メガバス カッター115

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カッター115/CUTTER115

メーカー:メガバス
カテゴリー:シンペン
スペック:全長119.5mm 重量18.5g フックサイズ#4

評価

一言でこのルアーを表現するならば、コレ。


シンペン界の周瑜(演義ver.)


いうまでもなく三国志正史における周瑜は完璧超人そのもの・・・三公(総理大臣格)を輩出した名門貴族の生まれであり、主君の孫策と義兄弟となって揚州を武力制圧して袁術の勢力下から脱するのを助け、孫策の死後はその弟である孫権にいち早く忠誠を誓って動揺する家臣団をまとめ、孫家の宿敵である黄祖を破ってこれを斬り、曹操に九割方降伏する空気をひっくり返して徹底抗戦に持ち込み実際に赤壁にて曹操に完勝し、それから猛将曹仁が守る江陵を陥して、劉璋の益州に侵攻して「北の曹操と南の孫権」という天下二分の計とする・・・という壮大な計画に取り組もうとするまさにその時に負傷が悪化して36歳の若さで世を去る・・・

はっきりいって正史の周瑜は三国志の三英雄である曹操・劉備・孫権全員を震え上がらせたヤバすぎるヤツである


曹操:赤壁で負けたけどあの周瑜に負けたんだから別に恥ずかしくないもんっ!(意訳)

劉備:あのさぁ孫権さぁ、オタクの周瑜は有能すぎるからアンタ気をつけたほうえエエよ(これで仲が悪くなってくれんかな)
劉備:ところで龐統さぁ、正直に言って欲しいんだけどさぁ、周瑜がワシを逮捕しようとしたのってマジ?
(龐統は劉備より先に周瑜に仕えていた・・・劉備が孫権との会談のために呉に赴いた際、周瑜は劉備のポテンシャルと将来の利害関係のバッティングを見抜いて拘束するよう孫権に上申したが親劉備派の魯粛が庇ったのでこれを免れた・・・龐統は正直にそのとおりだと答えた)


孫権:周瑜さんさぁ(孫権が主筋だが周瑜を兄として接していたので頭が上がらなかった)一人で軍を指揮するのは大変だろうから古参の程普さんを同格の司令官とするね!(やべぇ・・・これ以上周瑜に権力が流れたら孫呉じゃくて周呉になるじゃねぇか!)

三国志演義においてはとことん貶められ、天才諸葛亮の噛ませ犬として登場し、最後は哀れにも吐血して死ぬ悲劇の秀才軍師みたいな描かれ方をする周瑜公瑾であるが、実際は劉備の軍権を剥いで神輿に担ぎ、関羽張飛を従えて益州を落とした後に孫瑜(孫権の一族・・・従兄弟)に任せ、涼州の馬超と同盟を結び、自分は荊州に戻ってそこから北上して曹操と雌雄を決しようという、壮大な構想とそれを実現できるだけの実力を持っていた将軍である。


・・・あ、なんか話がズレましたが、要するにこのルアーは三国志演義における諸葛亮という存在に苦しめられる周瑜的なルアーなんですね。

天はなぜこの周瑜を生みながら、同時に諸葛亮をも生んだのだ!

って叫びながら吐血して死ぬヤツ(苦笑)

ところで諸葛亮的なルアーって何・・・?







アレに決まってるじゃないですか、アレ・・・





適性

サーフ    ★★
内湾干潟   ★★★★
河川/河口  ★★★★★
磯       ★★★
港湾     ★★★★

こういうルアーは「ヒラスズキに効く」みたいな匂わせ方をせず、ハッキリ内海のルアーとしたほうがよいと思います。


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↑この程度のサラシ(つまり丁度いいサラシ)で事実上使用不可能です
マニックもそうですけど、表層で横からのウネリに揉まれるとフックがエビるしアクションも死ぬしで、イイ事が一つもないんですね。
サラシが薄い時には効果的だったりすることもあると思いますが、基本、河川・河口・運河筋のルアーです・・・バチからサヨリまで通年OK

