肯定もしなければ否定もしない

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昔、ある人からこう聞かれたことがあります


「3月の博多湾でシーバスは釣れますか?」


否定するのも肯定するのも簡単です。





↓質問者の意図にもっとも近いと思われるであろう回答↓

水温の上昇と潮のタイミングが合えば3月末に釣れるよ












↓質問者のレベルを考慮しての回答↓

うーん、可能性はゼロじゃないけど難しいんじゃないかな











↓一見テクニカルかつ実践的に聞こえるけど実は「社交的」な回答↓

5gくらいのジグヘッドにR-32刺してテロテロゆっくり引くとセイゴが釣れるよ





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今考えるに、初心者(つまり質問した人)にとって大事なことは挑戦することであって、この質問に対する正しい答えはYESでもNOでも、質問者の技量を配慮したうえでの無難なものでもなく、釣れるか釣れないか別にして3月に釣りに行く気持ちをもたせること・・・だと、思います。


3月は釣れないよと断言してしまうと、その人が3月に釣る可能性を根こそぎ奪ってしうわけです。

3月に試行錯誤する機会を抹殺してしまうわけです。

「もしかして」があるのが釣りというもの・・・初心者の非常識(あるいはビギナーズラック)が玄人の技術・常識にまさることだってあるかもしれません。
釣れたとしても再現性のないもの、ただ単にマグレなのかもしれません。
が、そういうマグレを体験してみることは大切です。

仮に釣れないにしても温かい部屋でぬくぬくとしながら「あの人がいうなら釣れないんダロ」と悟ったふうにしてるよりは、寒風の中で凍えながら「3月は(すくなくとも今の自分には)釣れなかった」と経験したほうが今後のためになるでしょう。

・・・あ、「寒さで凍えながら釣れないことを思い知れ!」っていうのは根性論じゃないですよ。

3月の博多湾は実はかなり生命感に溢れる海で、しかもちょうどその頃になると日本各地から「釣れた!」「戻ってきた!」と声があがり始める時期のなのですが、何故か博多湾はなかなか釣れない・・・その事実を知り、考え、咀嚼するためには実際に釣りに行ってみて「釣れないことを確かめ」てみないと始まりません。




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この話は季節だけじゃなくメソッドにしたっても、そう。
ルアーにしたっても、そう。


ハンパなくでかいマグナム級のルアーで挑戦してもいいし、youtubeで流れているような得体の知れない○○ジャーキングで1シーズン通してもいい。


極端にいえばシーバスが殆どいないであろう堰上で糸を垂らしてもいいと思います。

何を隠そう、かくいう自分は初期段階においてシーバスの産卵時期というものを知らず、1月2月に湾奥で頑張っていたことがありました・・・
当然セイゴ以外はまったく釣れませんでした
でもその体験は無駄ではなく自分の「釣りの世界感」の中で活きています。


遡上できない堰の上でナマズやバスを釣って1シーズン棒に振って「ここにシーバスはいない」と悟る様はもはや文学的、いや、宗教的であるともいえるでしょう。
まるで山に籠もって思想を研鑽したツァラトゥストラが、そろそろ山を降りて人に教えを広めねばならぬと太陽に向かって語りかけたようではありませんか(笑)

・・・でも、増水したほんの一瞬の隙をついて堰を突破した本物のシーバスを釣ることだってありえることです。
○○ジャーキングがハマる瞬間がくるかもしれません。
ヒラマサ用ダイペンでメーターオーバーが釣れるかもしれません。

可能性としてはゼロではないわけです。

失敗したにせよ、僅かな成功を掴んだにせよ、そういう体験の一つ一つが「釣り人」をつくりあげるのです。




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というわけで、自分が今、その類の質問をされたとしても、否定もしなければ肯定もしません。

別に意地悪しているわけでもなく、勿体ぶっているわけでもなく、質問者の意図を値踏みしているわけでもなく・・・釣れるか釣れないかを自分で確かめてほしいからです。

あ・・・“手っ取り早い結果”が欲しい人に聞かれたならばテキトーな嘘をつきます

安全に関する問題やら、動かしようのない装備の問題(たとえば港湾用にPE2号やらHクラスのロッドやらを使っているとか)ならハッキリと指摘しますが・・・




というわけで、初心者側の目線に立つとこの記事の主旨はこうなります:



徒労に終わることを極端に恐れるな



消極的になってしまって萎んだ機会を惜しむべし、つーことですナ。




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ちゃんちゃん!
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