ヒラスズキとマルスズキの見分け方

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ヒラスズキとマルスズキは混じることがあります。


磯ヒラスズキが盛んな地域の磯にマルスズキが入ってくるのはある意味で当然のことですが、逆に隣接エリアのマルスズキゾーン・・・港湾やサーフや川にヒラスズキが侵入してくることが普通にあります。


普段ヒラスズキを滅多にみない、所謂「湾奥エリア」にも時々入ってくることがあります。
(ヒラスズキを釣ったことに気が付かなかったシーバサーはかなりの割合で存在すると思います)


これヒラ?これマル?


見分け方にちょっと自信がない時の両者の区別の仕方をご紹介。




最初に

この記事は学術的に「背鰭の軟条がこうこう」とか「主鰓蓋骨の突起がこうこう」とか、そういう見分け方が出来る人には無用です。
我々(魚類分類学的な意味で)素人が魚をパッと見て精度の高い判別ができる手助けになればいいという趣旨の元にかかれています。

この記事を書いたきっかけは「ヒラスズキの下顎(口唇の下)にはウロコがあるがマルスズキには無い」のような、誤った判別方法が広まりつつあるのを目撃したからです。
オイオイ、マルスズキやタイリクスズキにも下顎(口唇の下)にウロコがある個体はそれほど珍しくなく、それは決定的な判別方ではないし、そういう学術的な見分け方をするならもっと別の方法があるだろうって(笑)
たとえば背鰭の軟条の数による鑑定方法・・・マルスズキは12~14本(稀に15本)ヒラスズキは15~16本(稀に14本)・・・を実施するとか。

ヒラスズキとマルスズキの素人流の見分け方はもっと簡単です(苦笑)

ヒラスズキとマルスズキの見分け方はこの三点のトータルで考えるとすっごく簡単です

・尻尾の短長と広狭
・【頭の大小】と【体高の高低】と両者のバランス
・体(背中)の色とグラデーション

この三点の内の二点が「どうやらヒラスズキらしい」にあたるマルスズキでも最後の一点がかならず違います。

ヒラスズキは尻尾が太くて短い

一方のマルスズキは尻尾が細くて長い

個人的には一番のポイントだと思います。
ただし、厳密には「ヒラスズキは尻尾が太くて短い傾向がありマルスズキは尻尾が細くて長い傾向がある」ということで、当然のことながら尻尾が長くヒョロいヒラスズキもいれば、尻尾が発達してマッスルなマルスズキもいます。


ヒラスズキの尻尾

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マルスズキの尻尾

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ヒラスズキは頭が小さく体高があるのでフンが長く突き出ている様にみえる

一方のマルスズキは頭が大きく体とそのまま繋がっている感がある

ヒラスズキはアカメやバラマンディほどではありませんが、高い背中に小さな頭がチョンっと突き出ている感じがします。
ヒラスズキはとにかく背中が高い・・・人によっては尻尾の形状よりは背中の形状を第一の手掛かりとしていることもあると思います。
特に口を閉じた状態で地面に置いた個体を真上からみたら一目瞭然ですので、人にマル/ヒラ鑑定を依頼するために写真を撮影する際はブツ持ちを避けなるべく口を閉じて真上から撮りましょう。
ただし、この要素もあくまで「傾向がある」という話で、背中が盛り上がっていて頭が小さなマルスズキもいれば、背中と頭のバランスが均一でマルスズキっぽいヒラスズキも存在します。

ヒラスズキの頭と体高

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マルスズキの頭と体高

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ヒラスズキは全般的に銀っぽい

一方のマルスズキは背中が黒っぽくグラデーションがかかっている

銀ピカである傾向が高いヒラスズキと背中が黒っぽいマルスズキ。
ただし、黒っぽいヒラスズキもいれば銀ピカのマルスズキもいるので決定的な材料にはなりませんが、時として「尻尾が短く頭が小さく体高がある、かなりヒラっぽいヤツがいるけど色がどうみてもマルスズキ」のように最後の判断基準として有効に機能することがあります。

ヒラスズキは黒っぽくなっとしても「うっすら黒い単色のグレー」ですが、マルスズキは背中からお腹にかけて黒っぽさに段階があります・・・ようするにグラデーションがついています(重要)。

黒っぽいヒラスズキはどうやら岸に比較的長時間居着いているようで、銀ピカのは回遊群なんだとか。
もちろんそれらは「固定色」ではなく、前者が岸を離れてしばらくすると銀ピカになるし、回遊していた群れがとある岸の食糧事情に満足して2日3日も滞在すれば黒っぽくなるようです。


銀ピカヒラスズキの色

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黒っぽいヒラスズキの色

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単調なグレーに注目!

銀ピカマルスズキの色

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湾奥でも銀ピカはいる!

黒っぽいマルスズキの色

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我々が一番見慣れているマルスズキの色です・・・背中の頂点が一番黒く、お腹のほうへいくに従って徐々に薄くなっていきます
全体的にやや「ゴールド」というか「鈍いブロンズ」っぽく、お腹の白銀とはあきらかに違います・・・一方のヒラスズキはとにかく全体的に銀。

ヒラスズキに二点似ているけど最後の一点が違う例


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体高があり、頭が小さくフンが突き出ているように見え、マルにして尾が短く太い(ヒラスズキにもこれくらいの長めの尾の持ち主はいる)

・・・が、体色的にここまで黒くてグラデーションがかかったヒラはいない。

故にこれはマルスズキである。


とまぁ、こういう具合です。


100匹のスズキ・・・マル(50匹)とヒラ(50匹)が混じって詰められたコンテナがあったとしたら、そのうちの90匹は尻尾の形状と、頭の小ささ/体高の程度と接続のバランスで瞬時に見分けられます。

ヒラっぽい体高をしていてなおかつ尻尾が微妙に短い個体のホトンドはグラデーションが掛かった黒い背中をしているので残りの10匹の内、8~9匹も同様に問題なく見分けられるでしょう。

ホントのホントに【尻尾・頭/体高・体色グラデーションの三点トータル判別法】で見分けにくいのは100匹に1匹・・・どころか1000匹に1匹くらいです。
これでわからなかったら、ようやく学術的な分類方法である「背鰭の軟条がナントカカントカ」の出番ですよ(笑)


・尻尾の短長と広狭
・【頭の大小】と【体高の高低】と両者のバランス
・体(背中)の色とグラデーション



この判別法、お試しあれ。






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