シーバス(スズキ)って美味しい魚なの?②

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湾奥ドブ川で釣れたドブフッコの味≠本来のスズキの味


綺麗な磯や沖で釣れたシーバス=本来のスズキの味


これは誰の目からみても明らかですが

「ビミョー」な場所で釣れた魚はどうやって目利きしたらいいんですかね・・・




スズキの目利きの前に釣れた海域について考える

命題その一:湾奥汽水域で獲れたシーバスは美味しくない傾向がありますが、だからといって湾奥汽水域のシーバス全てが美味しくないとは限りません

命題その二:潮通しがよい外海の磯や浜で獲れたシーバスは美味しい傾向がありますが、だからといって潮通しがよい外海の磯や浜のシーバス全てが美味いとは限りません

この矛盾がスズキの目利きを難しくしています。

これはスズキが回遊魚であることに由来します・・・沖の魚が湾奥に一時的に寄ってくる(あるいはなんらかの理由で沖から引っ越してきてきた)ということが普通にありえますし、逆に湾奥から沖に出ていくような個体は少なかろうと思われますが、やはり一定数存在するでしょう。
さらに付け加えておくと、外海には「純粋な外海育ちの外海住み」なのに(回遊してきた訳ではないのに)とんでもなく臭いヤツがいるんですね・・・おそらくは注ぎ込む小河川のボラ(やはりこいつらは臭い)がそうさせているのではなかろうかと疑っていますが、「臭いベイトを偏食した結果臭くなってしまったヤツら」が外海にも確かに存在するということを憶えておきましょう。

全体的にみれば綺麗な海域で釣れたスズキは美味しい可能性が高く、あまり綺麗でない海域で釣れたスズキは美味しくない可能性が高い、という原理原則は成立します。
・・・が、この原則を厳密に実行すると美味しい湾奥のシーバスを逃すことになるし、とんでもなく不味い外海のスズキを持って帰る可能性を捨てきれなくなります。
そして「ビミョー」な海域でのスズキについては判断できなくなります。
悲しいことにシーバスは人間のアクティビティーによって「ビミョー」と化した水域が好きなんですよね・・・

それではどのようにしてスズキの良し悪しを見極めるのか・・・釣り人流の判定方法をお教えします↓↓↓

スズキの目利きは嗅覚で!

「これ食べようかな・・・」と思った個体がもしいたら、先ずは釣ったばかりのスズキの魚体表面を鼻でクンクン匂ってみましょう。


慣れるとイッパツで、100%の精度で良し悪しが判定できるようになります。

何故臭いでわかるかというと、スズキのウロコを覆う粘膜のニオイはそのスズキが暮らした海の水質を表すからです。

綺麗なところで釣れたシーバスから激臭がするとしたら・・・それは最近までドブ川にいた個体であることを示唆しています(あるいは河口ボラを偏食している)。
湾奥河口で釣れたシーバスから臭いが殆どしなかったとしたら・・・最近沖からそこへ入ってきた個体であることを示唆しています。

ドブ川でドブベイトを食べていたドブスズキは骨・肉・鱗・粘膜がドブ川で生産されたマテリアルで構成されます・・・綺麗な水に移動しても細胞が生まれ変わるまでソコソコの時間が必要でしょう・・・つまり敬遠したほうがよい個体です。
外海でイワシだのキスだのアジだのを食べていた外海スズキは骨・肉・鱗・粘膜がそういうお上品なマテリアルで構成されています・・・多少ドブ川に近づいたとしてもいきなり全身が臭くなることはありません・・・つまり食べようと思ったら美味しく食べられる個体です。


慣れない内は「魚本来の臭い(どれだけ綺麗な水であってもサカナの臭いというのは必ずする)」と「ドブ臭さ」の区別がつかないかもしれませんが

「粘膜の臭気レベルを測定する」

ことを意識してやると簡単に見分けがつくようになります。

「ビミョーな水域」にはまったく匂わない個体とドブ臭い個体とが入り混じっている、ということを理解するようになるでしょう。

とりあえず食べる食べないは別として、釣れたシーバスの匂いを片っ端からかいでいけば「匂いの質の違い」にすぐ気がつくようになるので訓練(?)を重ねてください。

訓練を重ねるとやがて「荒磯のヒラスズキなのにやたら臭いヤツがいる」なんてことを知ることになるでしょう(苦笑)

シーバスの美味しいサイズ

ニオイでまずフィルターを掛けるのか、サイズでフィルターを掛けるのか、順番はどっちでもいいですが、もしかしたら


サイズチェック→外見のフィジカルコンディションチェック→臭気チェック


この順にフィルターを掛けていくほうが効率がいいかもしれません。



ズバリ単刀直入にいうと、刺身で食するにもっとも好都合なサイズは55~65cmくらいの太ったヤツです。
特に55~60cmくらいの太ったフッコは美味。




下限は「太さ」次第・・・50cmくらいでも食糧事情がやたらといいのか丸々太った個体がいるので、そういうのはアリ。
45~50cmくらいのフッコは摂取したカロリーを「体の肥大化」に回すのではなく「体の成長」に回す傾向があるので、身の味が薄いですね。50cmより下のサイズで“丸々太った個体”はなかなか見ないです。



これは所謂「ゴーゴーフッコ」ですが


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食糧事情がいいのか、かなり太ってますね
これくらい太っていると美味しい!


