キスを釣ってキスを食う

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美味い魚を食いたい


「美味い魚」と呼ばれるものを一通り食い尽くしてみると、本当に美味いのは◯◯産ホンマグロだのマダイだのの有名所の高級魚や、見たことも聞いたこともない珍奇希少なゲテモノでもなく、アジ・サバ・サヨリ・コノシロ・メバル・スズメダイ・ヒイラギ・ギンポ・ハゼ・メゴチ・キスなどの「旬で新鮮で身近な魚」であることに気がつく。

はっきり言って春のサヨリの身の美しさを語れない自称美食家は胡散臭いし、脂がノリにノッたコノシロをどれくらい酢に締めるのか、その時間について熱い議論を交わせないヤツは信用できない。
アジのナメロウに何をどれくらい入れるか、他所の家の極意は盗みたいものだし、ギンポの天麩羅の美味しさについて語ればその場にギンポがなくとも肴になるというものだ。
というわけで美味い魚が食いたい。


・・・みたいなオタクっぽいことをぶつぶつ呟きながら、薄暗い中でキス仕掛けを用意しているのはぼらおさんである。


キスはまず、ムチムチに太った飴色の背の、20cm前後の個体を数匹揃えて刺身にする。
糸造りか、皮付き炙りかの選択は自由である・・・昆布締めやナメロウは単純な刺身に飽きた頃に拵えてみるのも一興かもしれないが、走りの時期に王道から外れるのは如何なものか。
刺身を存分に味わったのちに小~中くらいの個体を天麩羅、唐揚げ、丸焼き、一夜干し、吸い物などにするのもいい。





なーんてな感じでツウなふりをしてはいるんですけど、希望通りの数とサイズのキスを時短で釣るには運(つまり寄ってきたキスの密度が高くかつ釣りやすい条件が存在するか否か)が大きく関わっているので最初の15分くらいは緊張するんですね。



え?腕は?



まあ腕も関係してますけどね・・・そこはほら、ぼらおさんには関係ないというか、そんな凡俗の悩みから超越してるというか、まぁ、そういうコトですよ。



・・・いや、ぶっちゃけ、めちゃくちゃ関係してますよ?



餌取りが陣取ってるゾーン、そうでないゾーン。

餌取りがいないけどキスもいないゾーン。

キスがいるけどピンしかいないゾーン、玉石混交なゾーン、渋いけど良型が出るゾーン。

藻が途中にあった場合、先に飛ばすべきか手前に落とすべきか・・・先に飛ばすとして良型を掛けた場合、藻を回避できるのか否か。

and so on.

状況を読まなければならないし、情報を感じなければならないし、判断を下さなければならない。

キスが掛かったのを感じたとして、手堅く回収したほうがいいのか、ゆっくりサビき続けて上乗せを期待するのがいいのか・・・いま掛かっているキスがおおよそどれくらいのサイズかを把握し、海のコンディションやキスの群れの活性を理解した上で回収or続行の判断基準となるブレイクイーブンポイントを軸として据えていないと効率の最大化を図れないのだ。


ま、ぼらおさんくらいのレベルになると、あたり前田のクラッカー過ぎて無意識のうちに全部やってるんで問題はないんですけどね(テヘペロ


開始ポイントはフグは居ない代わりに釣れるのは12~14のピンばかり。
とりあえず目標の一つである30~40の数は楽に釣れるであろうことが分かったのでホッとします。


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んー、やっぱりこの背中の色よな。
この色を見て食欲がわかない人とは永遠にわかりあえそうにないネ。






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前後左右に探りをいれつつ、やっかいな藻場やフグゾーンや特に小さいピンゾーンなんかを脳内マッピングしつつ、ここが良いんじゃないかな、と思うところを集中爆撃。

すると・・・


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いや、嫌いじゃない(むしろ好き)けどキミ、なぜかこの辺では数が出ないっしょ?

なーんて思っていたら


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ポン、ポン、ポンッって感じに20upが立て続け釣れて大満足。

欲張って2匹3匹まで粘ってると

a) 良型は2針目3針目の餌も食べようとして仕掛けが滅茶苦茶になることがある
b) 良型は回収途中の藻場の回避に失敗することがある

こういうコトになることがわかったので

・良型と思ったら即回収
・14前後のピンなら2~3匹まで待つ
・待っても上乗せがないなら移動

という基本戦略を掲げます。


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結局2時間強で38匹、うち20upは5匹という結果に。
うーん、美味そう・・・だけどこれら全てを献上してしまって刺身はお預け。

まぁいいさ、餌はまだ残っているからまた明日釣ればいいさ・・・ってんで翌日。


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ファック野郎が我が物顔で浅瀬を横切るのを尻目に再エントリー。

すると・・・


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フグ野郎のテリトリーが相当拡大している。

こりゃアカンな、足で稼ぐ釣りせんとな、ということでちょこまか移動を繰り返していると・・・


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超絶雑魚その1


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超絶雑魚その2


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超絶ピン子


やべぇ、これは真面目にやらんと餌が持たないつーか、もう既にlow qualityなゴカイしか残ってないぞと危機感を募らせ、かなりの本気度で仕切り直した結果・・・


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なんとか良型スポットを探り当てる。
ぶっちゃけ20upの良型は17~18の脱ピン3匹分、14前後のピン6匹分くらいの価値があると思う。
刺身用に捌いていると、だいたいそれくらいの価値の違い・・・可食部位の肉厚の差があるように見受けられる。
20upが鈴なりに釣れるときっと楽しいだろうなァ・・・


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今日はピン野郎ばかりで、数だけは前日より多いっぽいが肝心の質、ハイクオリティーなキスは半分にも満たないような気がする。
もうすぐ餌も時間も尽きるだろうし、もはやこれまでか・・・ぐぬぬぬ・・・
と、思っていた矢先の出来事だったので本当に嬉しい。


ま、日頃からの善行の積み重ねがこういうことに繋がっているのでしょう。


結局、所要時間は前日と同じくらいで46匹
うち20upは3匹


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運は悪かったが、本気度が違ったためリカバリーを果たせたってところ。

ウン・・・ぼらおさんはボートタチウオもそうだけど、簡単に釣れるんだけど腕の違いがそのまま数の違いとなって出る釣りが好きなんだな、きっと。
多分延べ竿のハゼ釣りなんかとも相性がいいと思う。

ま、何にせよ、炙られる直前のこの身を見ながら


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どんな酒を合わせようかとか、次は何処で竿だそうかとか、いややっぱり狙いを変えてサヨリに行こうかとか、そういうコトを考えたり喋ったりするのが「幸せ」なんですな。

こんな美味い魚がこんなに簡単に釣れるなんて、福岡は恵まれ杉田玄白やん。

使った仕掛け針


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8号も使ったけどやっぱり安定の7号
ルアーロッドでやるなら5本針とかの重武装より2~3本針で手返しよくやるのがエエです







こんなタックルを使っています







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