シーバス(スズキ)って美味しい魚なの?③

スズキを美味しく食べるための手当てについて
魚の“手当て”とは、魚が捕れてからまな板に乗るまでの「扱い」のことです。
“how it has been handled” です。
どんなにいい魚であっても途中の扱いが雑だと美味しくなりようがありません。
私見ですが、ルアーアングラーの多くが魚を締めること、それから、魚を保冷することに関して無頓着すぎるような気がしますね。
スズキを締める
この記事
でも紹介している動画ですが、これを参考のこと。
魚を締めることを簡単にまとめると・・・
脳髄を刺し
エラと尾の付け根を斬って
血を出す(海水につける)

たったこれだけです・・・必要な道具はナイフ一本。
神経締めはあくまでオプショナルで、必須事項というわけではありません。
締めるタイミングについてですが、大きなタイドプールや平穏で水深がある護岸ならば引き上げ直前までストリンガーにつないで沈めておくのもアリ(ストリンガーはギリギリの長さではなく余裕があることが条件)。
小さすぎるタイドプールや浜の波打ち際にストリンガーでキープしようとしてもストレスで魚が暴れてしまいます
最悪繋がれたまま死んでしまいますし(この状態は「野締め」といって魚の価値=食味が大幅に落ちます)、仮に生きていたとしても血が毛細血管の隅々まで巡ってしまって活き締めを施しても肉に血が残る可能性が大きいので不可です。
浅いタイドプールや波打ち際で波に揉まれて苦しんだスズキの肉はどれだけ血抜きしても薄っすらとピンクがかっている(毛細血管に血が残っている)のでイッパツで見分けがつきます。
スズキは繊細な白身なので、肉に血の味が残ると刺身ではあまり美味しくいただけません。
というわけで、場所が許すなら引き上げる直前に、厳しいなら釣った直後に締めましょう。
締めた魚を保冷する手段がない場合は濡らした麻袋(ドンゴロス)が便利です。
スズキを保冷する
スズキは足が早い魚ではないので、涼しい時期ならば特に保冷に気をつける必要はなかったりします。
釣ってすぐ家に直行するのであれば、濡れたドンゴロスに包んでいるだけで大丈夫でしょう。
(寒い時期は車のエアコンヒーター直撃に注意・・・あとは魚体の“乾燥”にも)
梅雨から初秋くらいの時期は油断禁物なので冷えたクーラーに収めてあげましょう。
内寸60cmあれば完璧なんですが、内寸が50cmくらいしかなくとも斜めにしたり尻尾落としたりの工夫でなんとかなります。
スズキを遠征から持ち帰ることはヒラスズキを除けばレアだと思いますが、一泊二日の釣行で初日釣った魚を二日目、あるいは三日目に美味しく食べようとおもったらそれなりに保冷能力が高いクーラーが必要です。
スズキを捌く
刺身にするならば普通の三枚おろしにしてください。
スズキには何か難しいところとか引っ掛け問題みたいなトリックとかはありません・・・10匹も捌くと慣れるでしょう。
そして10匹20匹とさばいて経験を積むと
「あ、これ筋張ってる」
「あ、これ脂の乗りが格別にいい」
「あ、これ内臓にめっちゃ虫が入ってる」
というふうに、外から見ても判別不可能な魚の良し悪しに気がつくようになるでしょう。

↑これはピンク掛かっていて血抜き失敗にみえるかもしれませんが、照明と写真うつりの問題で血抜きに問題はありません・・・それどころか体の中に寄生虫が一匹もおらず、脂の乗りが際立っていて記憶に残るくらい美味しいスズキでした
身は当然刺身で・・・アラは焼くなり煮るなり出汁にするなりなんでもどうぞ。
ちなみにスズキの魚肉は獲れたて捌きたての時点では透明感のある白い色をしていますが、冷蔵庫で熟成を進めると飴色がかった白に変化します。
獲れたての新鮮な歯ごたえを楽しむか、熟成後の引き出された旨味を楽しむかは自由・・・というか、60cmもあればそれぞれ半身で試せるので自分の好みを発見しましょう。
自分のお勧めの調理方法は、薄く削ぐように引いた刺身を良い水にサッと漬けた“洗い”・・・・あとは、アラから取った出汁で作るトムヤムスープですね。
和食だとただのアラ汁になってしまいますが、洋食やエスニック料理は白身魚から取った出汁をベースにしたディッシュが結構ポピュラーで、普段のスズキとは違う表情を楽しめますよ!
終わりに
ということで、美味しく食べるには段階があるけれども、スズキは美味しい魚であるということはわかって頂けたかと思います。
旬の時期に、目利きに、手当て。
知識が必要とされますが、同時に道具もイロイロと必要です・・・その中でもこれだけは絶対に要るというのが、ナイフ。
これがないと美味しいスズキは始まらないです。
刃物を車に積みっぱなしにしていると銃刀法やら軽犯罪法やらに抵触する可能性がありますが、釣りのために所持しているのは「社会通念上正当な理由」だと考えられています。
(釣り場への行来の際はすぐに取り出せる/すぐに使えるような状態にせずに厳重に保管しましょう)
釣りのみならずアウトドアという趣味の相棒として一丁、備えておくことをお勧めします。
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