上限は・・・ムズカシイですね。一般的には70cmを超えると身にスジが入るようになって口触りが悪くなり、また、大味になる傾向があるので刺身より火を通す調理法が向いているのですが・・・ランカーくらいになっても普通に美味しいヤツがいたりします。
「大きのにスジが入っていない」とか「大きいのに味が濃厚」とか、それらは流石に割いてみないことにはわかりません(つまり目利き不可能です)。

ただ、一つの基準を設けるとするとやはり70~75cmというのが一つの壁じゃないかな、と思います。

スズキは大体それくらいのサイズに達すると成長が鈍化するので、それを超えるサイズの個体は老成魚であって、一般論として若い個体にくらべて身が美味しくないのであろうことは容易に予想できることです。

というわけで釣って嬉しいランカー、食べて美味しいフッコとおぼえておきましょう。

70cmを超えるスズキサイズは見栄えがいいので丸焼きにしてパーティー用としたり、あるいは腹身肉をステーキグリルにしたりすると喜ばれます。

リリースしても生き延びることができそうにない50cm以下のフッコは昔よく持ち帰って食べていましたが、刺身よりは塩を降って干すなり紙に包むなりして身の水分を抜いて焼き魚にして食べたほうが美味しかった記憶があります。


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今の自分が持ち帰るシーバスの上限はこれくらい・・・かな



フィジカルコンディションのチェック

死んだ魚の鮮度を知るには目の白濁を見ろだのエラの色を見ろだの、イロイロ言われますが我々アングラーが入手するスズキは全て生きていて最高の鮮度を誇っているので目の色だのエラの色だのには無知なままで結構です(苦笑)

重要なのは3点です。


1.太っているか否か

簡単ですね・・・・「太っている=脂が乗っている=美味しい可能性が高い」
産卵前でもないのに腹パンとか、肩の肉の盛り上がりがすごいとか、そういう個体を選びましょう。


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↑これくらい太いと安心

2.奇形

シーバスの奇形は決して珍しいものではありません


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しかも奇形があるとすぐに死ぬ(成魚になれない)というわけではなく、写真のように尾の近くの背骨が曲がったり体の一部が大きく欠損したヤツが、普通に大きく育ってルアーで釣れることがあります。

奇形の理由は遺伝から怪我まで色々あるでしょうけれど、奇形の理由の一つである化学物質による汚染を避けるために、奇形は食べないほうがよろしいでしょう。


3.寄生虫の存在や外傷のチェック

シーバスには「海ヒル」や「ウオノコバン」といった、魚の体液を吸う寄生虫がついている場合があります。
キモい虫がついている、キモい虫に体液を吸われて身質が落ちている、ということだけですでに敬遠したいんですが、それらの要素は別にして・・・

海ヒルはシーバスが沖の底で動かずに集団越冬している時、ウオノコバンは都市部の橋脚なんかに付いてあまり広く動かない時に付きやすい模様

つまりどのみち「人が積極的に食べようと思わないコンディションの魚である(直前までそうであった)」という可能性を示唆していることになります。
ちなみに、寄生虫はいないけど体の表面のところどころに薄っすらと血が滲んだような痕がある場合は、つい最近まで吸われていた証拠です。

また、尾ビレや背ビレが異様に傷ついている(ところどころ欠けてギザギザになっている)個体は強い流れの中、ストラクチャー近くで定位している時間が長いシーバスである可能性が高いです。
1日や2日ストラクチャーに付いているのではなく、長い期間付いているので再生が間に合わないのでしょう。


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当然、食べるのには向かない魚です。
そういう個体は背中が真っ黒であったり、先に述べた粘膜の臭いがドブそのものであったりするので、併せて確認しましょう。
(シーバスの背中は確かに黒っぽいいものですが、居付き期間が長い個体の背中は本当に真っ黒です)


この「フィジカルコンディションのチェック」という項目を端的に言ってしまうとこうなります:


綺麗で太っていて惚れ惚れするような美魚を選べ


と。


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スズキの目利きのまとめ


・とにかく臭いを嗅ごう・・・クサイのはNG!

・刺身で食べるならサイズは55~65cmくらいが良い

・太ったフッコは特に美味い

・50以下になると脂が乗りにくい

・70overになると身が筋張ってくる

・ただし70overは見栄えがいいのでパーティーなんかにどうぞ

・外見がイケメンなシーバスは食べてもイケメン










次回に続くかも・・・?
続くとしたら「手当て」「捌き」「具体的な調理法」だけど、使えそうな写真ストックがないからもし仮に書くとしてもずっと先になるかな。
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