キャスティング

飛距離 ★★★★★
飛行姿勢 ★★★★★
キャスタビリティー ★★★★☆

諸葛亮・・・つまりマニック135に劣る点その①

平常時においてはマニック135並・・・とまでは行かないまでもめちゃくちゃぶっ飛ぶのですが、ちょっと風が吹いたりちょっとキャスティングに制限があったりするとマニック135に比べてかなり落ちます

普通にやる分には文句なしなんですがね


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レンジ




普通の使い方をするならば水面直下5~10cmといったところ。
ティップを高く上げて早巻きするとリップレス断面が水を割って出てくることがあります

諸葛亮・・・つまりマニック135に劣る点その②

マニック135はヘッドが水面を割ってもアクションの性質にそこまで大きな変化はない(だからマニックは「リトリーブスピードを変えて行う強引なトレースコースの修正」がしやすい)のですが、カッター115は水を割るとかなり大きなV字の曳き波が出る上に、タイトなローリングアクションから全身をクネらせるウォブンロールに変化しまいます。

その状態でも釣れるんですけど、この要素をポジティブに捉える人は少ないんじゃないかな・・・と、個人的には思います。
マニックを爆釣ルアーたらしめているのは「常に一定のピッチで出るローリング」であって、「スピードに応じた変化」ではないんです。
カッター115のアクションを良く言えば「2wayアクション」なんですが、悪く言えば「場合によっては長所が消える」になるわけですね。

あと、水面が波で多少ザワついている時もマニック135に遅れを取るかな・・・

アクション・使い方

アクション ★★★★★

良いです・・・完璧に近い表層近くでのタイトローリング。
マニックに比べてちょっとピッチが遅いかな?
ま、何れにせよシーバスが大好きなアクションです。
基本は表層をゆっくりただ巻き・・・静かな港湾部で使うもよし、流れに乗せて送り込むのもよし。
ただし、上述の通りリトリーブスピードの幅はマニック135より狭いというか、早く巻くとアクションに変質が起きるのでそこだけは留意されたし。
(ヘッドが水を割ったアクションは大バチに効くんじゃないかな~・・・と、なんとなく想像しています)

このルアーはいたるところに「マニック115の対抗馬」として作られた形跡が残っています

サイズは119.5mm(ええい、面倒だな・・・120mmだろw)、ラインアイとフックアイを含めて計測すると125mmのルアーなんですが、マニック115にぶつけるために「カッター115」という不可解な名前を付けられたのではないか・・・?みたいな邪推をしてみたくなりますよね。

その売り込み方において「小さいと思われたほうが都市部のルアーとして安心して使われる」とか「マニック115的なルアーだと認識されたい」なんて意図が込められているんだと思います。

あとは「村岡昌憲プロデュース」という触れ込みも多分△ (←いや、ホント根拠ないんですけど・・・多分そう)

このルアーはメガバスの中の人がマニック115/135に感銘を受けてそのパクリを頑張ったインスパイアしたルアーなんじゃないかと。
メガバスがマニックを作るならこうする!と頑張ったルアーなんじゃないかと。
アクションの類似性とフックの編成を見るとIP26に対するアイアンマービーのような関係を感じてしまうんですね。

村岡サンは「追認」というか「名義貸し」というか、まぁ、メガバス主導で出来上がったものに合格サインを出しただけなんじゃないですかね・・・本人が主導して作ったカッター90と比べると一目瞭然なんですが、メディアへの露出量が段違いですし(カッター115が圧倒的に少ない)本人もカッター115を使うような釣りは当時あまりしていなかったのではないように見受けられます。


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ただし、カッター115はそういった政治的背景を抜きにして、純粋にいいアクションを持つ純粋にいいルアーです。
マニックよりちょっとスローな展開が得意でマニックよりフッキング率およびランディング率が高い。
大河川遠投や河口攻略にオススメ。
春のバチパターンから秋のハイシーズンまで、ベイトが浮いているのであれば何にでも使えます。

フックチューン

諸葛亮・・・つまりマニック135に勝る点その①

デフォルトでは#4が3本という、これ以上何を望もうかという編成ですが・・・うーん、自分は#5*3へのデチューンを推奨します。

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いや、#4*3でもイケてるんですけど、ボディに絡む可能性を排除して1キャスト1キャストを大切にしようとしたら#5*3(あるいは5・5・4でも可)がいいかな、と思います。

