒラスやらブリやらを狙う本格オフショアジギングかもしれませんし、物干し竿みたいなぶっといロッドを使う沖磯ショアジギングかもしれません。
あるいはサーフから狙えるものは何でも狙うライトショアジギングかもしれません。

何にせよ、ジグとは選択一つ、操作一つでこうも結果が違うことになるのか、ということを教えてくれるのがこのジグなんですね。


鉛の塊に生命を吹き込み、魚を騙し喰わせて釣り上げる。


これほどまで面白い行為があるのかと、すでに気がついている人は不要かもしれません。
(そういう人たちは別のジグを使ってもアンチョビメタルと似たようなことができるはず)

そうでない人・・・つまり、まだ気がついていない人には超オススメです。

自分のイチオシカラーは「サーベルピンク」・・・それを軸に各種のゼブラグローを加えて展開するといいでしょう。



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