BOUZ C3 SHORE7 ファーストインプレッション

KIMG0193.jpg


購入してから1年になるロッドです。

このロッドは「UC79 2016モデル」を補完するため、対のロッドとなるべくして買い求めたものです。

使用頻度は低いのですが、そろそろ性格がつかめてきたのでインプレなどを書いてみます。

SHORE7 その出自


実はこのロッド、BOUZプロダクションのC3モデルの中でも古いモデルになります・・・もしかしたら一番古い・・・?

当時ボウズプロダクションを展開していた『タナシン電機』は、おそらくこのロッドを作るにあたってテンリュウを頼ったものと思われます。

もしそうだとしたらBOUZは複数の窯元・・・すくなくともゼナック製(SHORE11など・・・多分SHORE9-1/2も)と、テンリュウ製(SHORE7など・・・多分SHORE8-1/2も)とで、2つの窯を使い分けていることになります

いや、確証はないのですが、高確率でテンリュウがもつ7ft1inのグリップジョイント式のマンドレルを使っているはずです・・・その場合、このSHORE7はテンリュウのSWAT71と兄弟ロッドになるわけですね。

現在、ボウズプロダクションというブランドは『櫻井釣漁具』という、「ロッドメーカー」というよりは老舗の「竿屋」がタナシン電機より事業を引き継いでいますが、おそらく窯元は変わっていないでしょう。

だからナンダという話ですが・・・BOUZというブランドは、そのロッドの性格もそのブランドの歴史も、数あるシーバスロッドブランドの中でもかなりの変わり者であることは間違いなさそうです(苦笑)


KIMG0357.jpg




SHORE7 グリップジョイント


DSCN7973.jpg


このロッドの最大の特徴です。

ブランクはグリップの「穴」に差し込むだけで、基本、ワンピース。

ワンピースのブランクならではの「一貫性」がありますが、逆にワンピースゆえに「上下で違う素材を使うことによって生まれる補正」がありません。

あ、このアタリの話はブランクの説明でします・・・

ここで触れておきたいのは次の二点です

①収納の問題があること
グリップを外した状態でも190cmくらいあります。
バイク/自転車釣行はもちろんのこと、車でも一般的なセダンタイプだとかなり苦しいです。
自分のタックル収納/運搬環境をよく考える必要があります。

②リールフットを傷つけてしまう問題があること
BOUZ C3共通の問題ですが、シャレオツなオリジナルアルミ製の締め込み具がリールフットの塗装を傷つけ剥がしてしまいます。
リールのリセールバリューに敏感な方は避けたほうがいいでしょう。
対策は無きにしもあらずですが・・・(たとえばリールフットをテープでぐるぐる巻きにするとか)


ちなみにグリップエンド長はかなりあります・・・


KIMG0191.jpg


アーリープラス89MLより随分長いです

モアザン93MLよりかなり長いです

ミッドストリーム962のグリップエンド最長仕様よりちょっと(ほんのちょっと)短いです

・・・つまり7ft1inのロッドにしてはめちゃくちゃ長いです(笑)

9ft6inMLクラスのソレと思ってください・・・自分は長いグリップエンド大好き派なので異存はありませぬ

合わせるリールは3000番(旧ダイワ2500)・・・最近の軽いヤツなら4000番(旧ダイワ3000)でもいいんじゃないんですかね。

SHORE7 キャスティング


DSCN7747.jpg


メーカーHPにもそのキャスタビリティーが謳われていたりしますし、web上にチラホラ転がっている情報にもポジティブなことが書かれていますが

「このロッドが設計されたのは十数年前であり、使われているブランクも低~中弾性のものである」

ということを常に念頭に置く必要があります。

自分は【単純な遠投能力】それに【使えるルアーの幅(大きさ・重さ)】に関してはいい評価を与えたいと思いますが、【テクニカルキャスティング】・・・つまりはフィネスな使い方に関してはかなり辛口になります。

まずは【単純な遠投能力】と【使えるルアーの幅(大きさ・重さ)】に関して述べます。
・・・やはりコレがワンピースの効能というヤツなんでしょうか?

ぶっちゃけ『ルアー重量 5~20g』は無視していいです(笑)

表記だけみるとLパワーのひょろいロッドと思われがちですが、キャスティングの際にも魚とのやりとりの際にも想像以上、スペック以上の「隠されたパワー」が出てくるロッドです。

特に重心固定型あるいはスリム型(スリムで固定だとなおよし)のシンペンと相性がよく、20g超えても余裕です。
一般的なフローティングミノーでいうと、裂波120(17g)なんかは普通に使えます・・・おっかなびっくりルアーの重みをバットに載せてホイッ!みたいな変なキャストは不要。
レンジバイブ70ES(15g)も同様・・・バイブの場合は15g前後のものなら引き抵抗が苦になることもないです。
1ozクラスの鉄板は使ったことがないのでなんとも言えません
しかもそれらのルアーを相当飛ばすことができます・・・港湾かっとびルアーの代表格であるマニック115なんかを使っている限りにおいては、射程不足で苦しむことはないんじゃないかなと思います。

あ、ただし、7ft1inという「短さ」への慣れは必要です。8ft6in~10ftくらいの「いつもの感覚」で投げると失速することが多くなると思います。

ま、その辺は慣れの問題なので深くああだこうだと言うのは避けます。

当然、都市港湾型のルアーの代表格であるワンダー80とかX-80とかサスケ95とか10g以下のジグヘッドにソフトベイトとか、その辺のキャスティングに何の問題もありません。

で、【テクニカルキャスティング】・・・つまり極端にキャストアキュラシーを要求されるようなシーンであったり、キャスティングフォームに制限があるようなシーンでの使い勝手についてですが・・・