ついでにここでマニックに勝る点をもう一つ述べておきます(笑)

諸葛亮・・・つまりマニック135に勝る点その②

かなり頑丈

飛びすぎ注意!的なルアーで小さな川だと平気で対岸まで届いたりしますが、多少のぶつけには強いです。
画像のクリアグリーンのカッター115はある晩、釣れすぎて途中から目が落ちるわ、外殻にできたヒビ割れから中に浸水するわで、メチャクチャになりましたが最後までその釣れるアクションを保持していました(殿堂入りで退役)

ルアーの入手

値段 ★★
安定供給 ★★

高い!&(滅多に)売ってない!
残念!!

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総評

最終評価 ★★★★★

実は長いことルアーケースの肥やしにしていました。
いや、現場にも持ち込んでいたんです。
そして実際に使っていたんです。

ところが・・・どうしても諸葛亮(つまりマニック)の存在がチラついて集中して使えてなかったんです(苦笑)


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これだけ風が吹いているならマニックだな、とか

なんか表層がチョイ荒れだからマニックだな、とか

超遠投する必要があるからやっぱり1mでも飛ばしたいからマニックだな、とか

そりゃあね、こうまで当てつけられると憤死したくなりますよね(笑)


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初めてカッター115を使う際はマニック115/135/155を持っていかない、カッター115で釣れるまでマニック勢は全て封印することを推奨します。

マニックにはマニックの長所・・・エクストラ射程と機敏な修正力があって

カッターにはカッターの長所・・・ちょっとスローな展開に強い点と高いフッキング力があって

じっくり向き合ってみれば、カッターは決して周瑜(演義ver.)ではないことがわかるでしょう。

正史の諸葛亮と周瑜が甲乙つけがたい名臣であるように、カッターもマニックもどっちが上かどっちが下か決めがたいルアーです。

オススメの一品

メガバスにはこのルアーを大切にしてもらいたいですね





オマケ

周瑜が自分の死期を悟った際に孫権に送った遺言がコレ
涙なしには読めない超名文ですぞ!
これを書いた人が他人の才を恨んで吐血して憤死するような人格の持ち主であるわけがない!


瑜以凡才、昔受討逆殊特之遇、委以腹心、
遂荷栄任、統御兵馬、志執鞭弭、自效戎行。
規定巴蜀、次取襄陽、憑頼威霊、謂若在握。
至以不謹、道遇暴疾、昨自医療、日加無損。
人生有死、修短命矣、誠不足惜、
但恨微志未展、不復奉教命耳。
方今曹公在北、境場未静、劉備寄寓、有似養虎、
天下之事、未知終始、此朝士干食之秋、至尊垂慮之日也。
魯肅忠烈、臨事不苟、可以代瑜。
人之将死、其言也善、儻或可採、瑜死不朽矣。


↓意訳↓

わたくし、周瑜は凡才の者にも関わらず以前、討逆将軍(つまり孫策)に特別に良くして頂き、兵馬を率いてその恩に報いようとしてきました
これから(劉璋のいる西の)巴蜀を獲り、それから(中央に戻って)襄陽を落とし、曹操と雌雄を決しようとしましたが、我が身を雑に扱ったために病を得てしまいました・・・おそらく治らないでしょう
人はいつか死ぬものですから、人生が短いものであっても惜しいとは思いません
しかしかねてからの遠征計画を実行できず、これ以上我が君に仕えることが叶わないのは残念です

今、強大な曹操は北方にあって、我が国との国境は穏やかではなく
我が国と劉備の同盟は虎を養っているようなもので、劉備の存在は非常に危険です
天下の争いは未だにどうなることか定かではなく、皆が寝食を忘れて励む時です・・・我が君もどうかその事をご考慮ください

(自分とは意見を異にすることが多かった魯粛を推薦する)魯粛は忠烈の士で私の役目を十分に継げるでしょう
人が死なんとするときにその言葉に悪意はないといわれています
もし(孫権が)この最後の献策を採用して頂けるのでしたら、私の存在は死してもなお不朽のものとなるのです











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