マリア エンゼルキッス140TW

KIMG3159.jpg


エンゼルキッス140TW

メーカー:マリア
カテゴリー:フローティングミノー
スペック:全長140mm 重量27~28g フックサイズ#3

評価

すでに多くのモデルが廃番となっているエンゼルキッスシリーズ・・・2018年現在唯一現役として残っているモデルが140で、140TW(タングステン・ウェイト)はその派生バージョンです。
タングステンウェイトを採用することにより重量が2~3gアップ(通常バージョンは25g)しキャスタビリティが向上しています。

このルアーの「特性」にして「問題点」は:


泳ぎすぎるということ


この一言に尽きます。





適性

サーフ    ★★★
内湾干潟   ★★★
河川/河口  ★★★★
磯       ★★★★
港湾     ★★


コレ(というかエンゼルキッス140全般が)、どうも秋田あたりの大河川でテストを重ねられたようで

“悠然と流れる大河の中流域で「流れを釣る」ためのルアー”として性格が形成されたようです。

姑息なドリフト明暗撃ちのことなんか考えられていません(笑)


「アップからスロー~超デッドで流して水を掴むこと」
「僅かな抵抗の違いを伝えること」
「U字の頂点に差し掛かるとパニックするようにアクションすること」


こういう要素ががこのルアーに求められた至上命題だったのではないかと察せられます。

エンゼルキッス140のリップ面積はかなり広く設計されており、たしかにスローから泳ぐし拾える情報量も多くなっているのですが・・・如何せん、ちょっと巻くと暴れすぎるんです


これ、使える場所がすんげー限定されてね?


東北の大河川のような開放的なフィールド・・・大袈裟にいえば「アップに60m投げてダウンに60m流すような釣り」ができる場所・・・アングラー密度が低く邪魔されることなく水量豊かな一級の流れを独占できる場所であれば、エンゼルキッス140のようなルアーが活きることがあるかと思いますが、全国的にみるとそういう贅沢な場所はレアなんです。


どうやらこの事実は昔から指摘され続けられていたことらしいのですが・・・「ちょっと巻いたらドタバタ」ってアクションは合わない人(場所)にはとことん合わないのです。
自分の河川事情だとエンゼルキッスのようにドリフト最中の「修正」が困難なルアーは正直、持て余してしまいますね。

サーフのようなルアーを早目に巻く環境には向かないし、磯でもデッドスローオンリーになってちょっと困るルアーです。
磯ヒラってサラシをスローに巻く釣りダロ?
って思われるかもしれませんが、実際のところは「修正」の連続の釣りで、こういうルアーはキツイです。

キャスティング

飛距離 ★★★★★
飛行姿勢 ★★★★☆
キャスタビリティー ★★★★★

140TWの最大の美徳はこれ。
ノーマル140Fはそのキャスタビリティにおいて特に称揚されるようなモノがなかった(ややファットなシルエットの古いルアーなので仕方なし)のですが、140TWは強風下で2号+40LBようなラインシステムを使っても結構イケてます。

レンジ

河川ドリフトで使うと結構下に入ることがあります。
裂波140以上入るのでシャロー用ではありません。
磯だとしっかり水を噛んでええ感じなんですが・・・前述の通り「ちょっとの修正」で暴れすぎてしまうのが玉に瑕。


KIMG3161.jpg


アクション・使い方

アクション ★★★

ナウなヤングに伝わりやすいよう、このルアーが何に似ているか例を一つ挙げます。

それは・・・ブローウィン140S



ぶっちゃけ「ただ巻き」だけを比べたらエンゼルキッスそのものです。
ちなみにアイにリングが付いているのもそっくりです・・・外しての使用を推奨。
(もちろんエンゼルキッスが遥かに古いルアーです)
ブローウィンのようにスローシンキングではなく、重心配分やリップ形状も違うので「ジャーキング要素」はきっと同じではないと思いますが。

それはさておき、140TWを使って結果を出そうとサーフ→川→磯と頑張ってきましたが、いずれも残念な結果に。


棒→微かに動きだす→レギュラーなアクションが出る→暴れだす→完全に破綻する


このスピードとアクションのサイクル設定が左より過ぎるんですね

いいミノー、傑作とい言われているミノーはこのサイクルのどこかに「収束する帯域」があって、意図するアクションが幅広く出たり、2wayアクションになっていたりするワケですよ。

エンゼルキッス140TWはそれが、ない。
リトリーブスピードが増すに従い、そのままアクション幅もワイドになっていく・・・水の抵抗が抜けずにひたすら暴れ続けるんですね。

フックチューン

ST-46#3で不満ならST-56#2で
(もっとアクションが抑えられるかと思ったら普通に暴れてた・・・笑)

ルアーの入手

値段 ★★★★
安定供給 ★★

時々1000円くらいのワゴンセールになっていることがありますが、それは無印140の可能性もあるので気をつけましょう。
140TWの唯一の美徳であるキャスタビリティが無いノーマル版なんて誰も欲してないでしょ(苦笑)


KIMG3166.jpg


中古で買う際は、TWには背中に「TgW」(Wが羽をになっていて格好イイ!)というロゴが入っているのでソコをチェックしましょう。
もしかしたらLIMITEDというロゴが入っているかもしれませんが、それは限定カラーと言う意味ですので無視してOKです。

総評

最終評価 ★★★

一番カンタンに結果をだせそうなのは多分、磯。
デッドスローでサラシ通せばいいだけの日にはフィットするでしょう。
長い距離をデッド気味に流せる川がある人にとっても、そこまで難しいルアーではないと思います。

が、「良いルアー」とはそういうルアーではないはず。

理想的条件下のみにおいて使用感がそこそこGOODである(結果を出せる)ルアーって「平凡なルアー」あるいは「用途が限定される特殊なルアー」なんじゃないかと・・・個人的にはそう思います。

エンゼルキッス一族が覇権を握ることなく消えていったのは何故なのか、なんとなく理解できますね。










関連記事