このロッド、基本はオープンスペースでの釣りのために作られていると想像します。

これ、大切なことです。

河川敷の歩道から大雑把に橋脚をホイとか

小規模河川に浸かって大雑把にファーストブレイクをホイとか

そういう使い方を想定しているのであって、それ以上のシビアなキャスティングには不向きです。

具体的にいいます・・・アンダーやサイドで強振すると、ブランクにネジレが発生して精密な狙いがかなり困難なものになります。

オーバーでも背後頭上に制限があると厳しいですね・・・低弾性であるがゆえに「フォームを崩して力を抜いたキャスティング」が苦手で縦の精度が定まりにくいのです。

もしかしたらトルザイトリング搭載モデルだと多少の改善があるかもしれませんが、ブランクが作られた時代・・・その弾性を考えると、トルザイトで軽くなっているからといって「精密スナイピングモデル」に進化することはないでしょう。

あ、ガイドの話がでてきたついでにしておきますが、古いYガイド(チタン)によく曲がるブランクなのでリーダーは短め(長さを妥協できないならナイロン)を推奨します・・・フロロ4号16lbなら・・・うーん、80cmくらい。
これ以上長いand/or太いとティップ抜けが悪くなって絡みつきが多発します。


これはもう「SHORE7のブランクとガイド設定の特性である」としかいいようがないです。


そういう意味ではこのロッドの最善ラインは0.8号~1号ですかね。
1.2号~1.5号まで太くしてもその強さに見合うリーダーを使えないので結局同じことなんで。
スペック表の「PE1~3号」は無視してください(笑)


KIMG0365.jpg


SHORE7 感度・パワー・テーパー・ファイト・操作感


意外なことに全身ボヨヨンというわけではなく・・・・つまりブランクのてっぺんからつま先までが「柔」を感じさせるテイストというわけではなく・・・・ティップからベリーにかけてはちょっとした「硬さ・シャープさ」を感じます。

確かにレギュラーテーパー(といっても大げさなギュラー・レギュラーではない)なんですが、そのティップ~ベリーにあるシャープさと相まって、「低~中弾性レギュラーのロッド感」があまりしない仕上がりになってます。

なので感度はSHORE8-1/2ほど鈍ではなく、結構繊細なアタリを拾えたりします・・・ははぁ、SHORE8-1/2と違う味をあえて出したかった(色分けしたかった)んだなぁ、と感じることでしょう。

そしてパワーに関しては・・・これもワンピースであることの特権なんでしょうか・・・Lクラスの「乗せ」の能力にMLクラスの「パワー」が同居しています。

ぶっちゃけ、掛かってからの安心度でいえばSHORE8-1/2と変わんないです。


KIMG0368.jpg


shore7でファットなナナゴー余裕でした。
ランカー相手にして苦労するようなロッドではないです。
UC79はそのブランク表面に出る硬さとパワーからランカーを苦にしないロッドですが、SHORE7は内にある柔のパワーで余裕って感じです。


ガイド抜け事情を抜きにした場合、その潜在的パワーはMAXでPE1.5号くらいでしょう・・・多分。
PE1.5号にリーダー30lbでドラグフルロックでやれるロッドだと思います。
いや、ンな釣りを経験したわけではないのであくまで勘というか想像ですけどね(そういう釣りしたいわ!)


どういうパワーでどういうファイト感があるか簡単にいうとですね・・・

・45~50くらいのフッコから十分「楽しい」と感じます
・50~60は余裕
・60~70でその曲がり具合を堪能
・75upからが本番

ま、こんな感じ。
あとは当然のように・・・

・ドラグが出にくい
・フックが折れ曲がりにくい
・バラシにくい(シーバスの引きの力が衰えたときにブランクから急激に復元力が出ることがない)

この辺はBOUZ C3シリーズに共通していることですが、SHORE7もしっかり当てはまってます。
UC79では使いにくい港湾ルアーを思う存分使えるってことですね。

ロッドの操作感で特に不満を感じるのことはありません・・・フッキング動作、トップ系プラグの操作(これは得意だったりする・・・トップチニングと相性がいいかも?)、ジャーク/トゥイッチ・・・あ!!そのレングスの短さ(低さ)ゆえに、ドリフトの角度がつけにくいということは不満かな。

普段9ft~10ftのロッドでナイトウェーディングしている人がこのロッドを使った場合、操作するルアーのドリフト角度の違いになかなか気が付かないかも・・・

7ftという短さに慣れ親しんだことがないアングラーは、できればデイゲームで、トレースが丸見えの条件でその違いを確認してみたほうがよろしいかと思います。

SHORE7 ファーストインプレッションまとめ


明らかに「最初の一本」とか「これ一本でどこでもなんでも万能」とか「初心者におすすめ」とか、そういう系のロッドではないです。

一応バチパターンから港湾バイブから河川ウェーディングまで何でもできるロッドですが、SHORE7を買う人はこのロッドで「何でも」をしたくて買うわけではありません。

ツウ好みのロッド・・・“遊び方”をよく心得ている人のためのロッドです。

そしてBOUZというブランドは必ずしも一つの方向性だけを向いていた(向いている)のではなく、様々な「楽しみ方」を追求しようとした(追及している)ブランドであることがよくわかるロッドです。
SHORE8-1/2とSHORE7は同時期のロッドですが、機能的には驚くほど似ていて、性格は驚くほど違います。

その長さ、そのワンピースロッドという収納/携行性のなさ故に、誰にでもおすすめできるユニバーサルなロッドではありませんが、BOUZワールドのさらなる深みを味わいたい人には、ぜひ。


ファーストインプレッション時の評価点: 84/100


DSCN8552.jpg




関連記事