とあるヒラスズキ開拓の一日

磯ヒラ釣行において発生する山歩きというか崖降りというか踏破記録というか・・・いや、多分「肉体的苦痛」・・・にとっても関心がある方々へお勧めの記事です(苦笑)
普段は知った磯に入ることが殆どですが、風・波・ベイト具合が絶望的な日や、次のランガン先が望めない日、またはあまりにも荒れすぎて実釣が不可能な場合は、新規開拓に勤しむことにしています。
あ、断っておきますが自分は本来の意味での「パイオニア」ではないので、ここでいう「開拓」とは前人未到の荒磯を釣り場として新規に切り拓くことではありません・・・先達の足跡を辿っているだけです。
“その人”を見つけたのは対岸からだった
前々から良さそうだなと思っていた磯がありました。
その磯へ陸行で入れるかどうか確信はありませんでした。
ある日、「対岸」(といっても500m以上は離れている)から人が立っているのがみえました。
絶対に瀬渡しが出るはずのない日でした。
「あそこへ降りてみたい・・・!」
と思ったが吉日・・・と言いたいトコロですが、体力的に限界だったので偵察の機会を待ち、推定される侵入経路を事前に調査しておき「その日」がくるのを待ちます。
そして・・・
磯ヒラマンはバックが上手くなる
もちろんエッチなことじゃないですよ!
本当にヤバそうなところにイキナリ車で入るような真似はしません。
・・・が、入り口は良かったのに途中に崩落があったり、道が藪に飲まれて通れなくなってたりして、引き返さないといけないのに車を切り替えすスペースが無いなんてのは日常茶飯事。
暗闇の中、クネクネの山道を200mくらいバックで戻ることに成功すると色々な液が体から噴出してることに気がつきます(笑)
ま、片道500mくらいの「車が通れそうな道」なら最初はまず歩いて確認しましょう。
山歩き
底がみえないような谷間を片側にして不気味な森を抜けます

暗く、湿っていて、蜘蛛の巣がところどころに張っていて・・・
森を抜けると

通路は消え、藪に出ます
海面との「間隔」に注目・・・ここは山の上
GPSと先人達が残した「踏み跡」を頼りに侵入口を探します。
リアル獣道が多くてちょっと迷ったのち、発見

↑これくらいの密度なら「快適な藪漕ぎ」ですナ
たぶん6月くらいが一番過酷なはず・・・
藪を抜けて山を降りていきます

ロープが張ってあると「あ、ここに人が来たんだ、来てるんだ」って感じがして、少しホッとします。
自分にとってはロープは「人がここに来てるんだから自分も行けるはず」という安心感をもたらすものです。
が、以前ある人が「どこの誰がいつ設置したのかもわからないロープに命を預けるなんて正気の沙汰ではない」的なことを言うのを聞いてそれも尤もだなと思ったことがありました。
やっぱり磯ヒラマンはアタマのネジがどこか緩んでないとやってられないんでしょう(苦笑)
でも、人間って「どこの誰がいつ設置したのかもわからないしどこへ続くのかもよくわからない道」を歩んでいるじゃないですか(意味深)
・・・みたいな哲学的な口説き文句を使えば右も左も分かっていない若い女なんてイチコロよ!
と意気込んでいたら「何あのポエム野郎は・・・キンモーッ!」ってドン引きされた苦い記憶がフラッシュバックで蘇り、思わず山中でうわわあああああああああわわわあっわあああああと叫んでしまいます。
あー、磯ヒラって過酷やな・・・

そうやっているうちに木々の間に碧い背景が見え始め・・・
磯の検分
到着
往路は下るだけで、藪で迷わなければ15~20分かな?(荷物一切ナシ)
ただし、これ、実釣装備で魚持ち帰りの場合は復路が地獄だぞ、ジ・ゴ・ク。

今は心配せずにスリットとかなんとかを調べます。
貝の付き具合、海苔の付き具合から満潮時の水没ゾーンを想像し、荒れた波を考えると・・・立てるのはアソコ、ココ、ソコと・・・なんちゃって!
調べていると、ふと、対岸から見えたあのアングラーは青物狙いだったんじゃなかろうとかいう気がしてきます。
いや、その、あの、ネ。
そしてこの磯の「奥行き」を調べて・・・偵察完了。
一見広い磯のようにみえるけれど、多分荒れた日の水没ゾーンも相当広く、釣座は限られるんじゃないかな・・・?
あ、重要なコトいうの忘れてました。
次の画像はこの場所ではありませんが、磯にはこういう「クレバス」とでもいいますか、縦に割れたスリットの続きが磯と磯を別けていることがあります(正面の磯際から登攀不可能な背後の崖まで裂け目が続いている)。

こういうクレバスは平穏な時やド干潮な時は渡れたり跳べたりしますが、潮位や波高次第では人を殺すトラップになります。
考えてもみてください、磯釣り師がそこに足場やロープを掛けてないっていうことを。

掛けないわけがないじゃないですか(苦笑)
以前は掛けていたんですよ・・・きっと
そのクレバスにはそれらを吹き飛ばす波がくるということなんです。

もちろん、その波は釣り人も平等に吹き飛ばし攫っていくことでしょう。
「この先にもいい磯が続いている」
磯ヒラ日和には、この悪魔の誘惑を振り払う勇気を持ちましょう。
帰路
うーん、こりゃキツイね(苦笑)
淡々と山道を登って、登って、登って・・・無事帰還
往復と検分に掛かった時間は55分
危険度は低いが求められる必要労力は高い・・・ってヤツ
実釣時というか、磯ヒラDAYにはフル装備でこんなことを3回も4回も繰り返すこともあったり・・・その行為にどれだけの「肉体的苦痛」が発生するかは・・・まぁお察しください。

あー、グローブに穴あいたわ!
おまけ
突然ですがクイズです

↑↓どっちが通路でどっちが獣道でしょうかっ!?

答えは記事の最後尾に
磯を開拓するということ
あ、言っておきますがこの記事は「危ない場所へ一人で行くことができる度胸を誇る」っていうニュアンスで書かれていません。
危険な場所に一人で踏み込むということは一歩間違えるとただの「匹夫の勇」・・・つまり無謀でバカな行為・・・になってしまいます。
ただ、人の案内や情報に頼らずとも「磯という難易度の高い釣り場」を独自に増やせることはマジでスゲーことなんです・・・おそらく「よく釣る人」はすべからくこの技能・・・すわなち「一人で磯を開拓できる能力」を持っていると思います。
たとえば「ヒラスズキを釣ろう!」というゲームでキャラメイクがあるとしてイロイロ入力して操作キャラの能力値のルーレットを引くじゃないですか。
んで出たの↓だったりするじゃないですか。
名前:ぼらお
<パラメーター>
射程:B
精度:B
潮読み:B
ルアー操作:C
集中力:D
スタミナ:C
運:C
もうどうしようもないですね、コレ。
平凡すぎて使えねー、みたいな(苦笑)
あと100周くらいリセマラしないとダメそうなキャラですが
特殊スキル:開拓S(激レア)
これさえあればキャラデリしなくてよかったりするんですね。
え、よくわかんない?
ま、そういうコトで(笑)
クイズの答え:
↑は雨が降ると水の通り道、そうでない場合は小動物の通り道になっていると思われます
↓が正しいアングラーズトレッキングロードです
・・・ハッキリ言って水路兼獣道のほうが明確に「通路」っぽくて歩きやすい・・・
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